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BATTERY

木村佳-乗替

戦評COMMENT

同地区にして、記憶に新しい都市対抗の覇者。来シーズンを見据えても、何としてでも「勝ちたい」相手だった。
強豪・JR東日本の前に立ちはだかったのは、先発右腕の木村佳吾だ。1回表、先頭打者に遊撃への内野安打で出塁を許すも、後続を討ち取り無失点で切り抜ける。4人の打者に対して、球数は9球。絶妙な配球とコントロールで、打者の打ち気を誘いながら、打たせて取るピッチングに徹した。2回表は、中前安打と左翼手・十九浦拓哉の失策で一死一、二塁とピンチを迎えるも、またもや後続をピッチングの「うまさ」で料理する。8番打者は、ストライク先行で難なく2ストライクと追い込み、3球目を振らせて中飛に討ち取る。9番打者は、初球116キロの変化球で一塁ゴロに仕留めた。そして、3回表は無死一塁のピンチを併殺で切り抜けるなど無失点。苦しみながらも要所で持ち味の制球が冴えて点を与えなかった序盤を乗り越えると、4回以降、木村佳のピッチングは加速した。中盤以降で唯一のピンチとなった7回表一死一、三塁の場面も、動揺することなく後続を空振り三振、右飛に討ち取り無失点。スコアボードに8個の『0』を並べて、ついにラストイニングを迎えた。
9回表、まずは先頭打者を左飛に仕留めて一死。そして、続く6番打者への初球には、『177キロ』のストレートを投げ込んだ。日本最速!? センターバックスクリーンのスピード表示に目を疑った。もちろん、実際にはそれほどの球速が出ていたわけではない。木村佳の伸びのあるストレートに、思わず大田スタジアムのスピードガンも困惑した!? そんな珍事もありながら空振り三振に仕留めると最後の打者はピッチャーゴロに。115球、無四球での完封劇を完結させた。
「相手が早い打ちをしてくれたこともあって、球数が少なく良いピッチングだった」
捕手の乗替寿朗が先発右腕を評する。
そして、木村佳自身も納得の表情でこう振り返った。
「今日は楽に投げられました」
完封劇を支えた攻撃陣の先制攻撃も忘れてはいけない。1番赤堀大智の右翼線二塁打を皮切りに、連続四球で無死満塁と攻めた1回表。4番澤良木喬之の二塁ゴロの間に1点、さらに5番安井正也の右翼への犠飛で2点目が入る。3回裏には1番赤堀、2番神野達哉の連続安打、3番宮崎敏郎の四球で無死満塁とし、暴投で1点を追加した。序盤の3点リードは、マウンドを守る木村佳のピッチングを楽にさせた大きな要素の一つだった。
強豪・JR東日本を破っての決勝進出。その結果もさることながら、投打に内容あるゲーム展開は、チームに大きな自信を植えつけるものだった。