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  • 慶応義塾大学
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BATTERY

山崎、木村、陶久、松永-佐藤

戦評COMMENT

バッティングは水物だ。
そう言われる所以は、どれだけ強力打線であっても、その時々の状態や相手との相性、時には運も左右して、毎試合のように大量点を奪うのは難しい。つまり、バッティングというのは、決して「完璧ではない」ためだ。たとえ10回の打席で7回の失敗があったとしても、打率は3割。「よく打った」と評価されるのがバッティングだ。
もちろん、好調を維持する攻撃陣が、続けざまに大量得点で連勝というケースはある。だがこの試合、初芝清監督は「ちょっと嫌な予感がした」という。得てして、大量点を奪って大味な試合を演出したあとは、逆にバッティングが精彩を欠くことがあるのも野球だ。
前日に行なわれた国士舘大学とのオープン戦。チームは、6、7、8回の3イニングスで大量9点を挙げた。大勝したあとの慶応大学戦。指揮官の「予感」は、皮肉にも的中した。
得点シーンは2度あった。まずは、1点を追う3回裏。一死から代打・安井正也が左前安打で出塁し、1番政野寛明のショートゴロの間に二塁へ。続く2番宮之原裕樹の打球が三塁手の失策を誘い、二塁走者の安井が一気にホームを陥れて1点を奪った。2度目のチャンスは、8回裏に訪れた。先頭の8番富田裕貴がピッチャー強襲の内野安打で出塁。一死後、2者連続の四球で満塁になったあと、3番江藤圭樹のセンターへの犠飛で1点を奪った。だが、攻撃陣の見せ場はわずかにそれだけ。長打、連打はなく、4安打で2点を挙げるのが精一杯だった。
一方、4人を継投した投手陣も、計9安打を浴びて4失点と精彩を欠いた。先発の山崎福之は、一死から9番打者(ピッチャー)にショートへの内野安打、1番打者には四球を与えてピンチを広げたあと、適時二塁打を浴びて2点を先制された3回表を悔やんだ。
「9番のピッチャーにヒットを打たれて、そのあとさらに四球を出したのは反省点です。タイムリーを打たれた3番打者に対しても、カウント優位で追い込んでからのヒット。3回表のピッチングは反省するところが多かった」
投打に苦しんだ試合の中で、収穫があったとすればケガから復帰した2人の存在だっただろうか。8回表の1イニングを投げた陶久亮太は3安打2失点の内容だったが、今シーズン初めて公式戦のマウンドに立った。
「昨日(国士舘大学戦)も1イニングだけ投げましたが、まだまだ投げ込み不足。本来のピッチングからは程遠い内容ですが、ここから頑張ります」
そして、もう一人。2月から続いた腰痛の影響で実戦から離れていた神野達哉が、9回裏に代打で出場した。オープン戦も含めて今シーズン初の打席で、中前安打を記録した。
「何とかチームの流れを変えられるように、これから頑張ります」
試合後、「神野が打席に立てたことはよかった」と語った初芝監督。敗戦の中にも、「収穫あり」の表情を浮かべた。
(文・写真:佐々木亨)