the MANAGEMENT TEAM 経営陣の考えを把握する A Message from the Chairman of the Board, CEO, and COO

持続的な企業価値向上の実現に向けて、グループ一丸となって戦略を実行していきます。セガサミーホールディングス株式会社 代表取締役会長兼社長兼CEO兼COO 里見 治

コスト構造改革と事業構造改革

2016年3月期に対する総評

2016年3月期は、ほぼ前期並みの営業利益を確保しましたが、売上高及び各段階利益で期初計画を下回る不本意な結果となりました。収益成長の牽引役と位置付けるデジタルゲーム分野において、海外市場で投入したPCオンラインゲーム並びに満を持して国内でリリースしたスマートデバイス向けの新作タイトルが、期待通りの評価を獲得できなかったことが大きな要因です。

一方、遊技機事業は厳しい環境に対峙しながらも、収益の柱としての役割を果たしました。また、エンタテインメントコンテンツ事業においては、デジタルゲーム分野以外の各分野において収益性が大幅に改善するなど、2015年3月期に実施したコスト構造改革の確かな成果を見ることができました。

着実に進展したコスト構造の強化

スマートフォンの急速な普及や、遊技機市場における規制強化の動きなどを背景に、当社が手掛ける各事業の市場規模は、縮小傾向にあります。デジタルゲーム分野やリゾート事業等への継続的な投資を行い、持続的な成長の道筋を描いていくためには、各事業の収益性を抜本的に改善し、安定収益基盤としての筋肉質な収益構造を作り上げることが急務です。

こうした背景から、2015年3月期にコスト構造の強化を中心に据えた改革を断行しました。事業領域の重複解消や事業間の連携強化等を目的として、事業ドメインを遊技機事業、エンタテインメントコンテンツ事業、リゾート事業に再編・整理し、それらを中核事業と明確化しました。その上で、意思決定の迅速化並びに経営責任の明確化を目的とする各事業の分社化を完了し、事業ポートフォリオ運営の基礎を構築しました。人員数の適正化や、収益規模に照らした人財配分の最適化並びに中核事業へのリソースの集中も実施しました。こうして年間約60億円の固定費削減効果を生み出す改革を実行した上で臨んだ2016年3月期のアミューズメント施設分野は、運営力の強化も功を奏し、既存店売上高前年比が業界トップクラスの伸びとなる103%強を記録しました。過去2期にわたり営業損失を計上してきたアミューズメント機器分野も、営業黒字まであと一歩のところまで収益性を回復しました。パッケージゲーム分野の日・米・欧の三極同時の黒字化も大変評価すべき成果です。かつて赤字と黒字を繰り返してきた玩具分野も、継続的に黒字化させる体質改善を果たしました。また、次のステージに備えた体制を構築するための改革も継続しました。

Chart 01 営業利益増減要因

事業構造改革で事業ポートフォリオ戦略を明確化

効率性と長期戦略に軸足を置く2016年3月期に実施した事業構造改革では、新たな事業ポートフォリオ戦略を明確化しました。既存事業の多くが成熟市場に身を置いていることを受け止め、事業ポートフォリオ全体で、規模ではなく「利益率」を重視する方針を明確に打ち出し、営業利益率を2016年3月期の5.1%から、2020年3月期には15%に向上させていくことを目標に設定しました。

また、経営資源配分の最適化によって事業ポートフォリオの効率性を追求し、2020年3月期までにROA 5%を目指すこととしました。当グループは、長期的・持続的な発展に向けた先行投資を進めています。特に国内IR(統合型リゾート)への参入が実現した場合は、大規模な投資が必要になります。ヒットビジネスでは不可避の収益変動の中でも戦略投資を安定的・機動的に実施できるよう、ネット・キャッシュ1,500~2,000億円程度の余資を準備し、株主資本の厚みを維持する必要があります。そのため、分母を株主資本とするROEではなく、ROAを効率性モニタリングの重要経営指標に定めました。投資判断(投資・撤退)基準の明確化により、投資効率を注視しながら、無規律に資産を拡大することがないよう留意していく考えです。また、こうした長期的視座に立った投資方針をご支持いただくために、収益変動の中でも安定的に配当をお支払できる株主還元方針を採用しています。

Chart 02 ROA*で資産効率をモニタリング

事業分類により戦略実行体制を整備事業ポートフォリオ全体で重視する「利益率」の向上に向け、全事業を「市場成長性」「収益性・改善余地」「競争優位性」の3つの軸で、「成長事業」「安定収益・維持事業」「縮小・撤退事業」の3分類に整理しました。その上で「安定収益・維持事業」は、利益率の改善を追求してキャッシュを安定的に創出し、それを「成長事業」に重点的に投資する好循環を回すという具合に各事業のミッションを明確に定義しました。

遊技機事業、パッケージゲーム分野、アミューズメント機器分野、アミューズメント施設分野、映像分野は「安定収益・維持事業」に分類しました。いずれも成熟市場の中でも一定のポジションを確立し、競争優位を活かした残存者利益の獲得が可能であると判断した事業群です。これら事業では、妥協することなく事業プロセスを見直していく考えです。

デジタルゲーム分野は、「成長事業」に分類しました。厳しい競争環境下にある国内とは対照的に、海外には大きな成長余地が残されています。また、IR(統合型リゾート)事業も成長事業に分類し、第3の収益の柱へと育成を目指していくこととしました。第4の柱となり得る新規領域も検討していきます。その際は、「エンタテインメント」という枠組みの中で、当グループの経営資源を活かすことで、投資対象の企業価値を高めることができる案件を厳選し、買収価格の合理性も慎重に精査していく方針です。一方、戦略上の重要性が低下したコンテンツ&ソリューション事業や、ダイニングダーツバー事業からは撤退を実施しました。

こうして態勢を整えた当グループは、2017年3月期より、戦略実行のステージに移行していきました。

Chart 03 事業分類と成長シナリオ

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セガサミーホールディングス株式会社 代表取締役会長兼社長兼CEO兼COO 里見 治

セガサミーホールディングス株式会社 専務取締役 鶴見 尚也

サミー株式会社 代表取締役社長COO 里見 治紀

株式会社セガホールディングス 代表取締役社長COO 岡村 秀樹

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