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FUTURE 特集1:カジノとセガサミー

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韓国の空の玄関口である仁川広域市。セガサミーグループは、仁川国際空港に隣接する国際業務区域(IBC-1)において、Paradise Groupとの合弁プロジェクトを推進しています。この取り組みは、将来の国内における大きな商機「カジノビジネス」の獲得に向けた布石です。

  • 世界で注目を集める成長事業「カジノ」
  • 観光立国を目指して
  • 国内でのこれまでの動き
  • 参入を表明したセガサミーグループ
  • これまでに打った布石
  • 今後の「工程表」

注: この文章のカジノを含む統合リゾート施設に関する法的議論の手順・スケジュール、及びその他の将来に関する記述は、現在、当グループが入手可能な情報に基づく将来に関する見通しです。正確であるという保証もその通りに実現するという保証もありません。
従って、これら情報に全面的に依拠されることはお控えいただきますようお願い申し上げます。

世界で注目を集める成長事業「カジノ」

現在、120以上の国でカジノが運営されており、G8諸国も日本を除くすべての国がカジノを合法化しています。2010年現在、約1,176億ドルと言われている世界のカジノビジネスの市場規模は、2015年には1,828億ドルに拡大すると予想されています。最大の市場はラスベガスを擁し、世界の約50%、約575億ドルの市場規模を占める米国です。一方、近年、急速に存在感を高めているのが、アジア・太平洋地域です。中国やアジアの目覚ましい経済発展を背景に、市場規模は、2006年の137億ドルから2010年には、343億ドルにまで拡大しています。とりわけ2010年は、前年と比較して49.7%もの伸びを示しました。その中心となったのは、2010年に前年比57.8%もの驚異的な拡大を果たした世界有数のカジノセンターであるマカオ、そして2006年にはじめて免許を交付し、2010年に2つのカジノを含む統合型リゾート施設が開業したシンガポールです。この2つの市場が牽引し、2013年にはアジア・太平洋地域が米国を超え、世界最大の市場になり、2011年から2015年にかけCAGR*18.3%のペースで成長を続け、2010年の2.3倍の市場規模にまで拡大するとも予想されています。

世界のカジノビジネスの市場規模

世界的なカジノビジネスへの関心の高まりの背景には、マカオで実証された大きな経済効果があります。また、シンガポールでも多岐に亘る経済的な効果を生み出しました。最も大きな影響を与えたのは観光収入の増加です。シンガポールに訪れた外国人観光客は、2009年の統合リゾート施設開業前の約968万人から、開業直後の2010年には、約1,160万人に拡大しました。これに伴い国際観光収入は49.2%も増加し、同年の名目GDPを1.7%押し上げる効果があったとされています。また、建設投資等を含む施設開業までの経済効果に加え、開業後は間接雇用を含めて約6万人の新規雇用の創出や、税収効果など、同国経済に様々な影響を与えています。

米国ラスベガス等、カジノを先行して合法化してきた地域では、カジノに関する統制ノウハウの蓄積により、想定される社会に与えるネガティブな影響を抑制しながら、経済的効果を最大限に生み出してきました。こうした成功事例も国際的に検討が活発化している背景です。そして、検討を進めている国のひとつが、日本です。

出所: カジノの市場規模はPricewaterhouseCoopers LLP, Wilkofsky Gruen Associates、
シンガポールの外国人観光客数及び観光収入はシンガポール政府観光局

* Compound Annual Growth Rate:年平均成長率

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観光立国を目指して

少子高齢化の進展による影響が懸念されている日本では、観光産業の経済発展のけん引役としての大きな可能性が注目されています。2003年にスタートした外国人旅行者の訪日促進活動「ビジット・ジャパン・キャンペーン」が功を奏し、韓国や中華圏をはじめとするアジアからの外客数が大幅に伸び、2003年に約520万人だった外客数は、2012年には約6割増の約836万人に達しました。一方、人口比では、1位のフランスが人口の1.2倍もの外国人を受け入れているのに対して日本では人口のわずか5%程度に留まっており、アジア全域で見ても、第1位の中国のわずか9分の1に留まっています。この数字が示す観光産業の大きなポテンシャルを具現化する有力な手段として注目されているのがカジノです。カジノは、公的財源を活用せず、民間投資のみで創出できる新たな観光資源となり得ます。これを呼び水に、国際観光収入の増大や地域産業の振興、雇用の創出、そして国際競争力の強化と税収の増加によ る財政の改善を図るという一貫した主旨のもとで、過去10年間に亘りカジノ解禁の可能性についての議論がなされてきました。

* 出所: 日本の外客数は日本政府観光局(JNTO)、日本以外の外客数はUNWTO(2011年)

観光立国を目指して

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国内でのこれまでの動き

国内での議論は2001年頃からスタートし、2004年には基本構想が固められました。「我が国におけるカジノ・エンターテイメント導入に向けての基本方針」が2006年に発表され、制度の骨格となる基本的な枠組みが固まりました。そして2010年、超党派の「国際観光産業振興議員連盟(IR議連、通称・カジノ議連)」が発足し、枠組みに関する議論が本格的にスタートしました。2011年7月には、「法案大綱」が作成され、法案の骨格となる考え方に対する基本的な合意がなされました。そこで実現を期するとされたのは、カジノ単体ではなく、会議施設、宿泊施設等様々な余暇施設等を含む「統合型リゾート(IR:Integrated Resort)」です。これを特定複合観光施設と呼称し、当該施設を含む区域概念を「特定複合観光施設区域」と定義することも合意されました。

2011年8月には、第一ステップとして「IR推進法(特定複合観光施設区域推進法)」を成立させ、その後「IR実施法(特定複合観光施設区域実施法)」の成立を目指すという、二段階で議論を進めることについてIR議連の中で合意形成がなされました。前者は基本理念の定義等を定める法律であり、後者ができてはじめてカジノを実施する法律が成立することになります。

見込まれる経済の波及効果

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参入を表明したセガサミーグループ

セガサミーグループは、カジノを含む複合型リゾート施設の運営事業を将来の新たな収益機会と捉え、参入の意思を表明しました。IRが実現すれば、様々な業界が恩恵を受けると予想されます。IRの開発時には、不動産開発、カジノマシン等の機器メーカーなどがビジネスチャンスを得る可能性があります。またカジノの運営がスタートした後は、オペレータも長期に亘り収益獲得の機会を得ることができます。

セガサミーグループは、1965年にアミューズメント施設運営事業を開始したパイオニアです。以来、半世紀に亘り業界の発展をリードしながら実績とノウハウを積み重ねてきました。また、遊技機や業務用アミューズメント機器で機械の開発力も磨き上げてきました。当グループは、機器の開発・提供と運営の両面でカジノに携わることができる数少ない企業グループのひとつです。一方、カジノビジネスには、優良な顧客を安定的に集客するためのノウハウをはじめ、当グループの既存事業にはない数多くのノウハウが求められます。また、投資規模も相当規模に上ることが見込まれます。従って当社は、海外で実績があるオペレータとのパートナーシップを通じて、投資リスクの低減やノウハウの獲得、経営リソースの相互活用を図っていくことを基本方針としていきます。

想定される民間事業者のビジネスチャンス

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これまでに打った布石

これまでに打った布石

フェニックスリゾート
フェニックスリゾート

当グループは、参入をにらんだ準備を着々と進めています。2012年2月に実施したフェニックスリゾート(株)の全株式の取得もそのひとつです。同社が経営するホテル、スパ、ゴルフ場、レストラン、国際会議場等からなる日本有数のリゾート施設「フェニックス・シーガイア・リゾート」を通じて、大規模複合リゾート施設の運営ノウハウの獲得を進めています。

韓国では、有力企業とのパートナーシップのもとで、カジノ運営のノウハウの獲得に乗り出しました。

2012年5月、Paradise Groupと仁川市の仁川国際空港に隣接する国際業務区域(IBC-1)においてカジノを含む複合型リゾート施設の開発プロジェクトの企画・開発・運営を行う合弁会社PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.を設立しました。

Paradise Groupは、同国でカジノの運営、ホテル、スパの経営を行っているParadise Co., Ltd.を中核とする観光サービス事業等の複合企業です。

同社は韓国におけるカジノビジネスのパイオニアとして大きな存在感を持ち、豊富な知見を蓄えてきました。当グループは、PARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.に45%を出資する株主として主体的に経営に参画し、役員・社員を派遣していきます。2013年7月には、Paradise Groupがすでに仁川国際空港隣接地で運営しているカジノ施設Paradise Casino IncheonをPARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.が取得しました。これによりカジノ運営のノウハウと経験を積極的に取得していくと同時に将来、IBC-1においてParadise Casino Incheonのライセンスを活用しながら施設規模を拡張していくことを計画しています。

また、韓国釡山市の「センタムシティ」開発計画への参画も準備のひとつです。「センタムシティ」は、情報・通信・映像・娯楽・国際業務などの機能を備えた最先端の複合都市として、開発が進められています。当グループは、新たに設立したセガサミー釡山を事業主体とし、約350億円を投じて、ホテル、エンタテインメント、商業施設等からなる複合施設の開発・運営を行う計画です。

取得した土地は地下鉄センタムシティ駅に直結するなどアクセスの便に恵まれ、また世界最大の百貨店等の商業施設が集積した超一等地であるため、十分な集客力を有しています。ホテル運営等については、専門的な知見を有するパートナーを迎えリスクを抑制しながら、セガのアミューズメント施設事業のノウハウの活用による安定収益の創出と、複合リゾート施設の開発・運営のノウハウ習得を図っていきます。

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今後の「工程表」

今後の「工程表」

2013年に入り、IRの法制化が、より現実的な議論へと発展してきました。基本法といえるIR推進法は、早ければ2013年秋の臨時国会に提出される可能性があります。仮にこの時点で成立することを前提とした場合の、その後の工程表は次の通りとなります。

IR推進法の公布後3 ヶ月以内にIR実施法の詳細検討がはじまります。IR推進法では2年以内にIR実施法を策定することが義務付けられているため、有識者の意見や国民の理解を得ながら、法案・法令等の起案が行われた後、遅くとも2年後までには、IR実施法が成立するものと想定されます。これにより制度的な枠組みが整い、実現に向けた本格的な手順がスタートすることになります。その後、規制機関が設置され、民間事業者の選定準備や実際の運営に際しての監視・監督のための体制が整備されることになります。次に、IRの誘致を希望する地方公共団体の申請に対する審査がなされ、特定複合観光施設区域が指定されます。指定を受けた地方公共団体は、公募により特定複合観光施設の計画・投資・開発・整備・運営を行う民間事業者の選定を行い、開発協定を締結することになります。選定を受けた民間事業者は、国の規制機関に対して免許を申請・取得するのと並行し、本格的な開発を進めていくものと思われます。このような一連のプロセスがスムーズに進行すれば、2020年前後には実際の運営がスタートするという見方があります。このように、慎重かつ緻密な手順が踏まれていく背景には、厳格な監督のもとで健全性と安全性が確実に担保されたカジノを一つの産業として育成していくという考えがあります。

センタムシティ
センタムシティ

実施法の成立を待ってからでは、地域社会での合意形成や事業化に向けた準備に間に合わないため、IR推進法が成立したタイミングで、すでにIRを誘致したい地方公共団体や、参画を狙う内外の民間企業が、具体的な準備に取り掛かるものと予想されます。そして、現実的な議論がさらに進展している可能性がある2016年頃、既述のPARADISE SEGASAMMY Co., Ltd.のIBC-1における複合リゾート施設とセガサミー釡山が開発を進める「センタムシティ」がともに開業する見込みです。当グループは、今後も着実かつ積極的に将来をにらんだ準備を進めていきます。

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THE MANAGEMENT TEAM

  • A Message from the CEO セガサミーホールディングス株式会社 里見 治
  • Interview with the COO 株式会社セガ 鶴見 尚也
  • Interview with the COO サミー株式会社 青木 茂

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PRESENT

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