市場の動向:遊技機

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遊技機市場

長期減少トレンドを辿る遊技人口

 遊技人口は、遊技性の複雑化や、高射幸性機種の設置拡大によるライトユーザーの離散等により1995年頃をピークに減少傾向を辿っています。
その影響を受け、パチンコ・パチスロ市場規模*1も長期漸減トレンドを描いています。

 2004年7月には、過度な射幸性の抑制を主眼に置いた「風適法施行規則等の改正」(以下、規則改正)が施行され、パチスロ遊技機の遊技性の幅が狭まりました。経過措置期間*2が終了した2007年秋以降、新規則に準拠する機種への入替が進むに従い、遊技性の変化を背景に、主にパチスロのコアユーザーの離散が加速しました。

 その後も従来の中心的な参加者だった若年層のパチンコ・パチスロ離れが著しく進みました。スマートデバイス向けのゲームアプリ市場の拡大等による「遊び」の選択肢が多様化したこと、高射幸性タイプのパチンコ遊技機の設置拡大によるライトユーザーのさらなる離散などが要因とされています。

 遊技人口の減少により、パチンコホールの経営状況が一層悪化し、これに伴い遊技機市場も大きな影響を受けていくことになりました。
*1 :パチンコホールの貸玉料、貸メダル料の総額
*2 :2004年7月に施行された規則改正において、急速な市場環境の変化の緩和やパチンコホールの設備投資負担に配慮して設けられた旧基準機から新基準機への入替に関する3年間の経過措置期間

遊技参加人口とパチンコ・パチスロの市場規模

出所 : (公財)日本生産本部「レジャー白書2017」

遊技機市場規模/販売台数

出所 : 矢野経済研究所

パチンコホールの投資余力の低下と遊技機市場の縮小

  遊技参加人口の減少を背景とした投資余力の低下や、規制の強化、機械の高額化を背景とし、確実な投資回収が期待できるタイトルや遊技機メーカーを厳しく選別する傾向を強めていったパチンコホールは、新機種への入替回数を減少させていきました。これが遊技機市場規模の縮小に直接的な影響を与えています。店舗の大規模化によって1店舗当たりの設置台数が増加する一方で、年間回転数*3が低下傾向を辿っているのはその証拠です。
*3 :年間回転数=年間販売合数/設置台数

年間回転数と店舗数

出所:年間回転数は警察庁及び矢野経済研究所データより当社算出、店舗数は警察庁
* 年間回転数=年間販売合数/設置台数

悪循環を断ち切るための取り組みの必要性

 ユーザーの裾野拡大に向けて、パチンコホール、遊技機メーカーともに低射幸性機種の導入や、開発を進めました。しかし低貸玉営業はパチンコホールにとって稼働時間*4の向上に一定の効果はあったものの1台当たりの売上高の低下をもたらし、パチンコホールの経営状態の悪化に拍車をかけました。これに伴う投資抑制による店舗活性化の遅れや、短期的な資金回収のための高射幸性機種導入等が、ライトユーザーの離散をさらに加速させています。また、パチンコホールに不正に改造された遊技機が流通している問題や、ヘビーユーザーの「のめり込み問題」が問題視され、2014年に型式試験の運用方法の変更が実施されました。遊技機メーカーは、開発スケジュールの見直しを迫られるとともに、検定機と異なる可能性のある遊技機の自主回収を実施しました。不正改造の予防策として、メーカーの責任範囲が販売後のメンテナンスにまで拡大しています。
*4 :営業時間中に遊技機が稼働している時間

稼働時間*

出所:ダイコク電機(株)「DK-SIS」データ
* 営業時間中に遊技機が稼働している時間
 こうした一段と厳しさを増す経営環境を受け、パチンコホールは限られた資金の確実な回収を企図し、優れた稼働時間が期待できる機種の選別的な導入を進めており、遊技機市場では、競争力あるIPや開発力、そしてその開発力を支える強固な財務基盤がある上位企業と、下位企業の優勝劣敗が一層、鮮明化しています。

 また、遊技機メーカー、パチンコホールなど業界一丸となって業界の健全化と活性化に向けた取り組みも活発化しています。遊技機メーカーは足並みを揃え、射幸性を煽る機能を抑制する自主規制を相次いで導入しています。新規制に適合した機種の中には高い稼働実績を示すタイトルも登場しているものの、パチンコホール側は新規制に適合した機種に関して、慎重な入替姿勢をとっており、遊技機市場は短・中期的には低調に推移することが予想されています。

 短期的な影響を乗り越え、長期的な視座のもとでユーザー層を拡大し業界を活性化していくべく、遊技機メーカーによるユーザーへのダイレクトマーケティング等、従来の業界とは一線を画す取り組みが進められています。従来ではありえなかった競合同士のパートナーシップもその一つです。部品の共同調達や部材共通化等、プラットフォームの業界全体への波及や、開発面での連携を通じた新たな遊技性の創出も期待されています。

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