COOインタビュー サミー株式会社 代表取締役社長COO 青木 茂

サミーの「爆発力」を引き出す

Q サミーの新COOとしての所信をお聞かせください。

A サミーグループ各社の役職員全員のベクトルを合わせ、トップシェアを獲得・維持していきます。

サミーにはセガサミーグループの成長を支える大黒柱であるという使命があります。そのためには高い収益性を保ち続けることが求められます。
 その命題を果たすために必要なことは、パチスロ遊技機、パチンコ遊技機ともに、トップシェアを獲得することです。
 パチスロ遊技機事業では、主力タイトルの好調な販売により2011年のシェアは23.9%となりました。この水準を維持するに留まらず、より一層のシェア拡大を目指していきたいと考えています。また、パチンコ遊技機事業では、これまで以上のシェアを獲得し、中長期的にはトップシェア獲得を目標としていきます。
 もちろん、現下の競合環境のなかで、こうした経営目標を実現し、それを継続的に維持・向上していくということは容易なことではありません。しかし私は、中山CEOがこれまで進めてきた、「どのような市場環境下にあっても、事業計画を着実に達成する企業」の創造に向けた、全業務プロセス改革の方向性を踏襲・強化するとともに、社長就任時に掲げた重点課題を確実に実行し、「質の高い協調性」で社内の連携をより強固なものにすることで全社員のベクトルを合わせ、トップシェアの獲得と収益の拡大を実現します。

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Q 具体的にはどのような重点施策を打ち出していきますか。

A 「パワーアップサミー」のスローガンのもと3つの重点施策に取り組んで行きます。

サミーにはまだまだ改革の余地があると考えています。私は「パワーアップサミー」をスローガンとして、3つの重点施策を打ち出しました。
 第一の重点施策は、「社員一人ひとりの力量の向上」です。サミーは設立以来、「人は最大の財産である」という考えを貫いてきました。今後の飛躍もまた、「人財」の育成がカギとなります。一人ひとりの力量をさらに高めていく仕組みを整え、サミーの力を最大限に発揮させていきたいと考えています。
 第二の重点施策は、「各世代のニーズに合ったよりよい製品の供給」です。トップシェアという経営目標を継続的に達成していくためには、各世代のニーズに合ったよりよい製品を提供しブランド力を高めることにより、既存ユーザーに留まらず、新しいユーザーへと裾野を拡げていくことが必要不可欠です。例えば、時間・資金的に余裕がある団塊世代や、幅広いエンタテインメントの選択肢がある若い世代それぞれに向けて、よりきめ細やかなマーケティングを行えば、マーケットを拡大できる余地は大いにあると考えています。このような考えに基づき、2013年3月期の研究開発費を増額するとともに、すでに新たな製品開発にも着手しています。
 そして、「経営資産の有効活用」が三つ目の重点施策です。2012年9月より、埼玉県川越市の新工場、新流通センターが稼働を開始します。パチスロ遊技機のグループ全体の生産能力は、従来の5,400台/日から7,900台、パチンコ遊技機のグループ全体の生産能力は同4,800台/日から9,800台に大きく増強されます。これによる販売機会ロスの最小化に加え、マルチブランド戦略を担う企業間で部材の共同購買・共通化、廃棄ロスの極小化など、効率的な生産体制の構築に向けて新工場、新流通センターをフルに活用していきます。

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Q 2013年3月期は販売台数が大幅に増える計画です。どのように達成しますか。

A 計画達成のため販売タイトルを質・量ともにアップさせます。

パチスロ遊技機の販売台数は、2012年3月期の約30万台から47.3万台、パチンコ遊技機は約33万台から45万台に増加させる計画です。決して低い目標ではないことは確かです。しかし、目標は常に挑戦意欲が湧く水準に設定すべきだと考えています。
 これまで遊技機事業では、パチスロ遊技機、パチンコ遊技機ともに、年間販売タイトルを年々増加させ、両事業でトップシェアの獲得を狙うという明確な意思表示を示してきました。2013年3月期も、パチスロ遊技機、パチンコ遊技機ともに投入タイトル数を増加する計画です。もちろん、単にタイトル数を増加させるだけで目標を達成できるとは考えていません。
 サミーは、2007年9月から移行した新開発体制が軌道に乗り、すべての製品のクオリティーが確実に底上げされました。パチスロ遊技機事業における2010年の30.9%、2011年の23.9%という安定的なトップシェアの獲得、パチンコ遊技機事業の市場プレゼンスの向上などをご覧いただくと、その成果がご理解いただけると思います。この鍛え上げられた開発体制を活かし、マーケットの支持を獲得できる多くの機械を供給していきます。加えて、新川越工場を中核拠点と位置付け、遊技機事業のグループ企業全体の連携を深めながら、販売台数の増加を図ります。

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Q 2013年3月期において遊技機事業が増収・減益の計画である理由を聞かせてください。

A 将来のさらなる競争力向上を見据えた施策が背景にあります。

遊技機事業が、2012年3月期と比べて35.1%の増収にもかかわらず1.4%の減益計画となっているのは、第一に、利益率が高いパチスロ遊技機における主力タイトルの販売が予想以上に大きく伸びた2012年3月期と比較して、パチスロ遊技機の利益率を保守的に設定していることが上げられます。
 また、2013年3月期に予定しているパチンコ遊技機枠のモデルチェンジにより、原価の上昇ならびに、それに伴う利益率が高いパチンコ盤面の販売比率が低下することにより全体として原価率が悪化します。さらに研究開発費の増額も利益率に影響を与えます。しかし、これらはいずれも次期以降における、より一層の競争力強化を睨んだ戦略的な施策です。2013年3月期の施策を通じてサミーのパチンコ遊技機の枠が市場に浸透する2014年3月期は、パチンコ盤面の販売比率上昇により、利益率の改善を見込みます。

遊技機販売計画

  2012年3月期 2013年3月期(計画)
  タイトル数 販売台数 タイトル数 販売台数 増減
パチスロ遊技機 11タイトル 300,866台 13タイトル 473,000台 +約172,000台
パチンコ遊技機 14タイトル 332,288台 15タイトル 450,000台 +約117,000台
  パチンコ遊技機盤面販売比率 52.4% 31.2%  
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