HOME 試合情報 試合結果 決勝 試合日程・結果 2009.04.21 [Tue] 第53回JABA岡山大会決勝 vs 新日本石油ENEOS マスカットスタジアム 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E 新日本石油ENEOS 新 0 6 0 1 0 0 1 8 0 0 セガサミー セ 0 0 0 1 0 0 0 1 0 0 BATTERY 上津原、佐々木、井上、天沼、木村-坂田、谷澤 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT ダブルヘッターとなった第53回JABA岡山大会決勝は、新日本石油ENEOSの前に7回コールドで屈した。先発・上津原詳が2回表に5本の長短打を浴びて6失点。その後も後続の投手陣が小刻みに失点し、一度も流れを引き込むことができなかった。最後は勝利の女神が微笑まず……初出場となった岡山大会は準優勝に終わった。 試合後のロッカールーム。静かな空間でただ一人、パイプ椅子に腰掛ける久保穣の姿があった。 「勝ちたかった……」 その後の言葉が見つからない。決勝では、得点圏に走者を置いた場面が2度巡ってきた。こと2回裏は、6番城下尚也の右前安打を基点に8番宮之原裕樹の四球、9番手塚翔の中前安打で一死満塁となった場面で打席が回った。直前の2回表、先発のエース・上津原詳が3ラン本塁打を含む5本の長短打を浴びて6失点。沈む空気を払拭し、もう一度流れを引き寄せる絶好の好機だっただけに、久保の肩には多少なりとも普段以上の力が入ったに違いない。初球、強振してファウル。ボール球を挟んで3球目は空振りだった。そして、4球目。138キロのストレートに対して積極的に向っていったが、無情にもバットが空を切って三振に倒れた。後続の2番宮崎祐樹も三塁ゴロに終わり、結局得点を奪うことができなかった。準決勝までは二死から得点、犠打に失敗した直後に後続の打者がきっちりとカバーしてタイムリー安打を放つなど、チーム一丸となって勝利をつかんできた。だが決勝だけに限って言えば、その流れは最後まで生まれない。今大会の久保は、三菱自動車倉敷オーシャンズとの1回戦で5打数4安打2打点と気を吐くなど、1番打者の役割を十二分に果たす活躍を見せた。だが、最後の大一番だけは自らの力を発揮できないまま無安打に終わってしまった。だからこそ――。 「勝ちたかった……」 その言葉に込められた思いは、痛いほどに伝わってきた。そしてまた、久保のひと言こそが準決勝まで力強く戦い抜いてきたチームの総意と言える。 複雑な表情を浮かべ、佐々木誠監督が大会を振り返る。 「最後は屈辱的な負けを喫してしまった。力不足ですね。不満が残ると言えば残った大会。でも、今大会は若い力が出てきて収穫が多かった。選手たちは準決勝までよく頑張ったし、自信をつけたと思います。このいい経験を活かし、(6月の)都市対抗予選に向けてまた頑張ります」 また、ベテラン捕手の坂田精二郎が「2年目の安井(正也)や新人の宮崎、十九浦(拓哉)、谷澤(恭平)など、若い力が出てきた。選手層が厚くなった」と語れば、主将の照屋真人は「野手は振れてきた」と攻撃陣の成長を肌で感じ取った。さらに、今大会で敢闘賞に輝いた右腕の渡邉裕之は「(肩の)スタミナはまだまだですが、大会を通じて緩いカーブを効果的に使えて良いピッチングができたと思います。自信になりました」と確かな手応えを掴んだ。だが一方で、腰痛のために控えに回った佐藤俊和が「(新日本石油ENEOSは)場慣れをしている。正直、力の差は感じた」と振り返るように課題があることも事実。 閉会式での国旗降納。選手たちの見つめる先には、屈辱的な決勝のスコアボードが広がっていた。準優勝という結果を自信としながらも、最後に感じた悔しさを胸に刻み、チームがさらに大きな成長を遂げることを期待したい。 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
ダブルヘッターとなった第53回JABA岡山大会決勝は、新日本石油ENEOSの前に7回コールドで屈した。先発・上津原詳が2回表に5本の長短打を浴びて6失点。その後も後続の投手陣が小刻みに失点し、一度も流れを引き込むことができなかった。最後は勝利の女神が微笑まず……初出場となった岡山大会は準優勝に終わった。
試合後のロッカールーム。静かな空間でただ一人、パイプ椅子に腰掛ける久保穣の姿があった。
「勝ちたかった……」
その後の言葉が見つからない。決勝では、得点圏に走者を置いた場面が2度巡ってきた。こと2回裏は、6番城下尚也の右前安打を基点に8番宮之原裕樹の四球、9番手塚翔の中前安打で一死満塁となった場面で打席が回った。直前の2回表、先発のエース・上津原詳が3ラン本塁打を含む5本の長短打を浴びて6失点。沈む空気を払拭し、もう一度流れを引き寄せる絶好の好機だっただけに、久保の肩には多少なりとも普段以上の力が入ったに違いない。初球、強振してファウル。ボール球を挟んで3球目は空振りだった。そして、4球目。138キロのストレートに対して積極的に向っていったが、無情にもバットが空を切って三振に倒れた。後続の2番宮崎祐樹も三塁ゴロに終わり、結局得点を奪うことができなかった。準決勝までは二死から得点、犠打に失敗した直後に後続の打者がきっちりとカバーしてタイムリー安打を放つなど、チーム一丸となって勝利をつかんできた。だが決勝だけに限って言えば、その流れは最後まで生まれない。今大会の久保は、三菱自動車倉敷オーシャンズとの1回戦で5打数4安打2打点と気を吐くなど、1番打者の役割を十二分に果たす活躍を見せた。だが、最後の大一番だけは自らの力を発揮できないまま無安打に終わってしまった。だからこそ――。
「勝ちたかった……」
その言葉に込められた思いは、痛いほどに伝わってきた。そしてまた、久保のひと言こそが準決勝まで力強く戦い抜いてきたチームの総意と言える。
複雑な表情を浮かべ、佐々木誠監督が大会を振り返る。
「最後は屈辱的な負けを喫してしまった。力不足ですね。不満が残ると言えば残った大会。でも、今大会は若い力が出てきて収穫が多かった。選手たちは準決勝までよく頑張ったし、自信をつけたと思います。このいい経験を活かし、(6月の)都市対抗予選に向けてまた頑張ります」
また、ベテラン捕手の坂田精二郎が「2年目の安井(正也)や新人の宮崎、十九浦(拓哉)、谷澤(恭平)など、若い力が出てきた。選手層が厚くなった」と語れば、主将の照屋真人は「野手は振れてきた」と攻撃陣の成長を肌で感じ取った。さらに、今大会で敢闘賞に輝いた右腕の渡邉裕之は「(肩の)スタミナはまだまだですが、大会を通じて緩いカーブを効果的に使えて良いピッチングができたと思います。自信になりました」と確かな手応えを掴んだ。だが一方で、腰痛のために控えに回った佐藤俊和が「(新日本石油ENEOSは)場慣れをしている。正直、力の差は感じた」と振り返るように課題があることも事実。
閉会式での国旗降納。選手たちの見つめる先には、屈辱的な決勝のスコアボードが広がっていた。準優勝という結果を自信としながらも、最後に感じた悔しさを胸に刻み、チームがさらに大きな成長を遂げることを期待したい。