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BATTERY

松永-松延

戦評COMMENT

1年目右腕の松永大介にとって、入社以来初めてとなる公式戦の先発マウンドだった。185センチ90キロの大型右腕。重量感溢れるピッチングが、初回から相手打線を翻弄した。
1回表、涼しい顔で先頭打者から空振り三振を奪った松永は、続く2番打者を3球で空振り三振に仕留めた。3番打者も空振り三振。立ち上がりの右腕は、わずか11球で3者連続三振と上々の滑り出しを見せた。2回以降も安定感は変わらない。6回表まで三者凡退は5イニングス。カットボールも交えながら、「ストレートを中心に投げた」ピッチングは、完全にマウンドを支配していた。だが、7回表。やや疲れが見え始めた終盤に、一死から中越え二塁打を浴びると後続に単打を集められて1点を失う。8回表からは再び自身のピッチングを取り戻しただけに、7回表のマウンドが悔やまれる。松永が振り返る。
「社会人で9イニング投げたのは初めてでした。序盤はそれなりによかったと思いますが、終盤になって疲れを感じました。1試合を投げ切るスタミナは、これからの課題です」
それでも、相手に関係なく公式戦初先発で1失点完投したピッチングは、松永にとって、そしてチームにとっても大きな収穫だった。
「入社以来、投球フォームを見直しながら、ストレートをしっかり投げ込むことを課題に取り組んできました。今日はある程度投げられましたし、方向性としてはよくなってきていると思います」
2回裏、3番宮崎敏郎の二塁強襲安打をきっかけに、6番谷澤恭平の先制打、9番政野寛明の2点適時打で3点を奪った攻撃陣が後押しする中、松永は大きな経験を積んだ。
経験で言えば、5回裏に代打で登場した富田裕貴も大きな一歩を踏み出した一人だった。入社4年目。今春まで投手としてチームを支えてきた富田は、都市対抗本大会終了後に野手に転向した。もともと打者としての素質は誰もが認めるところだった。佐藤俊和コーチが『打者・富田』を語る。
「打者としての能力はもともとあるんです。飛距離も出るし、足も速い。これから実戦を積んでいけば、十分に対応していけると思います」
日本文理大時代の富田は、4年時に主軸を打っていた実績もある。同大学出身で、大学時代の富田をよく知る2学年下の宮崎敏郎はこう証言する。
「2年生の時、僕は6番か7番を打っていたんですが、その時、富田さんは4年生で5番を打っていました。もともと体が強くて足も速い。スイングスピードが速くて、当時からインパクトの強さがありました」
富田は今、とにかくバットを振り続けている。全体練習が午前中までの時でも、バットを握り締めて夕方までグラウンドに立つ。富田は言う。
「練習をやるしかないですから。きつい部分はありますけど、とにかくバットを振っています」
そう語り、照れ笑いを浮かべる富田は充実した顔で球場をあとにした。
(写真・文:佐々木亨)