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BATTERY

陶久、松永-乗替、松延

戦評COMMENT

秋の空気と照りつける太陽が入り混じるマウンドで、先発の陶久亮太は淡々と、自身のテーマと向き合った。
「テンポよく投げて、守備からリズムを作ることをテーマに投げました」
立ち上がり。リズミカルにストライクを先行させると、最後は外角のストレートで先頭打者から見逃し三振を奪った。左打席に立つ2番打者に対してはファールでカウントを整える。最後は内角に食い込むストレートで三振を奪った。続く3番打者は2球でファーストフライ。テーマ通りの上々の滑り出しだった。
2回表に二死から初安打を浴びるが、陶久に焦りはない。後続の打者を一球でセカンドゴロに討ち取り、スコアボードに『0』を刻んだ。テンポの良さに変化はない。3回表は、わずか9球で三者凡退。4回表と5回表は注文通りの併殺で相手に隙を与えなかった。後半になっても集中力を失わなかった陶久は、結局、7回表まで投げて散発3安打の無失点。無四球でピッチングを終え、2番手の松永大介にマウンドを譲った。公式戦では4月の富山大会2回戦以来となる先発だった。試合後の陶久は、ピッチングをこう振り返った。
「テーマ通りのピッチングができたと思います。ストライクが先行しましたし、球数も少なかった。先発としての仕事はできたと思います。今日のピッチングを次の登板に生かしたい」
陶久がもたらしたリズムに乗って、攻撃陣が先取点を奪ったのは1回裏だ。1番坂本一将が四球で出塁すると、2番川端裕也の犠打で一死二塁。3番江藤圭樹の中前安打で二塁走者の坂本が1点目のホームを踏んだ。各打者が持ち場で仕事をこなす中での得点は、理想的な展開だった。バッティングの精度を上げようと、日々努力を続ける江藤にとっても、先制打の打席は価値あるものになった。江藤は言う。
「ちょっと詰まり気味の窮屈なバッティングを何とか変えようと今は試行錯誤を繰り返しています。ボールに対して受け身にならないバッティングというか、もっとスムーズにヘッドが出てくるバッティングにしていきたい。そうすれば、野手の間を鋭く抜ける強い打球が打てるはずですから。今日はそれなりのバッティングはできたと思いますが、もっと打力を上げていきたい」
5回裏にも逆方向への左前適時打を放った江藤は、確かな手ごたえを掴んだ。
だが、チーム全体としての攻撃となれば、やはり物足りなさを感じる。江藤の2つの適時打以外、得点シーンはわずかに2回。6回裏の8番富田裕貴の右前適時打、7回裏の5番照屋真人の犠飛で奪った2点しかない。ボディーブローのように点を重ねる。もちろん、それ自体は重要な要素だが、一気呵成にたたみ掛ける攻撃力を、この試合では見たかった。試合後のミーティングで、佐藤俊和コーチは「しっかりと自分のスイングをする」ことを選手に求めた。
強く、逞しく、揺るがない――。今、攻撃陣に求められているものは、その力に他ならない。
(文・写真:佐々木亨)