• TEAM T
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • R
  • H
  • E
  • セガサミー
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 1
  • 1
  • 2
  • 0
  • 0
  • 東京ガス
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 1
  • 0
  • 0
  • 1
  • 0
  • 0

BATTERY

上津原、天沼、木村-谷澤、乗替

戦評COMMENT

準決勝も含めれば、実に18イニングス目。待ちわびた得点シーンは、眠っていたチームの勝ち気を呼び覚ました。
1点を追う9回表。始まりは、3番宮崎祐樹の投手強襲安打だった。4番十九浦拓哉の犠打で一死二塁。打席には5番照屋真人の代打、安井正也が送られた。安井は、NTT東日本との準決勝でも9回表に代打出場し、遊ゴロに倒れていた。
「借りを返す」
意地の打席でもあった。
「準決勝では、球種の割り切りができなかった。でも、今日はしっかりと割り切って打席に立つことができました」
相手投手のストレートに、キレと伸びを感じない。ならば、変化球の組み立てか。たとえ、ストレートで攻められたとしても「カットで粘って」甘く入る変化球を待つ。その意識にブレはなかった。
5球目。狙い通りの「やや真ん中寄りのインコース。スライダーかチェンジアップのゆるい球」を叩く。打球が左翼線の芝に跳ねる。同点打となる二塁打だ。安井は、言葉に力をこめる。
「ピッチャー陣が粘ってくれていたので、野手が何とかしたかった」
試合を振り出しに戻したチームは延長10回表、二死から1番川端裕也が四球。すかさず、二盗を決めて二死二塁とする。ここで途中出場の2番乗替寿朗が、しぶとく右前に運んで勝ち越しに成功。
「いいところに落ちてくれました」
試合後、照れ笑いの混じった言葉で打席を振り返る乗替だが、その顔には充実感が満ちていた。
土壇場からの反撃は投手陣を中心とした守備力がもたらした。先発の上津原詳は6回を投げて無失点。2回以降は毎回安打を浴びるなかで決定打を許さない。1回戦同様の無四球も、相手に流れを与えない大きな要素だった。7回以降は天沼秀樹が、そして1失点も最後を締めた木村宜志が粘りの投球で踏ん張った。その投手陣を支えたのは、捕手の谷澤恭平だ。この試合、谷澤の貢献度を高めたのは盗塁阻止率。3度の二盗すべてを刺した。
「盗塁を刺すと、気持ち的に乗っていける」
盗塁阻止は配球にも好影響をもたらした。
谷澤が、二塁送球において常に意識していること。それは、正確性だ。イニング間の投球練習を終え、ボール回しで二塁へ送球する際は、送球体勢を一度きっちりと作り、そこから腕の振り、足の運びなど一連の動作を確かめるように丁寧に送球する。
「確実な送球をすることが一番大事。イニング間の送球は、そのための準備。きちっと投げることができれば、その後のボール回しでもリズムが生まれる。結局は、そのことがチーム全体のリズムにつながりますから」
一つ一つの積み重ねがあってこそ、勝利は近づく。谷澤の言葉に、改めてその思いを強くした。