HOME 試合情報 試合結果 敗者復活2回戦 試合日程・結果 2010.06.25 [Fri] 第81回都市対抗野球大会 東京都二次予選敗者復活2回戦 vs 鷺宮製作所 大田スタジアム 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E 鷺宮製作所 鷺 1 0 0 1 2 0 2 0 0 6 0 0 セガサミー セ 0 0 0 0 1 0 0 0 1 2 0 0 BATTERY 齊藤、上津原、富田、木村-谷澤、坂田 HOMERUN 宮崎(9回ソロ) 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 呆然とするしか、なかっただろうか。 悔悟の表情を浮かべる選手がいる一方で、試合後は感情なき無気力な姿で静かに球場をあとにする選手が何人もいた。早すぎた都市対抗予選の終戦――。今シーズンのチーム力を考えれば、負けた現実もさることながら、その内容に思わず首を傾げてしまった。 まるで別のチームだった。春のJABA大会での充実、予選前の順調な仕上がりからは想像できない完敗だった。立ち上がり。1回表から不穏な空気は流れた。先発の齊藤勝が、先頭打者をカウント2-3から四球で出し、犠打と二塁ゴロで二死三塁とピンチを迎える。4番打者に対し、カウント1-0から133キロの外角ストレートを捕えられると、打球は三塁線を抜けて早々に1点を失った。2回表、齊藤はギアの入った投球で三者凡退で切り抜けると、3回表には三者連続三振を奪って打線にリズムをもたらした。だが、掴みかけた流れを一気に手繰り寄せられないのが今予選のチーム。3回裏、一死から8番谷澤恭平が四球で出塁するも、続く9番宮之原裕樹が併殺に倒れてチャンスを逃す。すると4回表、連打と犠飛であっさりと追加点を許し、勝機を再び遠ざけた。 流れは変わらない。5回表には、堅守の遊撃手・宮之原が痛恨の失策を犯して先頭打者に出塁される。犠打で一死二塁。すると、4回途中からマウンドに上がった2番手の上津原詳が、中越え二塁打、中前安打を食らって2点を失う。反撃に転じたい打線は5回裏、6番大西主晃、7番佐藤俊和の連打で一死一、三塁と攻め、途中出場の7番坂田精二郎の犠飛で1点を返したが、一気の反撃とはならずに3点ビハインドのまま前半を終えた。 負ければ、予選敗退の大一番である。昨年(09年)は終盤7、8回の猛攻でJR東日本を下して逆境を跳ね返した。一昨年(08年)にしても、9回裏に同点に追いつき、延長戦の末にNTT東日本を退けて土壇場での勝負強さを見せた。一球一打、勝利への執念。それこそが、これまで都市対抗予選で見せてきたチームの最大の武器だった。そこに、創部5年目を迎えて成熟しつつあるチームの力が加わる。それにゆえに、後半を迎えての3点差を悲観する必要はなかったはずだ。だが、この試合もそうであるように今予選に関しては、一つひとつのパズルがはまる気配がまったくと言っていいほどなかった。7回表に再び2点を失ってその差を広げられると、打線はわずかに訪れた攻撃の糸口(7回裏二死一、二塁のチャンス)すら得点に結びつけることができずに、5点差のまま最終回を迎えた。9回裏、3番宮崎祐樹が左翼へソロアーチを放って4点差に詰め寄るも、最後は代打・天野喜英のバットが無情にも空を切って終戦。4年連続本大会出場のチャンスは、静かに潰えた。 試合後の佐々木誠監督は、思いがけない敗戦をただジッと受け止めるほかなかった。 「勝負所で打たれ、逆にこちらは打てなかった。過信をしていたわけではないでしょうが、力の差が歴然と出たゲームでした。東京都の予選を勝ち抜くことは簡単なことではありませんが、(チーム状態が)順調に来ていただけに・・・」 一瞬、言葉を失いながら、再びこう続ける。 「打たれるべくして打たれ、抑えられるべくして抑えられた。相手チームがしっかりと研究してきたと言えるかもしれませんが、今予選は投打の歯車がまったくかみ合いませんでした。ただ、選手たちはよく頑張りました。こういう結果になったのは監督の責任です」 そう語るのが精一杯だった。 4年前の夏。第一代表決定戦からの5連敗で本大会出場を逃し、その悔しさを糧にこれまでチームは確実に力をつけてきた。都市対抗予選敗退の悔しさが風化してしまっていたとは思わない。だがもう一度、原点に立ち返り、再び力強さを取り戻してほしい。 秋の日本選手権野球大会での復活劇、そして快進撃は決して不可能ではないはずだ。 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
呆然とするしか、なかっただろうか。
悔悟の表情を浮かべる選手がいる一方で、試合後は感情なき無気力な姿で静かに球場をあとにする選手が何人もいた。早すぎた都市対抗予選の終戦――。今シーズンのチーム力を考えれば、負けた現実もさることながら、その内容に思わず首を傾げてしまった。
まるで別のチームだった。春のJABA大会での充実、予選前の順調な仕上がりからは想像できない完敗だった。立ち上がり。1回表から不穏な空気は流れた。先発の齊藤勝が、先頭打者をカウント2-3から四球で出し、犠打と二塁ゴロで二死三塁とピンチを迎える。4番打者に対し、カウント1-0から133キロの外角ストレートを捕えられると、打球は三塁線を抜けて早々に1点を失った。2回表、齊藤はギアの入った投球で三者凡退で切り抜けると、3回表には三者連続三振を奪って打線にリズムをもたらした。だが、掴みかけた流れを一気に手繰り寄せられないのが今予選のチーム。3回裏、一死から8番谷澤恭平が四球で出塁するも、続く9番宮之原裕樹が併殺に倒れてチャンスを逃す。すると4回表、連打と犠飛であっさりと追加点を許し、勝機を再び遠ざけた。
流れは変わらない。5回表には、堅守の遊撃手・宮之原が痛恨の失策を犯して先頭打者に出塁される。犠打で一死二塁。すると、4回途中からマウンドに上がった2番手の上津原詳が、中越え二塁打、中前安打を食らって2点を失う。反撃に転じたい打線は5回裏、6番大西主晃、7番佐藤俊和の連打で一死一、三塁と攻め、途中出場の7番坂田精二郎の犠飛で1点を返したが、一気の反撃とはならずに3点ビハインドのまま前半を終えた。
負ければ、予選敗退の大一番である。昨年(09年)は終盤7、8回の猛攻でJR東日本を下して逆境を跳ね返した。一昨年(08年)にしても、9回裏に同点に追いつき、延長戦の末にNTT東日本を退けて土壇場での勝負強さを見せた。一球一打、勝利への執念。それこそが、これまで都市対抗予選で見せてきたチームの最大の武器だった。そこに、創部5年目を迎えて成熟しつつあるチームの力が加わる。それにゆえに、後半を迎えての3点差を悲観する必要はなかったはずだ。だが、この試合もそうであるように今予選に関しては、一つひとつのパズルがはまる気配がまったくと言っていいほどなかった。7回表に再び2点を失ってその差を広げられると、打線はわずかに訪れた攻撃の糸口(7回裏二死一、二塁のチャンス)すら得点に結びつけることができずに、5点差のまま最終回を迎えた。9回裏、3番宮崎祐樹が左翼へソロアーチを放って4点差に詰め寄るも、最後は代打・天野喜英のバットが無情にも空を切って終戦。4年連続本大会出場のチャンスは、静かに潰えた。
試合後の佐々木誠監督は、思いがけない敗戦をただジッと受け止めるほかなかった。
「勝負所で打たれ、逆にこちらは打てなかった。過信をしていたわけではないでしょうが、力の差が歴然と出たゲームでした。東京都の予選を勝ち抜くことは簡単なことではありませんが、(チーム状態が)順調に来ていただけに・・・」
一瞬、言葉を失いながら、再びこう続ける。
「打たれるべくして打たれ、抑えられるべくして抑えられた。相手チームがしっかりと研究してきたと言えるかもしれませんが、今予選は投打の歯車がまったくかみ合いませんでした。ただ、選手たちはよく頑張りました。こういう結果になったのは監督の責任です」
そう語るのが精一杯だった。
4年前の夏。第一代表決定戦からの5連敗で本大会出場を逃し、その悔しさを糧にこれまでチームは確実に力をつけてきた。都市対抗予選敗退の悔しさが風化してしまっていたとは思わない。だがもう一度、原点に立ち返り、再び力強さを取り戻してほしい。
秋の日本選手権野球大会での復活劇、そして快進撃は決して不可能ではないはずだ。