HOME 試合情報 試合結果 第3戦 試合日程・結果 2014.04.13 [Sun] 第56回JABA長野県知事旗争奪大会第3戦 vs フェデックス 長野県営野球場 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E フェデックス フ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 セガサミー セ 9 0 2 2 0 4 x 17 0 0 BATTERY 上津原、木村、松永-乗替 HOMERUN 高島(6回2ラン) 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 1回裏のスコアボードが、目まぐるしく切り替わった。 2点、4点、6点と……積み重なる数字が「9」になってやっと、その慌しさを極めたスコアボードが動きを止めた。 打って、守って、コールドで勝つ――。決勝トーナメント進出のためには、それがこの試合での最低条件だった。その気迫が「猛攻」となって現われたのが1回裏だった。まずは、1番政野寛明が四球で出塁。2番宮之原裕樹が左前安打で続き、3番江藤圭樹の犠打で一死二、三塁。ここで大会を通じて4番に座る新人の高島秀伍が左前へ弾き返し、早々に2点を先制した。さらに5番照屋真人の四球、6番澤良木喬之の右前安打で満塁にすると、7番坂本一将に2点適時打となる右前安打が飛び出して4点目が入った。なおも攻め立てるチームは、8番富田裕貴の四球で再び満塁にすると、9番乗替寿朗の左中間への二塁打で2点を追加した。打者一巡で6得点。だが、攻撃陣の勢いはこれにとどまらず、1番政野の中前適時打で2点、さらに3番江藤の右前適時打で1点を加え、1イニングで9得点を挙げた。 初回で完全に主導権を握ったチームが、次なる攻撃に転じたのは3回裏だった。1番政野が内野の失策で出塁すると、2番宮之原が三塁線を破る二塁打を放って二、三塁。11点目が入ったのは、3番江藤の中前安打が飛び出した直後だった。 試合中盤になっても攻めの姿勢は変わらない。4回裏は7番坂本の左前安打、8番富田の中前安打でチャンスを築くと、9番乗替がこの試合3打点目となる左前適時打を放って12点目。なおも一死一、三塁と追加点のチャンスを築くと、途中出場の2番谷澤恭平が左前へ適時打を放って13点目が入った。 そして、トドメの一打が飛び出したのが6回裏だ。二死一、二塁から、途中出場の3番大西主晃が左中間へ技ありの二塁打を放って15点目。なおも走者二塁の場面で、4番高島が公式戦では自身初となる2ラン本塁打を左中間スタンドに放った。 試合後、三塁のコーチャーズボックスに立つ前田忠節コーチは冗談交じりにこう言った。 「腕を回し過ぎて、肩が痛いです」 前田コーチの右腕に導かれ、ホームを駆け抜けた走者は17人。18安打で17得点の猛攻は、選手たちの勝利に対する執念の表れだったと言える。 一方、決勝トーナメント進出のためには失点が許されない投手陣も、大味な試合展開の中でそれぞれの役割を全うした。先発の上津原詳は、2回表までノーヒットピッチング。3回表に初ヒットを許したが、後続の打者を討ち取って点を与えなかった。4回表は三者凡退。5回表に二死から連打を浴びて降板したが、相手打線に得点を許さなかった。2番手の木村佳吾は、5回表二死一、三塁のピンチを切り抜けると、6回表も無失点。最後は、3番手の松永大介が1イニングを無難に抑え、3投手による完封リレーが完結した。 リーグ戦の最終成績は2勝1敗。結局は、失点率の差で決勝トーナメント進出を逃してしまったが、今大会は次なる戦いに向けて収穫が多かった。パナソニック戦での粘りと力強さ。そして、フェデックス戦で見せた強打と勝利に向かう姿勢には、これからも続く戦いでの「希望」が詰まっていたような気がする。 (文・写真:佐々木亨) 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
1回裏のスコアボードが、目まぐるしく切り替わった。
2点、4点、6点と……積み重なる数字が「9」になってやっと、その慌しさを極めたスコアボードが動きを止めた。
打って、守って、コールドで勝つ――。決勝トーナメント進出のためには、それがこの試合での最低条件だった。その気迫が「猛攻」となって現われたのが1回裏だった。まずは、1番政野寛明が四球で出塁。2番宮之原裕樹が左前安打で続き、3番江藤圭樹の犠打で一死二、三塁。ここで大会を通じて4番に座る新人の高島秀伍が左前へ弾き返し、早々に2点を先制した。さらに5番照屋真人の四球、6番澤良木喬之の右前安打で満塁にすると、7番坂本一将に2点適時打となる右前安打が飛び出して4点目が入った。なおも攻め立てるチームは、8番富田裕貴の四球で再び満塁にすると、9番乗替寿朗の左中間への二塁打で2点を追加した。打者一巡で6得点。だが、攻撃陣の勢いはこれにとどまらず、1番政野の中前適時打で2点、さらに3番江藤の右前適時打で1点を加え、1イニングで9得点を挙げた。
初回で完全に主導権を握ったチームが、次なる攻撃に転じたのは3回裏だった。1番政野が内野の失策で出塁すると、2番宮之原が三塁線を破る二塁打を放って二、三塁。11点目が入ったのは、3番江藤の中前安打が飛び出した直後だった。
試合中盤になっても攻めの姿勢は変わらない。4回裏は7番坂本の左前安打、8番富田の中前安打でチャンスを築くと、9番乗替がこの試合3打点目となる左前適時打を放って12点目。なおも一死一、三塁と追加点のチャンスを築くと、途中出場の2番谷澤恭平が左前へ適時打を放って13点目が入った。
そして、トドメの一打が飛び出したのが6回裏だ。二死一、二塁から、途中出場の3番大西主晃が左中間へ技ありの二塁打を放って15点目。なおも走者二塁の場面で、4番高島が公式戦では自身初となる2ラン本塁打を左中間スタンドに放った。
試合後、三塁のコーチャーズボックスに立つ前田忠節コーチは冗談交じりにこう言った。
「腕を回し過ぎて、肩が痛いです」
前田コーチの右腕に導かれ、ホームを駆け抜けた走者は17人。18安打で17得点の猛攻は、選手たちの勝利に対する執念の表れだったと言える。
一方、決勝トーナメント進出のためには失点が許されない投手陣も、大味な試合展開の中でそれぞれの役割を全うした。先発の上津原詳は、2回表までノーヒットピッチング。3回表に初ヒットを許したが、後続の打者を討ち取って点を与えなかった。4回表は三者凡退。5回表に二死から連打を浴びて降板したが、相手打線に得点を許さなかった。2番手の木村佳吾は、5回表二死一、三塁のピンチを切り抜けると、6回表も無失点。最後は、3番手の松永大介が1イニングを無難に抑え、3投手による完封リレーが完結した。
リーグ戦の最終成績は2勝1敗。結局は、失点率の差で決勝トーナメント進出を逃してしまったが、今大会は次なる戦いに向けて収穫が多かった。パナソニック戦での粘りと力強さ。そして、フェデックス戦で見せた強打と勝利に向かう姿勢には、これからも続く戦いでの「希望」が詰まっていたような気がする。
(文・写真:佐々木亨)