HOME 試合情報 試合結果 第1戦 試合日程・結果 2013.04.27 [Sat] 第64回JABA京都大会第1戦 vs 三菱重工神戸 皇子山総合運動公園野球場 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E セガサミー セ 0 0 2 0 0 0 0 0 0 2 0 0 三菱重工神戸 三 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 BATTERY 大山-乗替 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 勝利へつながる扉に触れるチャンスは、わずか一度きりだった。 無得点で迎えた3回表も、8番乗替寿朗が遊撃ゴロ、9番坂本一将が中飛に討ち取れ、早々に二死となった。だが、1番江藤圭樹が左前安打、さらに2番宮之原裕樹が中前安打を放ち、この試合初めて得点圏に走者を進める。3番安井正也の6球目を相手の捕手がわずかに逸らすと、一塁走者の宮之原がすかさず二進。チャンスは、二、三塁と広がった。 フルカウントまで粘った安井は、感じていた。 「内角を攻められている」 8球目。相手左腕のストレートが安井の懐に食い込む。球威のある球だ。だが、内角を意識していた安井に迷いはなかった。 バギッ! 鈍い音とともにバットが折れる。それでも、打球は左前まで飛んだ。三塁走者の江藤に続き、二塁走者の宮之原がホームを踏み、スコアボードに『2』が刻まれた。 先制打を放った安井は、試合後にこう振り返った。 「内角を攻められる中、何とか対応しながら最後は『詰まってもいい』ぐらいの気持ちで思い切りバットを振り抜きました。少ないチャンスで、きっちりとヒットが打てたのはよかったと思います」 4回以降、チームは無安打に終わった。5つの四死球をもらい何度か得点圏に走者を進めたが、バットが湿り、追加点を奪うことができなかった。安井が勝因を語る。 「今日は何と言っても大山ですね。ピンチでも粘り強く投げてくれました」 先発の大山暁史は1回裏、先頭打者に左翼線二塁打を浴びた。「甘く入った」と振り返ったが、その後は「気持ちを切り替えて投げた」結果、後続を討ち取り無失点で切り抜けた。2回以降は、大山の投球にテンポが生まれた。3回裏は、先頭の8番打者をすべて変化球で勝負する中で遊撃ゴロに討ち取る。続く9番打者は、スライダーでカウントを整え、最後はストレートで空振り三振。1ボール2ストライクと追い込んだ1番打者からは、最後はこの試合一番とも言える外角低めのストレートで見逃し三振を奪った。4回裏に先頭打者への四球をきっかけに適時打を浴びて1点を失うが、中盤以降も大山はマウンドに立ち続けた。 「安心して見られました」 試合後にそう語ったのは、西詰嘉明監督だ。 一死一、三塁と最大のピンチとなった8回裏も粘りの投球で無失点に抑えると、最終回は三菱重工神戸のクリーンナップを、わずか4球で料理した。被安打6の1失点。1四球の数が示す通り、大山の安定した投球が光った。左腕がマウンドを振り返る。 「大会の初戦で絶対に負けられないと思いましたし、先日の富山大会で投手陣が打たれて負けていたので何とか今日のピッチングで流れを変えたいと思ってマウンドに上がりました。結果的に、ストレートはいい感覚で投げられましたし、変化球も相手チームの各打者のデータをもとに乗替(捕手)さんと組み立てを考えながら上手く使えたと思います。完投勝利は、1年目(2011年)のJX-ENEOS戦(第1回JABA関東選手権大会決勝戦/11月9日)以来。最後まで投げることができてよかったです。今日の試合でチームが流れに乗ってくれればいいですね」 バットが湿った後半の攻撃や走塁のミスなど課題もあったが、最後は勝った。殊勲の一打を放った副主将の安井が言葉を噛みしめる。 「やっぱり勝ち切ることが大事ですね」 (文・写真:佐々木亨) 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
勝利へつながる扉に触れるチャンスは、わずか一度きりだった。
無得点で迎えた3回表も、8番乗替寿朗が遊撃ゴロ、9番坂本一将が中飛に討ち取れ、早々に二死となった。だが、1番江藤圭樹が左前安打、さらに2番宮之原裕樹が中前安打を放ち、この試合初めて得点圏に走者を進める。3番安井正也の6球目を相手の捕手がわずかに逸らすと、一塁走者の宮之原がすかさず二進。チャンスは、二、三塁と広がった。
フルカウントまで粘った安井は、感じていた。
「内角を攻められている」
8球目。相手左腕のストレートが安井の懐に食い込む。球威のある球だ。だが、内角を意識していた安井に迷いはなかった。
バギッ!
鈍い音とともにバットが折れる。それでも、打球は左前まで飛んだ。三塁走者の江藤に続き、二塁走者の宮之原がホームを踏み、スコアボードに『2』が刻まれた。
先制打を放った安井は、試合後にこう振り返った。
「内角を攻められる中、何とか対応しながら最後は『詰まってもいい』ぐらいの気持ちで思い切りバットを振り抜きました。少ないチャンスで、きっちりとヒットが打てたのはよかったと思います」
4回以降、チームは無安打に終わった。5つの四死球をもらい何度か得点圏に走者を進めたが、バットが湿り、追加点を奪うことができなかった。安井が勝因を語る。
「今日は何と言っても大山ですね。ピンチでも粘り強く投げてくれました」
先発の大山暁史は1回裏、先頭打者に左翼線二塁打を浴びた。「甘く入った」と振り返ったが、その後は「気持ちを切り替えて投げた」結果、後続を討ち取り無失点で切り抜けた。2回以降は、大山の投球にテンポが生まれた。3回裏は、先頭の8番打者をすべて変化球で勝負する中で遊撃ゴロに討ち取る。続く9番打者は、スライダーでカウントを整え、最後はストレートで空振り三振。1ボール2ストライクと追い込んだ1番打者からは、最後はこの試合一番とも言える外角低めのストレートで見逃し三振を奪った。4回裏に先頭打者への四球をきっかけに適時打を浴びて1点を失うが、中盤以降も大山はマウンドに立ち続けた。
「安心して見られました」
試合後にそう語ったのは、西詰嘉明監督だ。
一死一、三塁と最大のピンチとなった8回裏も粘りの投球で無失点に抑えると、最終回は三菱重工神戸のクリーンナップを、わずか4球で料理した。被安打6の1失点。1四球の数が示す通り、大山の安定した投球が光った。左腕がマウンドを振り返る。
「大会の初戦で絶対に負けられないと思いましたし、先日の富山大会で投手陣が打たれて負けていたので何とか今日のピッチングで流れを変えたいと思ってマウンドに上がりました。結果的に、ストレートはいい感覚で投げられましたし、変化球も相手チームの各打者のデータをもとに乗替(捕手)さんと組み立てを考えながら上手く使えたと思います。完投勝利は、1年目(2011年)のJX-ENEOS戦(第1回JABA関東選手権大会決勝戦/11月9日)以来。最後まで投げることができてよかったです。今日の試合でチームが流れに乗ってくれればいいですね」
バットが湿った後半の攻撃や走塁のミスなど課題もあったが、最後は勝った。殊勲の一打を放った副主将の安井が言葉を噛みしめる。
「やっぱり勝ち切ることが大事ですね」
(文・写真:佐々木亨)