HOME 試合情報 試合結果 第1戦 試合日程・結果 2010.04.16 [Fri] 第34回JABA日立市長杯選抜野球大会第1戦 vs 日立製作所 日立市市民運動公園野球場 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E セガサミー セ 0 0 0 1 2 0 4 0 0 7 0 0 日立製作所 日 0 0 0 0 0 0 1 3 0 4 0 0 BATTERY 上津原、富田、南-谷澤、坂田 HOMERUN 十九浦(4回ソロ) 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 日立市民運動公園野球場に快音が響いた。4回表に4番十九浦拓哉のソロアーチで先制すると、5回表は3番宮崎祐樹の2点適時打、7回表には十九浦、5番久保穣の連続適時打が飛び出し、終始、優位な試合運びを見せる。最後は、3番手としてマウンドに上がった南投手が日立製作所打線を抑えて、予選リーグ第1試合を勝利で飾った。 まるで、挨拶代わりのように――。スタンドを行き交う背中を丸めた観客たちが、こぞって「寒い」を連呼する。4月の気候とは思えない肌寒さだった。気温6度の寒気が、徐々に体温を奪う。だが、そんな冷え込む空気さえ熱気に変えてしまう力が、今シーズンのチームにはある。 創部以来初となる日立市長杯選抜野球大会。挨拶代わりとばかりに、豪快な一発が飛び出したのは4回表だ。4番十九浦拓哉が、ストレートを呼び込んで右中間最深部に打球を叩き込む。今シーズンの公式戦初本塁打(オープン戦を含めて4本目)に、十九浦は納得の表情を浮かべる。 「低い弾道から、グーンと打球が上がっていきました。完璧です」 スタンドの体温とは裏腹に、一気にテンションが上がった主砲の先制弾。だがそれは、その後も訪れる得点シーンの序章に過ぎなかった。5回表には、8番谷澤恭平の内野安打を皮切りに一死満塁とチャンスを掴む。打席には、3番宮﨑祐樹。カウント1-1からの3球目だった。宮﨑曰く「チェンジアップの軌道に似た高めのストレート」を叩いた打球が、右翼手の頭上を高々と越えていく。三塁走者の谷澤に続き、二塁走者の川端裕也(左前安打で出塁)も生還して2点を追加した。 圧巻は、7回表だ。5回表と同様にイニングの先頭打者となった谷澤が、四球を選んで出塁。9番宮之原裕樹が、自身にとってこの試合3つ目となる犠打を決めてチャンスが広がる。さらに、1番川端が相手投手の失策、2番照屋真人が右前安打で出塁し、再び満塁のビッグチャンスを迎えた。宮崎は凡退するも、ここでまたしても十九浦が見せる。カウント1-2からの4球目だった。 「アウトコースのスライダーでした。相手投手がスライダー投手というデータもあったので、狙い球を絞って振りました。ドンピシャでしたね」 打球がライン寄りの左翼手頭上を越えると、一塁走者までもが生還して3点が追加させる。なおも、二死二塁。続く5番久保穣にも左前に落ちるタイムリー安打が飛び出して、さらに点差は広がった。 7点――。 そのすべてが、打線の核である3、4、5番の勝負強い一打がもたらしたものだ。先発の上津原詳が6回裏まで散発3安打の無失点に抑えていただけに、終盤での7点のアドバンテージは、ほぼ勝利を確信するものだった。最後は、日立製作所の猛追を受けて3点差にまで詰め寄られるが、2番手の富田裕貴、3番手の南大介が凌いで勝利を手にした。 試合後、忘れかけていた寒さが再び身に染みた。それでも、三塁側ベンチから引き上げてくる選手たちのユニフォームの内には、勝利の熱がしっかりと残っていた。 黒川洋行コーチが、好調を維持する打線を語る。 「その時々でバッティングの波は当然ありますが、今は選手それぞれがカバーし合って大事な場面でヒットが出ています」 その力強い言葉に、みたび寒気が吹き飛んだ。 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
日立市民運動公園野球場に快音が響いた。4回表に4番十九浦拓哉のソロアーチで先制すると、5回表は3番宮崎祐樹の2点適時打、7回表には十九浦、5番久保穣の連続適時打が飛び出し、終始、優位な試合運びを見せる。最後は、3番手としてマウンドに上がった南投手が日立製作所打線を抑えて、予選リーグ第1試合を勝利で飾った。
まるで、挨拶代わりのように――。スタンドを行き交う背中を丸めた観客たちが、こぞって「寒い」を連呼する。4月の気候とは思えない肌寒さだった。気温6度の寒気が、徐々に体温を奪う。だが、そんな冷え込む空気さえ熱気に変えてしまう力が、今シーズンのチームにはある。
創部以来初となる日立市長杯選抜野球大会。挨拶代わりとばかりに、豪快な一発が飛び出したのは4回表だ。4番十九浦拓哉が、ストレートを呼び込んで右中間最深部に打球を叩き込む。今シーズンの公式戦初本塁打(オープン戦を含めて4本目)に、十九浦は納得の表情を浮かべる。
「低い弾道から、グーンと打球が上がっていきました。完璧です」
スタンドの体温とは裏腹に、一気にテンションが上がった主砲の先制弾。だがそれは、その後も訪れる得点シーンの序章に過ぎなかった。5回表には、8番谷澤恭平の内野安打を皮切りに一死満塁とチャンスを掴む。打席には、3番宮﨑祐樹。カウント1-1からの3球目だった。宮﨑曰く「チェンジアップの軌道に似た高めのストレート」を叩いた打球が、右翼手の頭上を高々と越えていく。三塁走者の谷澤に続き、二塁走者の川端裕也(左前安打で出塁)も生還して2点を追加した。
圧巻は、7回表だ。5回表と同様にイニングの先頭打者となった谷澤が、四球を選んで出塁。9番宮之原裕樹が、自身にとってこの試合3つ目となる犠打を決めてチャンスが広がる。さらに、1番川端が相手投手の失策、2番照屋真人が右前安打で出塁し、再び満塁のビッグチャンスを迎えた。宮崎は凡退するも、ここでまたしても十九浦が見せる。カウント1-2からの4球目だった。
「アウトコースのスライダーでした。相手投手がスライダー投手というデータもあったので、狙い球を絞って振りました。ドンピシャでしたね」
打球がライン寄りの左翼手頭上を越えると、一塁走者までもが生還して3点が追加させる。なおも、二死二塁。続く5番久保穣にも左前に落ちるタイムリー安打が飛び出して、さらに点差は広がった。
7点――。
そのすべてが、打線の核である3、4、5番の勝負強い一打がもたらしたものだ。先発の上津原詳が6回裏まで散発3安打の無失点に抑えていただけに、終盤での7点のアドバンテージは、ほぼ勝利を確信するものだった。最後は、日立製作所の猛追を受けて3点差にまで詰め寄られるが、2番手の富田裕貴、3番手の南大介が凌いで勝利を手にした。
試合後、忘れかけていた寒さが再び身に染みた。それでも、三塁側ベンチから引き上げてくる選手たちのユニフォームの内には、勝利の熱がしっかりと残っていた。
黒川洋行コーチが、好調を維持する打線を語る。
「その時々でバッティングの波は当然ありますが、今は選手それぞれがカバーし合って大事な場面でヒットが出ています」
その力強い言葉に、みたび寒気が吹き飛んだ。