- TEAM T
- 1
- 2
- 3
- 4
- 5
- 6
- 7
- 8
- 9
- R
- H
- E
- セガサミー セ
- 1
- 0
- 0
- 0
- 0
- 0
- 0
- 0
- 0
- 1
- 0
- 0
- JFE東日本 J
- 2
- 0
- 0
- 0
- 0
- 0
- 0
- 0
- x
- 2
- 0
- 0
BATTERY
富田、大山、木村佳-乗替
戦評COMMENT
前日は、雪が舞っていた。3月の空気は、まだ冷たい。だが、空から降り注ぐ日差しに温もりがあったこの日は、少しだけ春を感じた。
球春――。第66回東京スポニチ大会を迎えて、シーズンは幕を開けた。2年ぶりの出場となった大会だ。リーグ戦1試合目は、初回から試合が動く。
1回表、先頭の1番・赤堀大智、2番・兼田一平が連続四球で無死一、二塁。今シーズンから新加入した3番・宮崎敏郎、4番・澤良木喬之が見逃し三振に倒れて二死となるが、5番・十九浦拓哉が変化球を中堅前に運んで1点を先制した。
その裏、先発マウンドには富田裕貴が上った。3年目左腕に寄せられる期待の表れだ。先頭打者は129キロの変化球で遊ゴロに討ち取る。2番打者には左前安打を浴びたが、3番打者はアウトローいっぱいに決まるスライダーで見逃し三振を奪う。滑り出しとしては、悪くなかった。だが、続く4番打者に四球を与えて二死一、二塁とされると、富田のリズムが狂い始めた。5番打者の打球を遊撃手・神野達哉が捕り損ねて(記録は失策)、さらに傷口が広がり二死満塁となると、そこから連打を食らって2点を失った。試合後の西詰嘉明監督である。
「投手の四球、野手のエラーが絡んで失点する流れの中では、なかなか追いつけない現実がある」
打線は2回以降、散発3安打の無得点。「守備からのリズム」を基本とするチームにあって、結果的に無失点で切り抜けたが2回裏に1つ、3回裏には2つの四球を出した富田の投球内容が、攻撃に影響したとも言える。
だが、収穫もあった。一つは、捕手・乗替寿朗のリードだ。西詰監督が言う。
「粘り強くリードして、8回を2失点に抑えたことは評価できると思います。昨年からの成長を感じました」
同期の谷澤恭平、そして新人の佐藤貴穂を加えた3名の正捕手争いは、「今年は一番争いが厳しいポジション」(西詰監督)だ。その中で、度々訪れたピンチでも要所で冷静な配球を見せた乗替は、一つの結果を出したと言える。
そんな乗替のリードもありながら、公式戦初マウンドに上がった大山暁史、木村佳吾の新人2投手の快投も光った。3回途中からマウンドを譲り受けた大山は、登板直後に四球を出したが、その後はホームベース上でググッと伸びるストレートを軸に相手打線を手玉に取った。6回裏まで投げ、打者15に対して3安打4奪三振の無失点。大山が振り返る。
「最初は力んでしまいましたが、投げていくうちに落ち着いて投げられました。まだまだフォームがバラバラで状態としてはよくありませんが、その中で結果がついてきたことはよかったと思います」
大山に代わって7回裏からマウンドに上がった木村佳もまた、2イニングスを投げて2安打無失点。長身から投げ下ろすストレートには力感があった。思わず、西詰監督の表情も和らぐ。
「2人の新人投手はよかったですね。若い選手が結果を出していくとチームが盛り上がる。他の選手たちの良い刺激になると思います」
敗北の中で眩いばかりに光った2つの新星は、これからのチームにとって大きな力となりそうだ。
戦評COMMENT
前日は、雪が舞っていた。3月の空気は、まだ冷たい。だが、空から降り注ぐ日差しに温もりがあったこの日は、少しだけ春を感じた。
球春――。第66回東京スポニチ大会を迎えて、シーズンは幕を開けた。2年ぶりの出場となった大会だ。リーグ戦1試合目は、初回から試合が動く。
1回表、先頭の1番・赤堀大智、2番・兼田一平が連続四球で無死一、二塁。今シーズンから新加入した3番・宮崎敏郎、4番・澤良木喬之が見逃し三振に倒れて二死となるが、5番・十九浦拓哉が変化球を中堅前に運んで1点を先制した。
その裏、先発マウンドには富田裕貴が上った。3年目左腕に寄せられる期待の表れだ。先頭打者は129キロの変化球で遊ゴロに討ち取る。2番打者には左前安打を浴びたが、3番打者はアウトローいっぱいに決まるスライダーで見逃し三振を奪う。滑り出しとしては、悪くなかった。だが、続く4番打者に四球を与えて二死一、二塁とされると、富田のリズムが狂い始めた。5番打者の打球を遊撃手・神野達哉が捕り損ねて(記録は失策)、さらに傷口が広がり二死満塁となると、そこから連打を食らって2点を失った。試合後の西詰嘉明監督である。
「投手の四球、野手のエラーが絡んで失点する流れの中では、なかなか追いつけない現実がある」
打線は2回以降、散発3安打の無得点。「守備からのリズム」を基本とするチームにあって、結果的に無失点で切り抜けたが2回裏に1つ、3回裏には2つの四球を出した富田の投球内容が、攻撃に影響したとも言える。
だが、収穫もあった。一つは、捕手・乗替寿朗のリードだ。西詰監督が言う。
「粘り強くリードして、8回を2失点に抑えたことは評価できると思います。昨年からの成長を感じました」
同期の谷澤恭平、そして新人の佐藤貴穂を加えた3名の正捕手争いは、「今年は一番争いが厳しいポジション」(西詰監督)だ。その中で、度々訪れたピンチでも要所で冷静な配球を見せた乗替は、一つの結果を出したと言える。
そんな乗替のリードもありながら、公式戦初マウンドに上がった大山暁史、木村佳吾の新人2投手の快投も光った。3回途中からマウンドを譲り受けた大山は、登板直後に四球を出したが、その後はホームベース上でググッと伸びるストレートを軸に相手打線を手玉に取った。6回裏まで投げ、打者15に対して3安打4奪三振の無失点。大山が振り返る。
「最初は力んでしまいましたが、投げていくうちに落ち着いて投げられました。まだまだフォームがバラバラで状態としてはよくありませんが、その中で結果がついてきたことはよかったと思います」
大山に代わって7回裏からマウンドに上がった木村佳もまた、2イニングスを投げて2安打無失点。長身から投げ下ろすストレートには力感があった。思わず、西詰監督の表情も和らぐ。
「2人の新人投手はよかったですね。若い選手が結果を出していくとチームが盛り上がる。他の選手たちの良い刺激になると思います」
敗北の中で眩いばかりに光った2つの新星は、これからのチームにとって大きな力となりそうだ。