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  • 東芝
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BATTERY

木村佳-乗替

HOMERUN

十九浦(3回ソロ)

戦評COMMENT

新人右腕にとって初めての経験だった。
「9イニング投げたのは社会人になって初めてです」
4安打完投。最後の打者を二塁ゴロに討ち取った木村佳吾は、やっとその表情を崩した。
木村の失点シーンは3本の単打と2四球で3点を奪われた3回表だ。変化球でカウントを整えられずに苦しみ、ストレートがやや真ん中寄りに集まった。西詰嘉明監督が3回表を語る。
「ボールが中に集まりピッチングが苦しくなる中でも、木村には緩急を使って投げる余裕がほしかった。緩いボールを投げるのは怖いものですが、そこは勇気を持って投げてほしいですね」
それでも、最後まで落ち着いていた。先発マスクの乗替寿朗もそう感じたように、4回以降の木村は持ち前の制球力を最大限に生かして東芝打線を無安打に抑えた。6イニング中、4イニングが三者凡退。打たせて取るピッチングが冴えた。木村が振り返る。
「序盤はストレート主体のピッチングでしたが、中盤以降は変化球をより交えて投げることができました」
乗替も、そのマウンドさばきを賞賛する。
「全体的にストレートもよかったと思います。スピードガンの表示(この試合最速は138キロ)以上の球威を感じました。審判の判定がやや厳しい中でも、コントロールの良さで安定したピッチングができていました。テンポが良かったですね」
最後の打者に対しては、この試合最も遅い99キロの緩い変化球を投じてストライクを奪った。西詰監督が求める「勇気」。ピンチの場面ではなかったとは言え、指揮官のイメージ、期待に応えるピッチングを、最後に木村は見せた。
初モノで言えば、3回裏に飛び出した一発は十九浦拓哉にとって今シーズンの公式戦初アーチだった。同点とされた直後の勝ち越し弾。代わったばかりの相手投手の初球、137キロの内角ストレートを右翼ポール際に運んだ価値ある一撃だった。十九浦が語る。
「ここ最近は打撃の調子を崩して悩んでいましたが、積極的にいって自分のスイングができたのがよかった」
西詰監督が「決めるところでしっかりと決めてくれた」と称える十九浦は、初回にも先制のタイムリー二塁打を放った。主砲は、さらにこう言う。
「今日は西詰監督に今シーズンの公式戦初勝利をプレゼントしたかった」
3月に行なわれた東京スポニチ大会では無念の3連敗。やっと掴んだ公式戦での1勝は、チームにとって大きな弾みになったはずだ。
だが、あえて指揮官は手綱を緩めない。
「ミスを少なくすること。それが勝利につながる。負けの要素をいかに減らすか。これからもそこは徹底してやっていきたいと思います。あと、今日はベンチの声が少なかったですね。もっとベンチに盛り上がりがほしかった」
投打の力強さに加えて、ベンチも含めた一体感を求める。
チームは、さらに高い山を目指す。