HOME 試合情報 試合結果 準決勝 試合日程・結果 2012.05.29 [Tue] 第83回都市対抗野球大会 東京都二次予選準決勝 vs 明治安田生命 大田スタジアム 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E セガサミー セ 0 3 0 0 1 0 1 0 1 6 0 0 明治安田生命 明 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 BATTERY 浦野-乗替 HOMERUN 川端(2回3ラン) 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 猛打の口火は3番宮崎敏郎のヒットだった。1回表、2ボールからの3球目を強振して左前に運んだ宮崎が振り返る。 「相手投手は、今年の支部大会(東京都企業春季大会)などで抑えられていた相手。その時に討ち取られた球を打つことができれば、その後も攻略できると思っていました」 やや揺れながらインコースに食い込んでくるツーシーム。明治安田生命の先発右腕・古田康浩投手の得意球を完璧にとらえたことで、宮崎の心には余裕が生まれた。 いける――。そう思ったのはチームも同じだ。2回表には6番佐藤貴穂の三塁内野安打、8番乗替寿朗の右前安打などで一死一、三塁とチャンスを築く。9番宮之原裕樹のスクイズが失敗して二死一、二塁となるが、1番川端裕也の右翼フェンスぎりぎりに飛び込む3ラン本塁打で先制した。3回表も無得点に終わるが、3番宮崎、4番十九浦拓哉に中前安打が飛び出す。このイニングで、好投手の古田投手をマウンドから引きずり下ろした。 中盤以降も攻撃の手を緩めない。5回表には二死から3番宮崎の右中間への三塁打、4番十九浦の中前安打で1点を追加。7回表には、みたび二死から3番宮崎、4番十九浦、そして5番赤堀大智の3連続ヒットで5点目。トドメは9回表だ。二死一塁から4番十九浦に右中間への三塁打が飛び出して、さらに1点を追加した。 14安打で6得点。得点はすべて二死から築いたチャンスを起点に生まれた。西詰嘉明監督の顔には思わず笑みが浮かぶ。 「選手たちの気持ちが勝りましたね。ベンチ内には常に『二死から』という声があった。そういう姿からも、チーム全体で奪った得点だったと思います」 また、チームの14安打中11安打がクリーンナップのバットから生まれた。3番宮崎と4番十九浦がともに4安打ずつ、5番赤堀が3安打を放った。とりわけ、初戦の東京ガス戦で無安打に終わっていた宮崎と十九浦の復調は大きい。十九浦が言う。 「しっかりとミートをすれば結果はついてくると思っていました。どうしても予選は気持ちが入り過ぎるもの。その中で、特に入り(初戦)は難しい。でも、その初戦を終えて、もう一度、自分のバッティングを見直しました。原点に戻り、力を抜いた無理のないスイングを心がけました。そして、つなぐ意識ですね。後ろには調子の良い赤堀がいる。また、僕が打てば相手投手は3番の宮崎と勝負せざるを得ない状況になる。つなぐ意識を持ちながら、互いがそういう関係になっていけば、自ずとそれぞれのヒットも増えていくと思います」 さらに十九浦が続ける。 「とは言っても、浦野(博司)のピッチングがあってこそ、打線の調子の良さがあると思います。浦野が攻撃のリズムを作ってくれている。僕らは1点取りさえすればいいんだ。そういう気持ちの余裕がある。不思議なもので『3、4点取らなければいけない』と思うと、なかなか点は入らないもの。逆に『1点でいい』と思うと、3点、4点と楽に点が入るものなんですよね」 初戦に続き先発した浦野は7イニングスを投げて被安打4。7三振を奪う中で無失点に抑えた。また、浦野に続いた左腕の大山暁史が、8回裏からの2イニングスを無失点。乗替捕手の左手が薄っすらと赤みを帯びて腫れ上がるほどの、この試合最速146キロのストレートを軸に相手打線を力でねじ伏せた。両投手の力投が攻撃陣のバットに力を与えた。 創部1年目。都市対抗東京都二次予選に初参戦したチームは、第一代表決定戦でNTT東日本に敗れた。 西詰監督の目に炎が灯る。 「1年目の第一代表決定戦では、NTT東日本の上野(貴久=07年に巨人に入団し、今シーズンから再びNTT東日本)投手の前に悔しい負け方をしました。だから、今予選ではその借りを返したい。第一代表を獲るまで気持ちを切らさず、しっかり調整をして6月2日の決戦を迎えたいと思います」 主砲の十九浦が言葉に力を込める。 「チームの調子はいい。第一代表決定戦でも、このまま自分たちの野球をやるだけ。歴史を作りたいと思います」 2006年以来2度目の決戦へ――。舞台はそろった。6年前のリベンジを果たす意味でも、NTT東日本との第一代表決定戦で一気に勝負を決める。 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
猛打の口火は3番宮崎敏郎のヒットだった。1回表、2ボールからの3球目を強振して左前に運んだ宮崎が振り返る。
「相手投手は、今年の支部大会(東京都企業春季大会)などで抑えられていた相手。その時に討ち取られた球を打つことができれば、その後も攻略できると思っていました」
やや揺れながらインコースに食い込んでくるツーシーム。明治安田生命の先発右腕・古田康浩投手の得意球を完璧にとらえたことで、宮崎の心には余裕が生まれた。
いける――。そう思ったのはチームも同じだ。2回表には6番佐藤貴穂の三塁内野安打、8番乗替寿朗の右前安打などで一死一、三塁とチャンスを築く。9番宮之原裕樹のスクイズが失敗して二死一、二塁となるが、1番川端裕也の右翼フェンスぎりぎりに飛び込む3ラン本塁打で先制した。3回表も無得点に終わるが、3番宮崎、4番十九浦拓哉に中前安打が飛び出す。このイニングで、好投手の古田投手をマウンドから引きずり下ろした。
中盤以降も攻撃の手を緩めない。5回表には二死から3番宮崎の右中間への三塁打、4番十九浦の中前安打で1点を追加。7回表には、みたび二死から3番宮崎、4番十九浦、そして5番赤堀大智の3連続ヒットで5点目。トドメは9回表だ。二死一塁から4番十九浦に右中間への三塁打が飛び出して、さらに1点を追加した。
14安打で6得点。得点はすべて二死から築いたチャンスを起点に生まれた。西詰嘉明監督の顔には思わず笑みが浮かぶ。
「選手たちの気持ちが勝りましたね。ベンチ内には常に『二死から』という声があった。そういう姿からも、チーム全体で奪った得点だったと思います」
また、チームの14安打中11安打がクリーンナップのバットから生まれた。3番宮崎と4番十九浦がともに4安打ずつ、5番赤堀が3安打を放った。とりわけ、初戦の東京ガス戦で無安打に終わっていた宮崎と十九浦の復調は大きい。十九浦が言う。
「しっかりとミートをすれば結果はついてくると思っていました。どうしても予選は気持ちが入り過ぎるもの。その中で、特に入り(初戦)は難しい。でも、その初戦を終えて、もう一度、自分のバッティングを見直しました。原点に戻り、力を抜いた無理のないスイングを心がけました。そして、つなぐ意識ですね。後ろには調子の良い赤堀がいる。また、僕が打てば相手投手は3番の宮崎と勝負せざるを得ない状況になる。つなぐ意識を持ちながら、互いがそういう関係になっていけば、自ずとそれぞれのヒットも増えていくと思います」
さらに十九浦が続ける。
「とは言っても、浦野(博司)のピッチングがあってこそ、打線の調子の良さがあると思います。浦野が攻撃のリズムを作ってくれている。僕らは1点取りさえすればいいんだ。そういう気持ちの余裕がある。不思議なもので『3、4点取らなければいけない』と思うと、なかなか点は入らないもの。逆に『1点でいい』と思うと、3点、4点と楽に点が入るものなんですよね」
初戦に続き先発した浦野は7イニングスを投げて被安打4。7三振を奪う中で無失点に抑えた。また、浦野に続いた左腕の大山暁史が、8回裏からの2イニングスを無失点。乗替捕手の左手が薄っすらと赤みを帯びて腫れ上がるほどの、この試合最速146キロのストレートを軸に相手打線を力でねじ伏せた。両投手の力投が攻撃陣のバットに力を与えた。
創部1年目。都市対抗東京都二次予選に初参戦したチームは、第一代表決定戦でNTT東日本に敗れた。
西詰監督の目に炎が灯る。
「1年目の第一代表決定戦では、NTT東日本の上野(貴久=07年に巨人に入団し、今シーズンから再びNTT東日本)投手の前に悔しい負け方をしました。だから、今予選ではその借りを返したい。第一代表を獲るまで気持ちを切らさず、しっかり調整をして6月2日の決戦を迎えたいと思います」
主砲の十九浦が言葉に力を込める。
「チームの調子はいい。第一代表決定戦でも、このまま自分たちの野球をやるだけ。歴史を作りたいと思います」
2006年以来2度目の決戦へ――。舞台はそろった。6年前のリベンジを果たす意味でも、NTT東日本との第一代表決定戦で一気に勝負を決める。