営業利益率30%の達成に向けた構造改革を推進

2015年は遊技機業界にとって大変革の1年でした。史上初となるパチンコとパチスロの同時自主規制、くぎ問題、新流通制度と対応すべき課題が数多くあります。サミー（株）がこれらの課題を乗り越えて、業界の未来を切り拓いていくためにはもう一度、危機感の共有とベクトルの統一が必要です。そこで2016年4月にサミー（株）の経営の舵取りを行うことになった私は、ミッション・ピラミッドという考え方を導入しました。これは上位階層からミッション、ビジョン、ゴール、戦略、組織、戦術という順番で構成される戦略ピラミッドです。社是である「積極進取」は不変の価値観としつつ、「感動体験を創造し続ける」を当社の「ミッション」として定めました。エンタテインメントの本質はお客様の期待を良い意味で裏切ることであり、その期待値と結果の差が「感動体験」になるという私の信念に基づきます。そして、ビジョン（将来ありたい姿）を「業界の革新者たれ～新しいものはサミーから～」と明確化し、ゴール（目標）を「G30（2020年3月期までに営業利益率30%を目指す）」として掲げ、それを実行していくための大方針である「戦略」を定義し、その戦略を実行するための「組織」を形成し、一番下に具体的な打ち手である「戦術」を項目ごとに細かく設定しています。こうした全社的なミッション・ピラミッドに基づき、各本部がそれぞれのミッション・ピラミッドを作り、それを部、グループ、個人へと落とし込むことで社員一人ひとりが担当する組織・役割ごとに自ら行動し、その積み重ねで会社全体のミッション達成に結びつけるといった納得感ある構図を形成しました。施策の確実な浸透・実践を図り、営業利益率30%の達成に向けた構造改革を推し進めていきます。

業界の活性化をリードしていく

私は、「危機感」を社内だけではなく業界全体で共有していきたいと考えています。私どもサミー（株）が先導し、業界全体で力を合わせながらユーザー層の拡大を図り、遊技産業を活性化していきます。その一環として、既成概念にとらわれないパートナーシップを進めていこうと、かつて競合関係にあった（株）ユニバーサルエンターテインメントと2016年3月に、合弁会社（株）ジーグを設立しました。この（株）ジーグの設立については、両社の経営陣で業界全体をより良くしていきたいという強い意思、そして業界の危機感を共有できたことが背景にあります。業界内でいがみ合っている場合ではなく「ユニバーサルとサミーが組んだことの意味、秘めた可能性、業界の危機への打開策」というメッセージでもあるのです。決して問題を先送りすることなく、打てる手をすべて迅速に打ち出していき、マーケットに「感動体験」をお届けするとともに、当社の変革も確実に実現していきます。