• TEAM T
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  • セガサミー
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BATTERY

上津原、木村、天沼、南-谷澤、坂田

HOMERUN

石川(8回ソロ)

戦評COMMENT

試合時間、2時間31分。時を刻む音が聞こえてきそうなほどに、バットの快音が鳴りを潜めた。5回裏までに放った安打は、わずかに1本。唯一の得点シーンは、3点を追う8回裏、6番石川選手(JR東日本からの補強)のソロアーチの場面だった。先発・上津原投手は6安打3失点で5回途中に降板。投打に力を発揮できないまま、黒獅子旗奪取の夢は潰えた。

 

見つめる先には快音なき東京ドーム。それでも、三塁側スタンドからは軽快な音色が響いていた。9回裏。3点ビハインドのなかでも勝利を信じる声はやまなかった。だが、1番川端裕也、2番大西主晃が倒れて二死。途中出場の3番兼田一平がショートゴロに討ち取られると、音色は寂しく消えていった。
試合後、黒川洋行コーチは唇をかみ締めた。
「こういう試合をものにしないと日本一はない」
1回表、先発の上津原詳は苦しんでいた。Honda鈴鹿の1番・早川選手に12球粘られたあとに左前安打で出塁を許す。結局、この回ピンチをしのぐが、ベンチに戻る上津原の表情は冴えなかった。カウントを整えてからの決め球に苦しんだ右腕。スタメンマスクの捕手・谷澤恭平が「初回、全体的に抜け球が多かった」と語れば、佐々木誠監督も「全体的に球が高かった。思い通りのピッチングができていなかった」とエースを語る。
2回表に一死三塁から犠飛で1失点、5回表には一死から長打を含む3連打で3失点。やはり、この日の上津原は本来の姿ではなかった。
援護したい打線は3回裏までノーヒット。チーム初安打は1番川端の三塁線へのセーフティバントだった。 「1巡目は全体的にフライでのアウト(9アウト中6アウトがフライ)が多かったので、2巡目から何か仕掛けようと思っていました」(川端)  だが、考察力と閃きで生まれた安打も得点に結びつけることができずに、7回裏まで『0』行進が続く。それでも8回表二死二、三塁のピンチを珍しい“ライトゴロ”でしのぐと、8回裏に6番石川選手(JR東日本からの補強)の左翼へのアーチで1点を返す。さらに8番坂田精二郎が中前安打でチャンスメイクし、流れを少しだけ引き寄せた。しかし、この日のチームに、同点、さらに逆転する力はなかった。3安打1点――。
それがすべてだった。
ビッグプレーのライトゴロを完成させた右翼手・久保穣は語る。
「8回表の守備はよかったんですが、その直後の8回表、先頭打者として迎えた打席は三振。いい流れで打席が回ってきたんですが、結果がでなくて……。不甲斐ない」  試合後、佐々木監督は厳しい表情を浮かべた。
「相手ピッチャーは真っ直ぐ主体で組み立ててくることはわかっていたんですが……。実際、真っ直ぐが多かったんですが想像以上に球がキレていました。この敗戦を経て、それぞれの選手が自分に問いかけて、さらに上を目指してほしい。チームとして、もう一つレベルを上げていかないといけない」
目指すは、日本一。
その実現のためにチームは前だけを見据えて戦う。
(Write/佐々木 亨 Photo/政川 慎治)