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BATTERY

上津原-坂田

戦評COMMENT

一進一退の攻防が続いた大一番。先発・上津原投手が延長11回を投げ切る中、最後は不振にあえいでいた7番・城下内野手の値千金の一打でサヨナラ勝利!執念で勝ち取った1勝は、本大会出場に向けて大きな勢いをもたらした。

 

「ヨッシャァァァ!!」
試合後、ベンチ裏に響いた歓喜の雄叫びが、この試合の重要性を物語っていた。
今予選、最大の山場となったNTT東日本戦。3回表に1点を先制され、そのまま膠着状態が続く中で試合は最終回を迎えた。一死から4番・佐藤俊和内野手が四球で出塁。5番・久保穣内野手の打球は、止めたバットが功を奏し、右前にポトリと落ちる幸運なヒットとなって一死一、三塁。一打同点のビッグチャンスに、ベンチ、スタンドが一体となった。ここで6番・坂田精二郎捕手が打席に立つ。それまで2安打と気を吐いていた坂田の打球は、左翼への大きな飛球となった。三塁走者の佐藤俊和がホームを駆け抜け、1点――。土壇場での同点劇に、チームの士気は一気に高まった。主将の照屋真人外野手が振り返る。
「同点になり延長に入ってからは完全に流れはこちらにあったので、負ける気がしなかった」
延長11回表、無死三塁の最大のピンチを凌ぐと、さらに勢いは加速した。迎えたその裏。二死から坂田が右翼線二塁打で出塁し、サヨナラのチャンスを掴む。ここで、4打席目まで無安打の7番・城下尚也内野手が左翼手の頭上を高々と越えるサヨナラ安打を放ち、息詰まる接戦に終止符が打たれた。地鳴りを上げて喜びに沸く一塁側スタンド。殊勲の一打を放った城下は、ベンチから飛び出してきた選手たちと抱き合い喜びを爆発させた。その瞬間、もう一人の主役である先発・上津原詳投手は、安堵の表情を浮かべていた。11イニングスを投げて8安打1失点。球数が177球に達しながらも最後まで力強く投げ抜いた右腕なくして、この試合の勝利はなかった。坂田が語る。
「上津原は、後半に多少疲れてボールが抜けてしまうところもありましたが、最後までよく投げてくれました。今予選は、投手陣の中心として本当によく投げてくれていますね」
上津原を軸とする安定した投手陣。この試合で、上昇の兆しを見せた攻撃陣。負ければ終わりの一発勝負を経て、チームは今、ひとつとなりつつある。

 

――延長11回裏のサヨナラの場面を振り返っていかがですか?

城下 とにかく来た球を思いきり打つことだけを考えて振り抜きました。打った球は、ストレート。無心でした。

――同点に追いついてからの勢い、集中力は凄まじいものがありましたね。

城下 ツキも味方する中で、流れがこちらに来ていたので、絶対に勝てると信じていました。

――これまで今予選は結果が出ずに苦しんでいました。そんな中でのサヨナラの一打は、今後に向けて大きな弾みになったと思います。

城下 これまでは、僕も含めた攻撃陣がなかなか投手陣を助けることができずに苦しい試合が続いていました。今日の勝利で、少しは投手陣に恩返しができたかなあと思います。自分自身のことで言えば、これまでは得点圏に走者を置いた場面で打席が回ってきても結果が出ず、焦りを感じていました。でも、今日の1本で、本当に気持ちが楽になりました。この勢いで次の試合も頑張ります。