• TEAM T
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • R
  • H
  • E
  • 日立製作所
  • 2
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 4
  • 1
  • 3
  • 0
  • 10
  • 0
  • 0
  • セガサミー
  • 0
  • 1
  • 0
  • 1
  • 2
  • 1
  • 4
  • 0
  • 0
  • 9
  • 0
  • 0

BATTERY

木村佳、富田、浦野、大山、木村宜-乗替

HOMERUN

赤堀(2回ソロ)

戦評COMMENT

快音が鳴り止まない。両チーム合わせて28本の安打が飛び交った打撃戦は、後半からその度合いをさらに強めた。
1回表に先発の木村佳吾が2四死球と制球を乱す中、適時打を浴びて早々と2点を失う。だが、この試合の攻撃陣は諦めない。先に行なわれたJABA京都大会までにはなかった打線の力強さと粘りがあった。まずは2回裏だ。イニングの先頭となった5番赤堀大智がフルカウントからの7球目を左翼スタンドに運んで1点を返す。
「打った球はストレート。京都大会が終ってから黒川(洋行)コーチと、もう一度バッティングを見直した成果が出ました」
4回裏には3番宮崎敏郎、4番十九浦拓哉の連続安打でチャンスを築くと、5番赤堀が手堅く犠打を決めて二、三塁。6番照屋真人の右翼への犠飛で同点に追いつく。直後の5回表、無死三塁のピンチを右翼手・照屋の好返球で凌ぎ、無失点で切り抜けると、さらに攻撃に勢いが生まれる。5回裏は一死から遊撃失策で出塁した9番宮之原裕樹が、すかさず二盗を決めて得点圏に進む。1番川端裕也は四球。2番政野寛明の初球に重盗を決めて一死二、三塁。その直後だった。政野がボール球に食らいつき投手前に打球を転がすと三塁走者の宮之原、二塁走者の川端までもがホームを陥れる2ランスクイズが決まって一気に点差を広げた。積極果敢な攻撃的な走塁と確実に決めたスクイズで奪った2得点。ノーヒットで勝ち越し、さらに追加点を挙げた5回裏の攻撃は、まさにこの試合での勢いを象徴するシーンだった。
6回表に4点を失い再び追う立場となったが、6回裏に5番赤堀の左中間二塁打で1点。さらに7回表に1点を追加されて迎えた7回裏には、1番川端の中越え二塁打を足がかりに、3番宮崎の中前適時打、5番赤堀の2点適時打などで一挙4点を奪って再び逆転に成功した。
取られては取り返すシーソーゲーム。互いに一歩も引かず、終盤までもつれた試合は8回表に4番手の大山暁史、5番手の木村宜志が連打を浴びて3失点。攻撃陣は8回裏、9回裏と得点圏に走者を進めて粘りを見せたが、最後は決定打に欠いて万事休した。
それでも勝利への執念は確かに見えた。その姿は、約10日後に控えた都市対抗東京都二次予選に向けて大きな収穫だった。敗戦の中でも西詰嘉明監督の顔には納得の表情が浮かぶ。
「今日の試合ではバントや走塁など、細かいプレーがきっちりとできた。打者も積極的にバットを振っていました」
3安打2得点と打線の起点となった宮崎は言う。
「都市対抗予選に向けて、もっとチームの状態が上がっていけるように頑張ります」
そして、試合後のミーティングでは吉澤秀男部長が選手たちにこんな言葉を投げかけた。
「あと10日間、一人一人が何をできるかを考え、気持ちを高め、そして志を持って練習に励んでほしい。そして予選では最高のパフォーマンスを社員みんなに届けてほしい」
言葉を受け止めた選手たちの表情は一層、引き締まった。