HOME 試合情報 試合結果 第1戦 試合日程・結果 2012.04.29 [Sun] 第63回JABA京都大会第1戦 vs 大阪ガス 皇子山総合運動公園野球場 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E 大阪ガス 大 0 0 0 0 0 0 2 0 0 2 0 0 セガサミー セ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 BATTERY 大山、木村佳、浦野-乗替 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 照りつける太陽を背中に浴びながら、先発の大山暁史は我慢のピッチングを続けた。 連打で一死一、二塁とされた2回表は、7番打者を投手ゴロに討ち取り併殺でピンチを凌ぐ。先頭打者にヒットで出塁を許した5回表も、得点圏に走者を進められながら三塁手・谷澤恭平の好守にも助けられて無失点。6回表も先頭打者に四球を与えたが、またもや併殺を決めて点を与えなかった。「前半はよかった」。西詰嘉明監督の言葉通り、大山は6回表まで被安打3の無失点と、根負けせずにマウンドを守った。 だが、やや疲れが顔を覗かせた7回表、大山の制球が微妙に狂った。先頭打者に左前安打で出塁されると犠打で一死二塁。続く大阪ガスの5番小野選手を敬遠で歩かせて一死一、二塁とした。それまで2安打されていた小野選手に対するバッテリーの判断は間違っていなかった。後続の6番打者はショートフライ。二死となって、守備にわずかな余裕が生まれた。だが、続く7番打者に対する初球だった。ストレートが甘く入り、左前へ運ばれて先制点を奪われた。大山が痛恨の一球を振り返る。 「高めの要求でした。ボール球になってもいいと思って投げたんですが、意識より少しだけ低めにいって、ちょうど打者がスイングしたところにボールがいってしまいました」 二死となり、心にわずかな隙が生じたとは思わない。逆に、ピンチを凌いだ後のピッチング、なおのことその初球は慎重に攻めるのが捕手を含めたバッテリーの鉄則だ。高めのつり球で打者の様子を見る配球は悪くなかった。だが、そこでの微妙にブレた制球が手痛い一打につながってしまった。 さらに二死二、三塁とピンチが続く中で、8番打者には右前適時打を浴びて2点目を献上した。3点目は右翼手・照屋真人の好返球、捕手・乗替寿朗の好ブロックで何とか阻止したが、緊迫した投手戦の中で終盤に大きな2点を失った。大山が再び悔やむ。 「2点目の場面は、追い込んでからのツーシームを打たれました。左打者のインコースを狙ったんですが、中に甘く入ってしまった。1点目もそうでしたが、頭では理解していましたが、思うようにコントロールできませんでした」 小さな綻びが致命傷となった7回表。逆に、大阪ガスの打線が相手の隙を逃さずに勝負所での一打で流れを引き寄せたとも言える。 その勝負感に欠けたのが攻撃陣だ。1回裏は二死から3番宮崎敏郎、4番十九浦拓哉の連打でチャンスを作るが、5番照屋真人がセンターフライに倒れて無得点。8回裏も二死から宮崎、十九浦の連打で二、三塁と攻めたが、あと1本が生まれずに点を奪えなかった。「あと1本、勝負所での一打ですね」。試合後に発した西詰監督の言葉は、今シーズンよく耳にするフレーズだ。佐藤俊和コーチは、こう言う。 「今日の試合はピッチャーを助けられなかった野手の責任ですね。好投手との対戦の中で、少ないチャンスでいかに一球で仕留められるか。そこには投手と打者の心理戦がある。打たれたくないピッチャーと、チャンスで何としてでも打ちたいバッター。そこでの心理戦に勝つためには、バッターは常に状況をイメージしておく必要がある」 チームの課題は明白だ。『ここ一番』での心の強さが、勝負の明暗を分ける。 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
照りつける太陽を背中に浴びながら、先発の大山暁史は我慢のピッチングを続けた。
連打で一死一、二塁とされた2回表は、7番打者を投手ゴロに討ち取り併殺でピンチを凌ぐ。先頭打者にヒットで出塁を許した5回表も、得点圏に走者を進められながら三塁手・谷澤恭平の好守にも助けられて無失点。6回表も先頭打者に四球を与えたが、またもや併殺を決めて点を与えなかった。「前半はよかった」。西詰嘉明監督の言葉通り、大山は6回表まで被安打3の無失点と、根負けせずにマウンドを守った。
だが、やや疲れが顔を覗かせた7回表、大山の制球が微妙に狂った。先頭打者に左前安打で出塁されると犠打で一死二塁。続く大阪ガスの5番小野選手を敬遠で歩かせて一死一、二塁とした。それまで2安打されていた小野選手に対するバッテリーの判断は間違っていなかった。後続の6番打者はショートフライ。二死となって、守備にわずかな余裕が生まれた。だが、続く7番打者に対する初球だった。ストレートが甘く入り、左前へ運ばれて先制点を奪われた。大山が痛恨の一球を振り返る。
「高めの要求でした。ボール球になってもいいと思って投げたんですが、意識より少しだけ低めにいって、ちょうど打者がスイングしたところにボールがいってしまいました」
二死となり、心にわずかな隙が生じたとは思わない。逆に、ピンチを凌いだ後のピッチング、なおのことその初球は慎重に攻めるのが捕手を含めたバッテリーの鉄則だ。高めのつり球で打者の様子を見る配球は悪くなかった。だが、そこでの微妙にブレた制球が手痛い一打につながってしまった。
さらに二死二、三塁とピンチが続く中で、8番打者には右前適時打を浴びて2点目を献上した。3点目は右翼手・照屋真人の好返球、捕手・乗替寿朗の好ブロックで何とか阻止したが、緊迫した投手戦の中で終盤に大きな2点を失った。大山が再び悔やむ。
「2点目の場面は、追い込んでからのツーシームを打たれました。左打者のインコースを狙ったんですが、中に甘く入ってしまった。1点目もそうでしたが、頭では理解していましたが、思うようにコントロールできませんでした」
小さな綻びが致命傷となった7回表。逆に、大阪ガスの打線が相手の隙を逃さずに勝負所での一打で流れを引き寄せたとも言える。
その勝負感に欠けたのが攻撃陣だ。1回裏は二死から3番宮崎敏郎、4番十九浦拓哉の連打でチャンスを作るが、5番照屋真人がセンターフライに倒れて無得点。8回裏も二死から宮崎、十九浦の連打で二、三塁と攻めたが、あと1本が生まれずに点を奪えなかった。「あと1本、勝負所での一打ですね」。試合後に発した西詰監督の言葉は、今シーズンよく耳にするフレーズだ。佐藤俊和コーチは、こう言う。
「今日の試合はピッチャーを助けられなかった野手の責任ですね。好投手との対戦の中で、少ないチャンスでいかに一球で仕留められるか。そこには投手と打者の心理戦がある。打たれたくないピッチャーと、チャンスで何としてでも打ちたいバッター。そこでの心理戦に勝つためには、バッターは常に状況をイメージしておく必要がある」
チームの課題は明白だ。『ここ一番』での心の強さが、勝負の明暗を分ける。