• TEAM T
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • R
  • H
  • E
  • パナソニック
  • 1
  • 0
  • 6
  • 2
  • 0
  • 2
  • 1
  • 12
  • 0
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  • セガサミー
  • 0
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BATTERY

浦野、陶久、松永、山崎、木村-乗替、佐藤

戦評COMMENT

マウンドを背に、自らへの怒りを込めたボールをグラブに叩きつける。一塁側ベンチへ向かうその顔には、悔しさが滲んでいた。
序盤を終えずに、エースは降板した。
1回表、先発の浦野博司は一塁ゴロと左飛で、難なく二死を奪う。3番打者にフルカウントから左中間二塁打を食らい、4番打者に右前への先制打を浴びたのは、その直後だった。パナソニックの4番梶原選手には、決め球のフォークが落ち切らずに、甘く入ったところを痛打された。
2回表は、先頭の6番打者に右翼フェンス直撃の二塁打で出塁を許す。後続を討ち取り追加点こそ与えなかったが、長打を浴びた球は甘く入ったフォークだった。
キレのない変化球が、浦野の状態を物語っていた。
不安が失望に変わったのは3回表だ。二塁失策で出塁した先頭打者を犠打で送られて一死二塁。3番打者につまりながらも右前に運ばれて、ピンチは一、三塁と拡大した。続く4番打者は二塁ゴロ。討ち取ったが、三塁走者がホームを駆け抜け、2点目を献上する。さらに2つの四死球で満塁のピンチを迎えると、7番打者には走者一掃の三塁打。8番打者には左中間を深々と破る適時二塁打を浴びた。失意の中、2番手の陶久亮太にマウンドを譲ったのは、その6点目を失った直後だった。最後まで修正しきれなかったマウンドを浦野はこう振り返る。
「調子自体は悪くないと思ったんですけど・・・・。若干、コントロールが悪かったかもしれない・・・・。あと、変化球が・・・・。いずれにせよ、実際に打たれているわけですから、結局は僕の力不足です」
途切れ途切れに反省の弁を語る姿に、浦野の心中が映し出されていた。
早過ぎるエースの降板は、一塁側ベンチに沈黙を生んだ。
7点を追う打線は3回裏、9番坂本一将が二塁失策で出塁。さらに1番江藤圭樹が右前安打、2番宮之原裕樹が二塁失策で出塁し、一死満塁の得点機を掴んだ。試合は序盤だ。ここで少しでも点差を縮めておけば、ベンチの空気は明らかに変わる。だが、そんな期待も3番安井正也の併殺打で一瞬にして消え去った。
その後も、点差は広がり続ける。4回表は陶久が3連打を浴びて失点。3番手の松永も悪い流れを断ち切れずに適時打を浴びる。6回表には、再び松永が一死から四球と連打で2失点。7回表も、5番手の木村佳吾が四球をきっかけに1点を失った。
7回表を終わって12失点。投手陣は、毎回の15安打を浴びた。
打線も、パナソニックの先発、右横手投げの秋吉投手に完膚なきまでに押さえ込まれた。6回裏、4番照屋真人が放った右翼線二塁打はチームの2安打目。7回裏には代打・澤良木喬之がチーム3安打目となる左前安打を放つも、時すでに遅し・・・・。『7番・一塁』でスタメン出場を果たした大西主晃が「相手投手はコントロールがよかった。左打者は、チェンジアップにやられた」と振り返るように、パナソニックのエースを最後まで攻略できず、散発3安打に終わった。
『0-12』
7回コールドの記録的大敗は、チームに何をもたらすだろうか。
予選リーグでの敗退が決まったとはいえ、大会はまだ続く。約1ヵ月後には都市対抗東京都二次予選も始まる今、チームは前だけを見据えて戦うしかない。
(文・写真:佐々木亨)