• TEAM T
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  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
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  • R
  • H
  • E
  • セガサミー
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  • 3
  • 1
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  • 三菱重工横浜
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BATTERY

上津原、齋藤、天沼、木村、富田-坂田、乗替

戦評COMMENT

切れない。
先発・上津原詳の集中力だ。2回裏二死二塁、慎重に攻めたなかで8番打者に対してボール3と不利なカウントに持ち込まれた。だが、そこからストライクを難なく決めてフルカウントに。最後は132キロの内角ストレートで空振り三振を奪う。
切れない集中力の糸が、攻撃の線へと姿を変えたのはその直後だ。3回表、8番赤堀大智、9番神野達哉の連続単打で無死一、二塁。1番川端裕也の犠打で一死二、三塁と好機は広がる。2番大西主晃は、技ありの左翼線二塁打。無駄のない、理想的な攻撃で2点を先制する。さらに4番十九浦拓哉の二塁内野安打で大西が生還して3点目。
線は途切れない。4回表は、この回先頭の5番久保穣の左前安打を足がかりに、8番赤堀の左前安打で一死一、三塁。9番神野の左前安打で4点目。夏以降、神野は打撃不振に喘いでいた。
「この前のオープン戦(10月13日の日立製作所戦)でも2安打を放ちましたし、調子は上がってきました。(カウントが)追い込まれてからの一打でしたが、強く低い打球が打てました」
5回表には、4番十九浦の中前安打で一死一塁。5番照屋真人の打席でヒットエンドランが決まり、一塁から激走した十九浦がホームを陥れて5点目。なおも6番久保が四球を選んで一死一、二塁とすると、7番坂田精二郎の右前安打で6点目、8番赤堀の左翼への犠飛で7点目を奪う。投げては上津原が5回まで無失点。前半を終えて7点のリードに、大勝ムードがチラついた。
だが、後半を迎えて戦況は突如として暗転する。女心と秋の空……変わったのは、試合の流れだった。6回裏は、それまで集中力を絶やさずに好投を続けていた上津原が先頭打者に四球。野手の失策、死球が続いて無死満塁とピンチを背負うと、6番打者に左前へ運ばれて1点を献上した。なおも一死満塁で2番手・齊藤勝が8番打者の遊撃内野安打で1点、9番打者には三塁線を破る二塁打を浴びてさらに2点を追加された。8回裏には、イニングの頭からマウンドに上がった4番手・木村宜志が3連続長打と捕逸で3点を失い同点とされる。攻撃陣は6回以降、わずか1安打。中盤に見せた集中打が嘘のように、鳴りを潜めた。
9回裏も満塁のピンチを迎えた。最後は5番手・富田裕貴が後続を討ち取り引き分けに持ち込んだが、苦しんだ試合後の選手たちは疲労感に包まれ、改めて勝負の怖さを実感しているようだった。秋空を見つめ、木村が言葉をつなげる。
「今日の試合、相手チームの勢いが勝っていたから(打たれた)……では、どうしようもない。帰ってから振り返り、修正ポイント、反省点を整理したいと思います。日本選手権まであと2週間あるので、もう一度やり直して、次の試合に臨みたいと思います」
収穫と反省。それぞれの材料をこれからの練習に生かせるかどうか。10月31日、日本選手権初戦(東邦ガス戦)に、その答えは出る。