HOME 試合情報 試合結果 準決勝 試合日程・結果 2010.05.04 [Tue] 第62回JABA京都大会準決勝 vs NTT西日本 わかさスタジアム京都 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E セガサミー セ 0 0 0 0 1 0 0 1 0 2 0 0 NTT西日本 N 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 BATTERY 齊藤-谷澤 HOMERUN 神野(5回ソロ) 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 先発の齊藤勝が自身初の公式戦完封勝利だ!9回裏に一死二、三塁とピンチを迎えるも、5回表の7番神野達哉のソロアーチ、8回表の2番照屋真人のタイムリー安打で挙げた2点を最後まで集中力を切らさずに守り抜き、チームを決勝へ導いた。 試合後の整列を終えた佐々木誠監督が、おもむろに球審に歩み寄る。そしてウイニングボールを受け取ると、先発の齊藤勝を呼び止め、その記念のボールをそっと手渡した。 左腕の力投がすべてだった。1回裏、先頭打者に対してボール球が3つ先行した。フルカウントまで追い込むも、結局は四球で出塁を許す。立ち上がりに不安がなかったわけではない。それでも、何とか初回を無失点に抑える。3回裏は、先頭打者に左前安打で出塁された。次打者は犠打。だが、三塁手の久保穣が打球をダイレクトで好捕して併殺。さらに、続く打者にカウント2-0を追い込みながら三塁内野安打を許すも、絶妙な牽制球でピンチを脱した。不安材料がある中で、野手の守備にも助けられて乗り切った序盤。だが逆に、悪いなりも点を与えなかった粘投が4回以降の快投につながった。打者の打ち気を逸らす緩い縦のカーブが効果的に決まる。要所では、気持ちのこもった真っ直ぐが捕手・谷澤恭平のミットを軽快に鳴らす。本来のピッチングを取り戻した齊藤は、スコアボードに『0』を並べた。 5回表、一死から7番神野達哉の打球が左翼後方に高々と舞う。公式戦5安打目となる一撃は、こう着状態が続く重苦しい空気を振り払う先制のソロアーチとなった。前日の予選リーグ第3戦で、同期の赤堀大智が3安打3打点、同じく田中宏和が公式戦初マウンドで結果を残していただけに、神野の気持ちは昂ぶっていた。 「高めのストレートでした。いい場面で打てたのでよかった。昨日2人が活躍したので、負けてられないと思いました」 8回表には、9番宮之原裕樹の二塁打を皮切りに2番照屋真人のタイムリー安打で2点目。この試合の齊藤には、それで十分だった。 9回裏は、一死から連打を食らって二、三塁とピンチを背負った。それでも後続の打者を抑え、最後は空振り三振で締めて自身初となる完封劇を完結させた。齊藤が振り返る。 「完投も初めてです。9回だけは(完封を)意識してしまいました。最後は暑さもあって疲れはありました。ピンチの場面では正直、ベンチに帰りたかった(苦笑)。でも、野球って、そんなものですよね」 仕事をやり遂げた男の額に浮かぶ汗が、輝いていた。 齊藤は、今シーズンから投手リーダーを任せられている。坂田精二郎捕手は、内面の変化をこう語る。 「去年までは、変わらなきゃいけないという中で、なかなか結果もついてこなくて歯がゆい思いをしていたと思う。でも、今年は責任感が生まれたことで確実に成長している」 技術もさることながら、精神面での充実が今シーズンの左腕を支えている。 チームを決勝に導いた齊藤は、表情を崩しながら試合後にこう言った。 「ウイニングボールはオカン(母)にあげます」 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
先発の齊藤勝が自身初の公式戦完封勝利だ!9回裏に一死二、三塁とピンチを迎えるも、5回表の7番神野達哉のソロアーチ、8回表の2番照屋真人のタイムリー安打で挙げた2点を最後まで集中力を切らさずに守り抜き、チームを決勝へ導いた。
試合後の整列を終えた佐々木誠監督が、おもむろに球審に歩み寄る。そしてウイニングボールを受け取ると、先発の齊藤勝を呼び止め、その記念のボールをそっと手渡した。
左腕の力投がすべてだった。1回裏、先頭打者に対してボール球が3つ先行した。フルカウントまで追い込むも、結局は四球で出塁を許す。立ち上がりに不安がなかったわけではない。それでも、何とか初回を無失点に抑える。3回裏は、先頭打者に左前安打で出塁された。次打者は犠打。だが、三塁手の久保穣が打球をダイレクトで好捕して併殺。さらに、続く打者にカウント2-0を追い込みながら三塁内野安打を許すも、絶妙な牽制球でピンチを脱した。不安材料がある中で、野手の守備にも助けられて乗り切った序盤。だが逆に、悪いなりも点を与えなかった粘投が4回以降の快投につながった。打者の打ち気を逸らす緩い縦のカーブが効果的に決まる。要所では、気持ちのこもった真っ直ぐが捕手・谷澤恭平のミットを軽快に鳴らす。本来のピッチングを取り戻した齊藤は、スコアボードに『0』を並べた。
5回表、一死から7番神野達哉の打球が左翼後方に高々と舞う。公式戦5安打目となる一撃は、こう着状態が続く重苦しい空気を振り払う先制のソロアーチとなった。前日の予選リーグ第3戦で、同期の赤堀大智が3安打3打点、同じく田中宏和が公式戦初マウンドで結果を残していただけに、神野の気持ちは昂ぶっていた。
「高めのストレートでした。いい場面で打てたのでよかった。昨日2人が活躍したので、負けてられないと思いました」
8回表には、9番宮之原裕樹の二塁打を皮切りに2番照屋真人のタイムリー安打で2点目。この試合の齊藤には、それで十分だった。
9回裏は、一死から連打を食らって二、三塁とピンチを背負った。それでも後続の打者を抑え、最後は空振り三振で締めて自身初となる完封劇を完結させた。齊藤が振り返る。
「完投も初めてです。9回だけは(完封を)意識してしまいました。最後は暑さもあって疲れはありました。ピンチの場面では正直、ベンチに帰りたかった(苦笑)。でも、野球って、そんなものですよね」
仕事をやり遂げた男の額に浮かぶ汗が、輝いていた。
齊藤は、今シーズンから投手リーダーを任せられている。坂田精二郎捕手は、内面の変化をこう語る。
「去年までは、変わらなきゃいけないという中で、なかなか結果もついてこなくて歯がゆい思いをしていたと思う。でも、今年は責任感が生まれたことで確実に成長している」
技術もさることながら、精神面での充実が今シーズンの左腕を支えている。
チームを決勝に導いた齊藤は、表情を崩しながら試合後にこう言った。
「ウイニングボールはオカン(母)にあげます」