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- FUTERE 特集2：「良質」なコンテンツを より多くのお客様へ
2013年4月に当社が配信を開始したiOS版「ぷよぷよ!!クエスト」は、わずか10日間で100万ダウンロードという驚異的なスピードでユーザー数を伸ばし、無料総合ランキングで1位を獲得しました。その後も勢いは衰えず、7月にはAndroid™版と合わせて300万ダウンロードを突破しています。これは一例に過ぎません。国内では5月以降、iOS市場において売上ランキングトップ50に、業界トップクラスとなる10本以上のタイトルをコンスタントにランクインさせ、その数は増加傾向にあります。4月以降に本格参入を開始したAndroid™市場のランキングにおいても、8月末時点で9本のタイトルをトップ50に送り込んでいます。「より多くの良質なゲームを幅広いお客様にお届けする」という経営の基本思想に基づく戦略を、ぶれることなく着実に遂行してきたことが、設立からわずか1年でこのように急速に存在感を高めることができた理由だと考えています。
(株)セガは、アミューズメント機器事業や家庭用ゲームソフト事業で知見を蓄えてきた1,000名を超える開発部隊を擁しています。また、長い歴史の中で豊富なIP群を多岐に亘るジャンルで磨き上げてきました。そこにベンチャー企業を凌駕する意思決定の「スピード」と実行力を備えれば、競争を優位に運ぶための武器がすべて揃います。このような戦略的な背景のもとで2012年7月に設立された当社は、親会社の(株)セガに諮ることなく当社の取締役会で結論を出すなど意思決定プロセスが大幅に簡素化されており、当社CEOにも大幅な決裁権が委譲されています。当社の特徴は組織構成にもあります。全従業員355名のうち開発部門は約50%、残り半数は編成・運営、マーケティング、渉外、事業インフラ担当など、非開発系の事業・経営部門で構成されています。事業・経営部門は、すべてのメンバーを様々な業界で経験を積んできたプロフェッショナルを登用して組成されています。当グループの開発部門が生み出すコンテンツをこの専門家集団が効率的に市場に送り届けるという組織的連携が、当社の躍進を支えています。
デジタルコンテンツの市場規模は、過去3年間で10倍強に拡大しました。2013年度も引き続き力強い成長が見込まれているこのマーケットでは、ブラウザ側で処理する「Webアプリ」と、端末側で処理する「ネイティブアプリ」の2方向から進化を続けています。その帰趨は、近い将来ですら正確に予見することは困難です。また、パズルゲーム、カードバトルに加え、ゲーム専用機並みの高精細な画像を備えたハイエンドゲームなど幅広いコンテンツへと、ユーザーの嗜好がますます多様化しています。このような市場環境のなかで、特定のコンテンツへの依存はリスクを孕むことになります。
当社は、(株)セガの豊富なIP資産と開発力を最も効率的にマーケットに届けるための柔軟な開発戦略を事業部門のタイトル編成、プロモーション、リサーチ等の専門家が一丸となって練り上げています。そして先にお話しした経営の基本思想に基づき、良質なコンテンツを幅広いジャンルでバランスよく提供しています。この取り組みが、変化の激しい市場環境のなかで当社の競争優位に繋がっていると考えています。
例えば、Sell-off型アプリ、カードゲームやパズルゲームなどのF2Pネイティブアプリは、(株)セガの既存有力IPをスマートデバイス向けに最適化するなど開発資源を有効活用できることから、内製を軸に進めています。(株)セガ本体とは有機的な連携も進めています。例えば「ぷよぷよ!!クエスト」は家庭用ゲームソフトの開発部門、「チェインクロニクル」は業務用アミューズメント機器の開発部門が中心となって開発しました。
間口の広さや遊びやすさ、といったソーシャルゲームの良質な要素を備えたWebアプリは、ノウハウの蓄積があるパートナーや、開発のスピードが速いベンチャーとの協業を軸に、トレンドに合致するタイトルをタイムリーにマーケットに投入しています。(株)ポケラボとは、「運命のクランバトル」を共同開発しているほか、子会社のf4samuraiを通じて、(株)セガのIPを活用した「ボーダーブレイクmobile－疾風のガンフロント－」を投入しました。このほか( 株)Aimingや(株)クロスゲームズなど幅広い企業との連携を進めています。
高精細のグラフィックや、奥深い世界観を体感できるタイトルは、「キングダムコンクエスト(Kingdom Conquest)」シリーズが証明した通り、(株)セガの開発資源を活かし差別化を実現できる分野です。相応の投資額と一定の期間が必要であることから、市場の数歩先を見通しつつ、内製で徹底的な作り込みを行っています。2013年2月に配信を開始した「デーモントライヴ」は、ネイティブアプリの優位性を活かし、スマートデバイス向けゲームの極限に挑んだコンテンツです。絶えず新機軸を切り拓き続ける(株)セガの企業文化を象徴するタイトルと言えます。
当社は設立当初より、より多くのユーザーに良質なコンテンツに触れていただく仕組みづくりを検討してきました。構想を具体化したのが2013年8月に当社と関連する企業ではない企業様にもご提供を開始した「Noah Pass」です。これはセガが開発した全く新しい「ユーザー相互紹介システム」であり、これも経営思想と完全に合致する取り組みです。企業による参加は無料であり、戦略的制約も設けないこのシステムは、開発投資額が増加傾向にあるなか、広告宣伝費等の効率化を図ることができるため、ゲーム開発会社に賛同にいただきやすい仕組みだと期待しています。すでに参加企業は25社、登録ユーザー数は2,000万を突破し、年内には参加企業30社、4,000万ユーザーへの拡大を見込んでいます。
ゲーム開発会社以外にも、メディア、コミュニティ、攻略サイト、動画サイト、Webポータル等、周辺事業領域の企業群にとっても一気にユーザー数の拡大を狙うことができる機会になり得ます。すべての参加企業に有益な付加価値サービスを提供していくことで、エコシステム全体の経済規模を拡大していき、近い将来、直接的な収益化に繋げていきたいと考えています。
アミューズメント機器事業や家庭用ゲームソフト事業とのシナジー創出が期待できる国内を最重要市場と定めながらも、韓国や欧米等の海外市場への進出も積極的に進めていきます。欧米ではすにiOS向けソニックシリーズ「Sonic Dash」「Sonic Jump」「Sonic & Sega All-Stars Racing」が、累計4,800万ダウンロードを突破するなど、ユーザー基盤の拡大が着々と進んでいます。今後も専門部隊がユーザーの利用シーンや通信環境、課金環境などマーケットごとの特性を綿密にリサーチした上で、最適な戦略を採用していきます。秋にリリース予定のiOS向け戦略タイトル「Go DANCE」は、モーションコントロールを使用したタイトル第1弾で、海外市場をメインターゲットとした展開を行います。また、「Noah Pass」についても年度内に海外展開を計画しています。
端末の高機能化や通信速度の高速化等を受けてデジタルコンテンツマーケットは、新たな進化に向けた節目の時期を迎えています。しかし、競争環境がいかに変化しようとも、当社の「より多くの良質なゲームを幅広いお客様にお届けする」という姿勢は不変です。(株)セガの開発力と専門家集団の融合により、市場環境の変化に迅速に対応していき、競争を勝ち抜いていきたいと考えています。
