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BATTERY

上津原-坂田

戦評COMMENT

初戦で敗れた東京ガスとの敗者復活3回戦は、雨をものともしない力強い試合運びで投打に圧倒!先発の上津原詳はソロアーチによる1失点のみで完投。打線も12安打8得点と奮起した。勢いに拍車がかかったチームは、いよいよ第2代表決定戦に駒を進めた。

雨の神宮球場で、上津原詳が息を吹き返した。
「雨の影響?特にありませんでした。雨は好きではありませんが、嫌いでもない。今日は、結果、内容ともによかったですね」  試合直前から降り出した雨がイニングを重ねるごとに強さを増す。雨で光るマウンドは最悪のコンディションだった。1回裏は、ヒットと味方内野手の失策で無死一、二塁。続く打者に犠打を決められ、いきなり一死二、三塁と攻め立てられる。さらに東京ガスの4番佐々木選手に死球を与えて満塁。1回表に3番宮崎祐樹のタイムリー安打で1点を先制した直後のピンチに、不穏な空気が三塁側ベンチを覆った。だが、この試合での上津原は動じなかった。続く打者をピッチャーゴロに仕留めると、『1-2-3』と渡る併殺を完成させた。唯一の失点となった4回裏の同点弾にも動揺することなく、5回以降は被安打2。得点圏に一人の走者も進めなかった。
集中力は最後まで途切れなかった。むしろ、体に染み込む雨をエネルギーに換えているかのように、中盤から終盤にかけての投球は圧巻だった。相手は、初戦で打ち込まれた東京ガス。同じ相手に続けて負けるわけにはいかない。5安打1失点の完投勝利に、エースのプライドを見た。
「リベンジを果たせてよかったです」
上津原の表情にも、自然と笑みがこぼれる。
エースの力投は、攻撃陣にも良い流れを生み出した。相手投手陣の10四死球にも助けられた形となったが、上津原と同様に集中力を絶やさずに12本のヒットを集めて8得点。雨脚が強まる中で3点ずつを奪った6回表と8回表の攻撃は、最後まで手を抜かずに攻め続ける姿勢をしっかりと体現したと言えるだろう。また、9番宮之原裕樹の専売特許とも言える一塁への『ヘッドスライディング』を、1番兼田一平が、3番宮崎が、そして4番佐藤俊和までもが試みるなど、果敢な走塁も光った。宮之原が言う。
「ここへ来て、選手全員がリラックスしてプレイできている。良い流れですね。今日の試合をこの点差でものにできたのは大きかったと思います」
雨の降りしきる3時間35分のタフなゲームを制したチームに、もはや不安はない。最後の打者を三振に仕留め、雨空に向かって高々と、そして力強く突き上げられた上津原の右手がチームに流れる自信の象徴のように思えた。