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BATTERY

齊藤、佐々木、天沼、富田-天野

戦評COMMENT

決勝トーナメントへ弾みをつけたい予選リーグ第3戦。第2戦までのメンバーをガラリと代えて挑んだ一戦だったが、打線が散発3安打に抑えられて3連勝とはならなかった。これで予選リーグは2勝1敗。迎える決勝トーナメントの戦いや如何に――。

 

「緊張してる?」
試合前、チームメイトからは冗談交じりにそんな言葉を掛けられた。公式戦では実に1年半ぶり(08年千葉市長杯争奪社会人野球大会以来)の先発マスクとなった天野喜英は、心地良い緊張感と高揚感に包まれていた。
「(先発マスクは)久しぶりでしたね。9回を守り抜いた感想?長い時間、試合に出られて良い経験になったし、うれしかったです。序盤は多少の緊張もありましたが、イニングを重ねるごとに捕手の感覚を取り戻していきました」
昨シーズンは主に内野手としてベンチに入った。だが今シーズン、天野は再び本職である捕手に専念している。  根気強いリードだった。先発の齊藤勝(2回1安打無失点)を皮切りに、佐々木知広(4回3安打1失点)、天沼秀樹(2回無安打無失点)、富田裕貴(1回無安打無失点)の4投手の持ち味を最大限に引き出そうと懸命だった。天野の目はこうだ。
「今日は、それぞれが自分のピッチングをしてくれたと思います。天さん(天沼)はコントロールが良かったし、齊藤と富田はブルペン通りのピッチングをしてくれたと思います。佐々木は、良いものも悪いものも出た感じですね。もっと自信を持って腕を振ってくれば、さらによくなると思います」
及第点。1失点でまとめた投手陣と天野のバッテリーに、その評価は妥当だろう。
一方、第2戦までのメンバーを一新した攻撃陣は最後まで苦しんだ。散発3安打で無得点。得点圏に走者を進めたのは3イニングス(3、7、9回裏)のみで、三塁を踏んだのはわずか1イニングだけだった。3回裏にチーム初安打となる右前安打で出塁した8番手塚翔は、「久しぶりに試合に出たので、何とかもっとアピールしたかったんですが……」と唇をかみ締める。
久しぶり――。天野もそうであるように、手塚(8番遊撃手)、兼田一平(2番右翼手)、安井正也(6番左翼手)、城下尚也(7番三塁手)は、今年に限って言えば控えに甘んじている。だからこそ、各選手がそれぞれに結果が欲しかった……。9回表、左翼手の前にフラフラっと上がった飛球を頭から突っ込み好捕した手塚のプレーにも、その思いは伝わってきた。
「必死さが伝わった?もともと僕はそういう選手(苦笑)。気持ちでチームを引っ張るタイプですから。なかなか試合に出られない中でモチベーションを保つのは確かに大変です。でも、そういう状況から這い上がっていければ、さらに自分自身が強くなれると思う」
試合後、佐々木誠監督はあえて苦言を呈した。だが当然ながら、その言葉の裏には各選手の成長を願う、ひいてはチーム力の底上げを期待する思いがしっかりと刻まれている。指揮官の願いは、手塚が最後に語った言葉、まさにその一点に尽きるのではないか。
「今日は、これまで試合に出られなかった選手にチャンスを与えたんですが、もっと必死さが欲しかった。手塚の(9回表の)プレーには必死さを感じました。でも、他は自分の枠でしか野球をやっていないというか……。もっと必死さが必要なんです。選手一人ひとりがどう感じ、そして今日の結果をどう受け止めて取り組んでいくか。そこが大切だと思います」
チームが求めるものは大きい。頂を見つめる戦いにおいては、メンバー29人全員の力が必要不可欠だ。迎える今大会の決勝トーナメント。本当の意味でのチーム力が試される。