• TEAM T
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  • セガサミー
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  • 東京ガス
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BATTERY

齊藤、天沼、木村-坂田、天野、谷澤

HOMERUN

久保(4回ソロ)

戦評COMMENT

試合開始15分前。スタメン選手を紹介するアナウンスの声が秋香る風に乗って流れた。スコアボードに並んだ名前を確認し、思わず感慨にふける。
『7番・坂田』
ちょうど1年ぶりだ。公式戦では09年10月6日の日本選手権大会関東代表決定戦(東芝戦)以来、坂田精二郎がスタメンに名を連ねた。
「久しぶりのスタメン? そうやなあ……。でも、試合では全然意識しなかった」
いつもと何ら変わらない。やるべき仕事を、ただ全うした。
味わい深いリードは健在だった。同じコースや球種を続けて要求し、打者のわずかな綻びを徹底的に攻める。あるいは、外角を根気強く要求しながら、タイミングを見計らってズバッと内角で勝負する。この試合、齊藤勝と坂田のバッテリーで奪った三振は4つだった。2回裏は外角へのスライダー、3回裏は内角へのカーブ、4回裏は内角へのストレート、そして5回裏は内角へのカーブ。それらを勝負球に選択して、いずれも見逃し三振に仕留めた。
配球勝ち。もちろん、要求通りに投げた齊藤の制球力なくして成立するものではないが、捕手の配球が打者心理を上回った。2回裏にソロ本塁打で1失点。それでも、夏以降は本調子と言えない齊藤を5回まで粘り強くリードした坂田の力は、チームに流れを引き寄せた要因の一つと言える。
「配球勝ち? たまたまですよ。(齊藤)勝が悪いなりに辛抱強く投げてくれたおかげ。右打者へのインロー(内角低め)のボールはよかった」
試合後も、自らのことはさておき、齊藤の良さを引き出した。
坂田同様に、久しぶりの姿を見せたのが久保穣だった。2回表に8番赤堀大智の左前安打で先制、3回表には4番十九浦拓哉の幸運な三塁打で勝ち越した直後の4回表だ。この回先頭の6番久保の打球が、左翼手の頭上を高々と越えてソロ本塁打となった。点差を2点にする貴重なアーチ。久保の公式戦での本塁打は、09年6月27日の都市対抗東京二次予選、JR東日本との敗者復活2回戦以来だった。
「打った球はフォーク。このバッティングを持続できればいいんですけど」
打撃の状態は上昇の兆しを見せている。5日前の10月1日に行なわれたJX-ENEOSとのオープン戦でも、チェンジアップを叩いて本塁打を放っていた。
「最近、黒川(洋行)コーチに言われたんです。当てにいくバッティングになっていて、フォームが小さくまとまっている。三振かホームランでいいので、とにかく強く振れ、と。自分ではそんなつもりはなかったんですが、黒川コーチの言葉を受けてから、強く振ることを考えて、あくまでもそこを軸にした上で枝分かれしながらいろいろと考えてやろうと改めて思うようになりました。あとは、技術的に意識することを2つに絞って。細かなところですが、その2つの点だけに気をつけ、割り切ってスイングすることにしました。この意識があれば、これから好不調の波は小さくなっていくと思います」
久保の今シーズンの本塁打は、オープン戦を含めても3本だけだ。昨シーズンは公式戦の打率がオープン戦のそれを上回っていたが、今シーズンはここまで「逆の結果になっている」とも話す。それだけに残された公式戦での逆襲を、久保は強く誓う。