HOME 試合情報 試合結果 第1戦 試合日程・結果 2013.04.11 [Thu] 第36回日立市長杯選抜野球大会第1戦 vs 熊本ゴールデンラークス 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E 熊本ゴールデンラークス 熊 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 セガサミー セ 0 0 0 0 0 2 1 0 x 3 0 0 BATTERY 浦野-乗替 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT エースの自覚は十分だ。 「いつも完投するつもりで投げています」 そう語る先発の浦野博司は、立ち上がりから飛ばした。初回は三者凡退。2回表に左翼手・富田裕貴が目測を誤る中で不運なヒットを記録されたが、序盤までは危なげない投球で得点圏にすら走者を進めなかった。 4回表、先頭打者に左前安打を食らう。二死から後続に連続四球を与えて満塁のピンチ。だが、浦野は勝負所でギアを一段階上げて7番打者を右飛に討ち取り点を与えなかった。 後半になると、さらに右腕がうなる。「今日の反省点です」と語る7回表に二死から連打を浴びて二、三塁のピンチを迎えるが、この試合のエースはピンチになればなるほどボールに勢いが増した。空振り三振で無失点。 8回表を、三振2個を含む三者凡退で難なく抑えると、最終回は圧巻の奪三振ショーだ。ウイニングショットに変化球を使い打者2人を三振に討ち取ると、続く8番打者はフォークとスライダーで一気に追い込む。最後は、この試合一番の鋭く変化するフォークで空振り三振を奪って試合を締めた。 散発5安打の完封劇――。 昨年6月5日の都市対抗東京都二次予選での第三代表決定戦(東京ガス戦)、同じく8月8日の関東選抜リーグ戦(JFE東日本)に続く、今シーズン初にして公式戦では通算3度目の完封勝利を手にした。浦野がマウンドを振り返る。 「真っ直ぐの走りはよかったと思いますが、スライダーを含めた変化球があまりよくありませんでした。でも、悪いなりに抑えられたのでよかったです。最後まで何があるかわからないので、最終回もきっちりと投げました」 力の出し入れを考え、要所では確実に抑える頭脳的なピッチングは、まさにエースの名にふさわしかった。捕手の乗替寿朗は言う。 「浦野はしり上がりによくなっていきました。でも、まだまだ本調子ではないと思います。それは本人もわかっていると思う。たとえば、左打者に対するインコースへのスライダーがまだ決めきれないところがあります。本来ならもっとスライダーでクルクル空振りを取れるんですけど。でも、それでもしっかりと抑えますからね。やっぱりいいピッチャーですよ」 攻撃陣が浦野を後押ししたのは6回裏だった。先頭の9番政野寛明がチーム初安打となる右中間への二塁打で出塁。1番江藤圭樹がきっちりと進塁打を放って一死三塁とする。2番宮之原裕樹が四球を選び、さらに二盗を決めてチャンスを広げた。3番安井正也も四球で満塁。ここで4番十九浦拓哉が初球の変化球を積極的に振りにいき、右前へ運んで先取点を奪った。なおも続く満塁のチャンスで5番谷澤恭平も右前安打を放って2点目。5回まで無安打だった打線が、ひとつの線となって相手の左投手を攻略した。7回裏は、二死から1番江藤が右翼線への二塁打でチャンスを築くと、2番宮之原が右翼へ飛球を放つ。右翼手が目測を誤り落球(公式記録は失策)。二塁走者の江藤がホームを踏み、この試合の浦野には十分過ぎる援護の3点目が入った。 浦野の快投と打線の勝負所での攻撃で白星スタートを切ったチーム。この試合での勝利で、今シーズンの公式戦は無傷の4連勝。 この勢いは、止まらない。 (文・写真:佐々木亨) 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
エースの自覚は十分だ。
「いつも完投するつもりで投げています」
そう語る先発の浦野博司は、立ち上がりから飛ばした。初回は三者凡退。2回表に左翼手・富田裕貴が目測を誤る中で不運なヒットを記録されたが、序盤までは危なげない投球で得点圏にすら走者を進めなかった。
4回表、先頭打者に左前安打を食らう。二死から後続に連続四球を与えて満塁のピンチ。だが、浦野は勝負所でギアを一段階上げて7番打者を右飛に討ち取り点を与えなかった。
後半になると、さらに右腕がうなる。「今日の反省点です」と語る7回表に二死から連打を浴びて二、三塁のピンチを迎えるが、この試合のエースはピンチになればなるほどボールに勢いが増した。空振り三振で無失点。
8回表を、三振2個を含む三者凡退で難なく抑えると、最終回は圧巻の奪三振ショーだ。ウイニングショットに変化球を使い打者2人を三振に討ち取ると、続く8番打者はフォークとスライダーで一気に追い込む。最後は、この試合一番の鋭く変化するフォークで空振り三振を奪って試合を締めた。
散発5安打の完封劇――。
昨年6月5日の都市対抗東京都二次予選での第三代表決定戦(東京ガス戦)、同じく8月8日の関東選抜リーグ戦(JFE東日本)に続く、今シーズン初にして公式戦では通算3度目の完封勝利を手にした。浦野がマウンドを振り返る。
「真っ直ぐの走りはよかったと思いますが、スライダーを含めた変化球があまりよくありませんでした。でも、悪いなりに抑えられたのでよかったです。最後まで何があるかわからないので、最終回もきっちりと投げました」
力の出し入れを考え、要所では確実に抑える頭脳的なピッチングは、まさにエースの名にふさわしかった。捕手の乗替寿朗は言う。
「浦野はしり上がりによくなっていきました。でも、まだまだ本調子ではないと思います。それは本人もわかっていると思う。たとえば、左打者に対するインコースへのスライダーがまだ決めきれないところがあります。本来ならもっとスライダーでクルクル空振りを取れるんですけど。でも、それでもしっかりと抑えますからね。やっぱりいいピッチャーですよ」
攻撃陣が浦野を後押ししたのは6回裏だった。先頭の9番政野寛明がチーム初安打となる右中間への二塁打で出塁。1番江藤圭樹がきっちりと進塁打を放って一死三塁とする。2番宮之原裕樹が四球を選び、さらに二盗を決めてチャンスを広げた。3番安井正也も四球で満塁。ここで4番十九浦拓哉が初球の変化球を積極的に振りにいき、右前へ運んで先取点を奪った。なおも続く満塁のチャンスで5番谷澤恭平も右前安打を放って2点目。5回まで無安打だった打線が、ひとつの線となって相手の左投手を攻略した。7回裏は、二死から1番江藤が右翼線への二塁打でチャンスを築くと、2番宮之原が右翼へ飛球を放つ。右翼手が目測を誤り落球(公式記録は失策)。二塁走者の江藤がホームを踏み、この試合の浦野には十分過ぎる援護の3点目が入った。
浦野の快投と打線の勝負所での攻撃で白星スタートを切ったチーム。この試合での勝利で、今シーズンの公式戦は無傷の4連勝。
この勢いは、止まらない。
(文・写真:佐々木亨)