HOME 試合情報 試合結果 準決勝 試合日程・結果 2012.10.26 [Fri] 第2回関東選手権 2012関東リーグ戦決勝トーナメント準決勝 vs 日本通運 大田スタジアム 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E セガサミー セ 0 1 0 0 0 0 0 0 1 2 0 0 日本通運 日 0 0 0 2 0 0 0 0 1x 3 0 0 BATTERY 上津原、松永、木村佳-乗替、佐藤 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 土壇場で見せた意地が、せめてもの救いだった。 1点ビハインドで迎えた9回表、一死から8番乗替寿朗に代わって松延卓弥が右打席に立つ。2ストライクと追い込まれても、松延は強気にバットを振り抜いた。打球が左中間を深々と抜けていく。二塁ベースへ滑り込み、代走の久保穣と軽く手を合わせた松延の顔に笑みがこぼれた。その後、二死となって追い詰められたが、2番川端裕也のショートへの内野安打で同点に追いつく。 流れは悪くない。むしろ、9回二死から試合を振り出しに戻したチームには、追い風が吹いていた。だが、その直後、まさかの結末が待っていた。 9回裏。3番手の木村佳吾が死球で先頭打者に出塁を許す。犠打で一死二塁。後続を討ち取り二死とするが、再び木村の制球が乱れて四球。一、二塁とピンチは続いた。迎えた日本通運の3番大槻悦史選手に対し、木村はストライクが先行して1ボール2ストライクと追い込んだ。だが、4球目。大槻選手のバットがとらえた打球が、遊撃手・神野達哉の左横を抜けていった。中前安打。単打でのホーム生還を阻止するために、あらかじめ前進守備を敷いていた中堅手・久保の前に打球が転がる。一度は、三塁ベースを踏んだ二塁走者がホーム突入を躊躇する。だが、打球処理を誤った久保のグラブからボールがこぼれると、走者は一気にホームを狙った。敵失でのサヨナラ負け――。 最後はミスで白星を逃した。 公式戦の全日程を終えて、西詰嘉明監督はこう言った。 「今シーズンは、全体的に凡ミスが多かった。大事な試合でのミスが多かったように思います。先のプレーを考える準備の足りなさがあったというか、気持ち的に変な余裕がところどころで見られました。それが結果的にミスにつながったような気がします」 野球におけるミスはつきものだ。もちろん、ミスなき試合は理想的だが、ある程度のミスを計算した上で戦うスポーツだ。ただ、ミスにも質の違いはある。果敢に攻めた結果、あるいは集中する中でやむを得ず犯してしまうミスなのか、準備不足や不用意なプレーから生まれるミスなのか。やはり、未然に防げる後者のミスは100%に近い確率でなくしたい。圧倒的な力の差がない限り、ミスからの失点で涙を呑む試合は意外にも多くあるものだ。今年は、その重要性を改めて知ることになったシーズンだったと言える。 「技術的には上がっている」 西詰監督がそう言うように、確かに個々の技量は上がっている。この試合、2回表に先制の右前適時打を放った7番神野は、今シーズンの前半はスタメン出場が少なかった。バッティングにおいて試行錯誤を繰り返しながら、やっとシーズン終盤になって自分なりの打撃フォームを見つけた。今は構えの時点でバットを肩に乗せ、力みのないフォームからスムーズなスイングができるようになったと言う。 「ボールの軌道に対して、いかに早くバットを平行にして打つか。そこを求める中で今のフォームになりました。今シーズンはなかなか試合に出ることができなかったので、今日の試合を良いきっかけとして来年また頑張りたいと思います」 それぞれが技術を追求する。個々のレベルが上がり、チーム全体として底上げされていけば、選手層の厚みを持った力強いチームになっていく。 力強さを手にするためにも、シーズン終了後の過ごし方は重要だ。オフシーズンの選手たちの取り組みが、来シーズンの行方を大きく左右する。 (写真&文:佐々木亨) 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
土壇場で見せた意地が、せめてもの救いだった。
1点ビハインドで迎えた9回表、一死から8番乗替寿朗に代わって松延卓弥が右打席に立つ。2ストライクと追い込まれても、松延は強気にバットを振り抜いた。打球が左中間を深々と抜けていく。二塁ベースへ滑り込み、代走の久保穣と軽く手を合わせた松延の顔に笑みがこぼれた。その後、二死となって追い詰められたが、2番川端裕也のショートへの内野安打で同点に追いつく。
流れは悪くない。むしろ、9回二死から試合を振り出しに戻したチームには、追い風が吹いていた。だが、その直後、まさかの結末が待っていた。
9回裏。3番手の木村佳吾が死球で先頭打者に出塁を許す。犠打で一死二塁。後続を討ち取り二死とするが、再び木村の制球が乱れて四球。一、二塁とピンチは続いた。迎えた日本通運の3番大槻悦史選手に対し、木村はストライクが先行して1ボール2ストライクと追い込んだ。だが、4球目。大槻選手のバットがとらえた打球が、遊撃手・神野達哉の左横を抜けていった。中前安打。単打でのホーム生還を阻止するために、あらかじめ前進守備を敷いていた中堅手・久保の前に打球が転がる。一度は、三塁ベースを踏んだ二塁走者がホーム突入を躊躇する。だが、打球処理を誤った久保のグラブからボールがこぼれると、走者は一気にホームを狙った。敵失でのサヨナラ負け――。
最後はミスで白星を逃した。
公式戦の全日程を終えて、西詰嘉明監督はこう言った。
「今シーズンは、全体的に凡ミスが多かった。大事な試合でのミスが多かったように思います。先のプレーを考える準備の足りなさがあったというか、気持ち的に変な余裕がところどころで見られました。それが結果的にミスにつながったような気がします」
野球におけるミスはつきものだ。もちろん、ミスなき試合は理想的だが、ある程度のミスを計算した上で戦うスポーツだ。ただ、ミスにも質の違いはある。果敢に攻めた結果、あるいは集中する中でやむを得ず犯してしまうミスなのか、準備不足や不用意なプレーから生まれるミスなのか。やはり、未然に防げる後者のミスは100%に近い確率でなくしたい。圧倒的な力の差がない限り、ミスからの失点で涙を呑む試合は意外にも多くあるものだ。今年は、その重要性を改めて知ることになったシーズンだったと言える。
「技術的には上がっている」
西詰監督がそう言うように、確かに個々の技量は上がっている。この試合、2回表に先制の右前適時打を放った7番神野は、今シーズンの前半はスタメン出場が少なかった。バッティングにおいて試行錯誤を繰り返しながら、やっとシーズン終盤になって自分なりの打撃フォームを見つけた。今は構えの時点でバットを肩に乗せ、力みのないフォームからスムーズなスイングができるようになったと言う。
「ボールの軌道に対して、いかに早くバットを平行にして打つか。そこを求める中で今のフォームになりました。今シーズンはなかなか試合に出ることができなかったので、今日の試合を良いきっかけとして来年また頑張りたいと思います」
それぞれが技術を追求する。個々のレベルが上がり、チーム全体として底上げされていけば、選手層の厚みを持った力強いチームになっていく。
力強さを手にするためにも、シーズン終了後の過ごし方は重要だ。オフシーズンの選手たちの取り組みが、来シーズンの行方を大きく左右する。
(写真&文:佐々木亨)