HOME 試合情報 試合結果 2回戦 試合日程・結果 2010.11.18 [Thu] 第22回千葉市長杯争奪社会人野球大会兼2010関東選抜リーグ戦決勝トーナメント2回戦 vs JX-ENEOS ZOZOマリンスタジアム 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 R H E セガサミー セ 0 0 0 0 0 1 0 0 2 0 3 0 0 JX-ENEOS J 0 0 0 0 0 2 0 1 0 1 4 0 0 BATTERY 田中、富田、上津原-乗替、谷澤 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT スルリと勝利が逃げていった。右翼手の兼田一平が悔しがる。 「打った瞬間は前に落ちる普通のヒットだと思ってワンバウンドで打球を処理するつもりだったんですが、意外に打球が伸びてきたので逆に『行ける』『捕れる』と思ってしまった。一塁走者がヒッドエンドランで走っていましたし、捕ったら併殺になると思った。もっと腕を伸ばして、しっかりと飛び込めていれば……」 延長10回裏、一死一塁のことだ。打席にはJX-ENEOSの5番柳田選手。右打者の右方向への打球がスライス回転をして右翼線に伸びた。勝負に出る兼田。逃げる打球。わずかな差で、グラブの横を打球が抜けていく。一塁走者が一気にホームを陥れた瞬間、今シーズンの公式戦が幕を閉じた。 延長戦、1点も与えられない状況を考えれば、勝負に出た兼田は責められない。勝利への執念を見せた勇気ある守備とも言える。だが一方で、1点も与えられない状況だったからこそ、長打を与えない。打球を前で処理し、まずは走者をホームに還さず、次打者との勝負に掛ける。結果論にはなるが、そんな選択肢があったのも事実だ。もちろん、本人もわかっている。ゆえに、兼田はプレーを悔やみ、自身を責めるのだ。 試合後、西詰嘉明監督は「最後のひと踏ん張りと、対応力をもっと鍛えなければいけない」と語り、さらに言葉を加えた。 「状況判断ですね。野手、投手ともにそれが今年一年間を通じて感じた課題であり、来年に向けたひとつのテーマでもあります」 先発・田中宏和は5回まで無失点。「初回のピンチ(無死一、二塁)を抑えて波に乗れた」投球は、田中自身に自信を植えつけた。さらに、二死二、三塁から代打・久保穣の中前安打で同点した9回表の攻撃には、来年につながる『戦う姿勢』を見た。 大西主晃主将が力をこめて語る。 「今年は、もう一つ勝ち切れませんでした。来年はチーム、そして個人ともにこれまで以上に力をつけて戦いに臨みたいと思います」 今シーズン最後の公式戦を終えたミーティングでは、今年限りでチームを去る4選手が言葉を残した。 「36歳まで現役としてできたのは、周りの人の支えがあったからこそです。今後は陰ながらの応援になりますが、みなさん頑張ってください。ありがとうございました」(坂田精二郎捕手) 「昨日は大事な場面で投げさせていただいて、本当に感謝しています。4年間ありがとうございました」(渡邉裕之投手) 「このチームで成長ができました。これからも、お互い頑張りましょう」(宮崎祐樹外野手) 「色々とありがとうございました。チームは変わりますが、またグラウンドに顔を出します。これからもセガサミー野球部を応援していきます」(齊藤勝投手) リスタートとなる来シーズンは、どんなドラマが待っているだろうか。 強く、そしてこれまで以上に魅力ある野球部に――。 それは、セガサミー野球部を見守り続ける、すべての人の願いだ。 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
スルリと勝利が逃げていった。右翼手の兼田一平が悔しがる。
「打った瞬間は前に落ちる普通のヒットだと思ってワンバウンドで打球を処理するつもりだったんですが、意外に打球が伸びてきたので逆に『行ける』『捕れる』と思ってしまった。一塁走者がヒッドエンドランで走っていましたし、捕ったら併殺になると思った。もっと腕を伸ばして、しっかりと飛び込めていれば……」
延長10回裏、一死一塁のことだ。打席にはJX-ENEOSの5番柳田選手。右打者の右方向への打球がスライス回転をして右翼線に伸びた。勝負に出る兼田。逃げる打球。わずかな差で、グラブの横を打球が抜けていく。一塁走者が一気にホームを陥れた瞬間、今シーズンの公式戦が幕を閉じた。
延長戦、1点も与えられない状況を考えれば、勝負に出た兼田は責められない。勝利への執念を見せた勇気ある守備とも言える。だが一方で、1点も与えられない状況だったからこそ、長打を与えない。打球を前で処理し、まずは走者をホームに還さず、次打者との勝負に掛ける。結果論にはなるが、そんな選択肢があったのも事実だ。もちろん、本人もわかっている。ゆえに、兼田はプレーを悔やみ、自身を責めるのだ。
試合後、西詰嘉明監督は「最後のひと踏ん張りと、対応力をもっと鍛えなければいけない」と語り、さらに言葉を加えた。
「状況判断ですね。野手、投手ともにそれが今年一年間を通じて感じた課題であり、来年に向けたひとつのテーマでもあります」
先発・田中宏和は5回まで無失点。「初回のピンチ(無死一、二塁)を抑えて波に乗れた」投球は、田中自身に自信を植えつけた。さらに、二死二、三塁から代打・久保穣の中前安打で同点した9回表の攻撃には、来年につながる『戦う姿勢』を見た。
大西主晃主将が力をこめて語る。
「今年は、もう一つ勝ち切れませんでした。来年はチーム、そして個人ともにこれまで以上に力をつけて戦いに臨みたいと思います」
今シーズン最後の公式戦を終えたミーティングでは、今年限りでチームを去る4選手が言葉を残した。
「36歳まで現役としてできたのは、周りの人の支えがあったからこそです。今後は陰ながらの応援になりますが、みなさん頑張ってください。ありがとうございました」(坂田精二郎捕手)
「昨日は大事な場面で投げさせていただいて、本当に感謝しています。4年間ありがとうございました」(渡邉裕之投手)
「このチームで成長ができました。これからも、お互い頑張りましょう」(宮崎祐樹外野手)
「色々とありがとうございました。チームは変わりますが、またグラウンドに顔を出します。これからもセガサミー野球部を応援していきます」(齊藤勝投手)
リスタートとなる来シーズンは、どんなドラマが待っているだろうか。
強く、そしてこれまで以上に魅力ある野球部に――。
それは、セガサミー野球部を見守り続ける、すべての人の願いだ。