HOME 試合情報 試合結果 1回戦 試合日程・結果 2009.03.12 [Thu] 第64回JABA東京スポニチ大会1回戦 vs Honda さいたま市営浦和球場 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E セガサミー セ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 Honda H 0 4 0 0 0 1 0 2x 7 0 0 BATTERY 南、齊藤、木村、井上-坂田、谷澤 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 第64回JABA東京スポニチ大会1回戦は南関東の強豪・Hondaとの一戦だった。試合は、2回裏に満塁弾を浴びて4失点。その後も失点を重ね、最後は7点差をつけられて屈辱的なコールド負けとなった。打線は8安打を放つも無得点。シーズン幕開けとなる初の公式戦を白星で飾ることはできなかった。 痛恨の一球だった。 悴む右手に何度も息を吹きかけながら、先発の南大介は初回を何とか無失点で切り抜けた。だが、続く2回裏、持ち前の制球力に微妙な狂いが生じる。先頭打者に甘く入った直球を中前に弾き返されると、Hondaの6番矢尾倫紀選手に対しては左頭部直撃の死球。次打者にも死球を与えて無死満塁とされる。一死後、迎える打者は左打席に立つ9番大島寛之選手。カウント2-1からの4球目。一見、失投とは思えない変化球を捉えた打球が右中間スタンドへ一直線に伸びる。巧みなバットコントロールと力強さが生んだ一発はグラウンドスラムとなった。逆風を切り裂く低い弾道に、三塁側ベンチには重い空気が流れた。 「打たれた球はフォークです。落ちなかった…。死球の影響?それは、ありませんでした。でも、あの一球ですね。一球にやられました」 試合後、3年連続でシーズン開幕戦の先発を担った南は、満塁弾となった一球をただただ悔やんだ。 相手の強打の前に劣勢を強いられる中、打線は4回表まで3安打。5回表は、先頭の8番宮之原裕樹が三塁内野安打、9番手塚翔が四球を選び無死一、二塁と攻め立てるも後続が討ち取られて無得点。6回表にも、今シーズンから4番に座る新人の十九浦拓哉が左前安打で出塁するも5番佐藤俊和が併殺打、続く6番坂田精二郎、7番久保穣の連続中前安打で再び得点機を作るも代打・佐藤琢真が空振り三振に倒れて無得点に終わった。打線の援護がないまま、投手陣は6回裏に1失点。8回裏にもソロアーチから始まった4連打で2失点。結局、8回7点差がつき、コールドゲームとなった。照屋真人が試合を振り返る。 「4点を奪われてから1点、2点でも取り返していれば、また違った内容になっていたんでしょうけど…。ヒットは8本出ているのに点が入らない。やらなければいけないことはわかっています。それにしても、なぜでしょうね…点が入らない…」 主将の言葉が象徴するように、攻撃陣は完全に袋小路に迷い込んでいる。攻撃力の底上げという明確のテーマのもと、昨年のオフシーズン、そして今年の春季キャンプと打撃練習では例年にないほど振り込んできた。それは選手たちの自負だけではなく、スタッフも認めるところだ。だが、試合では蓄えたはずの力が結果として表れない。打開策を見出すには、まだ多少の時間が必要だろうか。8回裏にマスクを被った新人捕手の谷澤恭平は、試合後に相手の強力打線について「追い込まれてからの集中力が凄い」と語った。集中力――。言い換えれば、一球一球に執念を燃やしてぶつかっていく粘り強さとも表現できるだろうか。もしかしたら、谷澤の言葉に打開策のヒントは隠れているのかもしれないが。 いずれにせよ、チームは打線の沈黙、そして思わぬ投手陣の炎上で今シーズン初の公式戦で大敗を喫した。 「現状を把握して、今日の屈辱を忘れずにやっていこう」 試合後のミーティングで発せられた佐々木誠監督の言葉を受け、これから選手たちがどう変わっていくか。真の力が備わった姿との出会いが待ち遠しい。 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
第64回JABA東京スポニチ大会1回戦は南関東の強豪・Hondaとの一戦だった。試合は、2回裏に満塁弾を浴びて4失点。その後も失点を重ね、最後は7点差をつけられて屈辱的なコールド負けとなった。打線は8安打を放つも無得点。シーズン幕開けとなる初の公式戦を白星で飾ることはできなかった。
痛恨の一球だった。
悴む右手に何度も息を吹きかけながら、先発の南大介は初回を何とか無失点で切り抜けた。だが、続く2回裏、持ち前の制球力に微妙な狂いが生じる。先頭打者に甘く入った直球を中前に弾き返されると、Hondaの6番矢尾倫紀選手に対しては左頭部直撃の死球。次打者にも死球を与えて無死満塁とされる。一死後、迎える打者は左打席に立つ9番大島寛之選手。カウント2-1からの4球目。一見、失投とは思えない変化球を捉えた打球が右中間スタンドへ一直線に伸びる。巧みなバットコントロールと力強さが生んだ一発はグラウンドスラムとなった。逆風を切り裂く低い弾道に、三塁側ベンチには重い空気が流れた。 「打たれた球はフォークです。落ちなかった…。死球の影響?それは、ありませんでした。でも、あの一球ですね。一球にやられました」
試合後、3年連続でシーズン開幕戦の先発を担った南は、満塁弾となった一球をただただ悔やんだ。
相手の強打の前に劣勢を強いられる中、打線は4回表まで3安打。5回表は、先頭の8番宮之原裕樹が三塁内野安打、9番手塚翔が四球を選び無死一、二塁と攻め立てるも後続が討ち取られて無得点。6回表にも、今シーズンから4番に座る新人の十九浦拓哉が左前安打で出塁するも5番佐藤俊和が併殺打、続く6番坂田精二郎、7番久保穣の連続中前安打で再び得点機を作るも代打・佐藤琢真が空振り三振に倒れて無得点に終わった。打線の援護がないまま、投手陣は6回裏に1失点。8回裏にもソロアーチから始まった4連打で2失点。結局、8回7点差がつき、コールドゲームとなった。照屋真人が試合を振り返る。
「4点を奪われてから1点、2点でも取り返していれば、また違った内容になっていたんでしょうけど…。ヒットは8本出ているのに点が入らない。やらなければいけないことはわかっています。それにしても、なぜでしょうね…点が入らない…」 主将の言葉が象徴するように、攻撃陣は完全に袋小路に迷い込んでいる。攻撃力の底上げという明確のテーマのもと、昨年のオフシーズン、そして今年の春季キャンプと打撃練習では例年にないほど振り込んできた。それは選手たちの自負だけではなく、スタッフも認めるところだ。だが、試合では蓄えたはずの力が結果として表れない。打開策を見出すには、まだ多少の時間が必要だろうか。8回裏にマスクを被った新人捕手の谷澤恭平は、試合後に相手の強力打線について「追い込まれてからの集中力が凄い」と語った。集中力――。言い換えれば、一球一球に執念を燃やしてぶつかっていく粘り強さとも表現できるだろうか。もしかしたら、谷澤の言葉に打開策のヒントは隠れているのかもしれないが。
いずれにせよ、チームは打線の沈黙、そして思わぬ投手陣の炎上で今シーズン初の公式戦で大敗を喫した。
「現状を把握して、今日の屈辱を忘れずにやっていこう」
試合後のミーティングで発せられた佐々木誠監督の言葉を受け、これから選手たちがどう変わっていくか。真の力が備わった姿との出会いが待ち遠しい。