HOME 試合情報 試合結果 第3戦 試合日程・結果 2014.05.09 [Fri] 第67回JABA九州大会第3戦 vs 九州三菱自動車 長崎県営野球場 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E 九州三菱自動車 九 0 0 0 0 0 0 0 2 0 2 0 0 セガサミー セ 0 3 0 0 0 1 1 0 x 5 0 0 BATTERY 松永、浦塚、山崎、前原、上津原-佐藤、松延 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 物怖じしないスイングが、チームに勢いをもたらした。 2回裏。5番佐藤貴穂の左前安打、7番大久保泰成の右中間への二塁打で一死二、三塁とすると、8番坂本一将の中前安打でまずは先制点を奪った。なおも攻め続けるチームは、坂本が盗塁を決めて再び一死二、三塁の場面を築く。ここで打席に立つは、指名打者の9番喜多亮太。入社1年目の18歳は、公式戦初打席を迎えて緊張していた。 「これまでオープン戦では2回ぐらい打席に立ちましたが、公式戦の出場は初めてでした。バックスクリーンに自分の名前が表示されているのが不思議な感じでしたね」 公式戦での打席は、高校3年の夏以来。約10ヵ月ぶりに味わうその感覚に、「久しぶり過ぎて緊張した」という。だが、敦賀気比高校時代から好打者として知られた喜多が、緊張を解き放つまでそれほど時間は必要なかった。 「1ボールからのファーストストライクをファールできて緊張がほぐれました。同時に、何となく打てそうな感じがしました」 3球目はストライク。4球目はファール。5球目がボール球となって、カウントは2ボール2ストライクとなった。迎えた6球目。「たぶんスライダーだったと思う」と振り返る変化球を巧みなバットコントロールでとらえた喜多は、三遊間を抜けていく打球をしっかりと目で追いながら一塁へ走った。左前安打で2人の走者がホームを駆け抜け、スコアボードの2回裏に「3」の数字が刻まれた。公式戦初打席で初安打初打点を記録した喜多は「結果を残せてよかった」と記念すべき打席を振り返る。 「喜多は公式戦初打席でも物怖じせずによく打ったと思います。序盤に3点入ったのは大きかった」 初芝清監督がそう振り返るように、大きなアドバンテージを手にしたチームはその後も主導権を握り続けた。投げては、先発の松永大介が3イニングスを1安打無四球5奪三振の力投で無失点。4回表からは1年目右腕の浦塚翔太がマウンドに上がる。右肘手術の影響で長らくリハビリに専念していた浦塚が投球練習を再開したのは最近のことだ。捕手を座らせてブルペンで投げ始めたのは、ほんの1週間前のことだった。それでも、この試合の最速は146キロ。4四死球と制球を乱したが、随所で潜在能力の高さを見せた。走者を出しながらも2イニングスを無失点に抑えた浦塚は、オープン戦も含めて社会人初登板のピッチングをこう振り返る。 「今日はストレートだけで勝負しました。実戦感覚がまだ戻っていない中で制球が乱れてしまったのは今後の課題。でも、個人としては始まったばかり。マウンドで投げられたことはよかったですし、これから徐々に状態を上げていきたいと思います」 新たな力が台頭する中、6回以降も小刻みな継投で相手に主導権を与えなかった投手陣。攻撃陣もまた、6回裏に途中出場の5番松延卓弥の犠飛で1点、7回裏には途中出場の8番神野達哉の右前安打を起点にチャンスを築き、2番谷澤恭平の左前適時打で1点を追加。九州三菱自動車を寄せつけなかった。5対2。危なげない試合展開でリーグ戦3連勝を手にしたチームは、新たなステージへ駒を進めた。 初芝監督はいう。 「今日の試合は、決勝トーナメントに向けて勢いをつけたい試合でした。若い選手の起用、そして戦術面でもいろいろと試す中でリーグ戦を勝利で終えることができたのはよかったと思います」 手にした勢いと、日に日に蓄えている真の力が融合すれば、決勝トーナメントでも大きな成果を掴むことができるはずだ。 5月11日。まずは、準決勝に挑む。 (文・写真:佐々木亨) 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
物怖じしないスイングが、チームに勢いをもたらした。
2回裏。5番佐藤貴穂の左前安打、7番大久保泰成の右中間への二塁打で一死二、三塁とすると、8番坂本一将の中前安打でまずは先制点を奪った。なおも攻め続けるチームは、坂本が盗塁を決めて再び一死二、三塁の場面を築く。ここで打席に立つは、指名打者の9番喜多亮太。入社1年目の18歳は、公式戦初打席を迎えて緊張していた。
「これまでオープン戦では2回ぐらい打席に立ちましたが、公式戦の出場は初めてでした。バックスクリーンに自分の名前が表示されているのが不思議な感じでしたね」
公式戦での打席は、高校3年の夏以来。約10ヵ月ぶりに味わうその感覚に、「久しぶり過ぎて緊張した」という。だが、敦賀気比高校時代から好打者として知られた喜多が、緊張を解き放つまでそれほど時間は必要なかった。
「1ボールからのファーストストライクをファールできて緊張がほぐれました。同時に、何となく打てそうな感じがしました」
3球目はストライク。4球目はファール。5球目がボール球となって、カウントは2ボール2ストライクとなった。迎えた6球目。「たぶんスライダーだったと思う」と振り返る変化球を巧みなバットコントロールでとらえた喜多は、三遊間を抜けていく打球をしっかりと目で追いながら一塁へ走った。左前安打で2人の走者がホームを駆け抜け、スコアボードの2回裏に「3」の数字が刻まれた。公式戦初打席で初安打初打点を記録した喜多は「結果を残せてよかった」と記念すべき打席を振り返る。
「喜多は公式戦初打席でも物怖じせずによく打ったと思います。序盤に3点入ったのは大きかった」
初芝清監督がそう振り返るように、大きなアドバンテージを手にしたチームはその後も主導権を握り続けた。投げては、先発の松永大介が3イニングスを1安打無四球5奪三振の力投で無失点。4回表からは1年目右腕の浦塚翔太がマウンドに上がる。右肘手術の影響で長らくリハビリに専念していた浦塚が投球練習を再開したのは最近のことだ。捕手を座らせてブルペンで投げ始めたのは、ほんの1週間前のことだった。それでも、この試合の最速は146キロ。4四死球と制球を乱したが、随所で潜在能力の高さを見せた。走者を出しながらも2イニングスを無失点に抑えた浦塚は、オープン戦も含めて社会人初登板のピッチングをこう振り返る。
「今日はストレートだけで勝負しました。実戦感覚がまだ戻っていない中で制球が乱れてしまったのは今後の課題。でも、個人としては始まったばかり。マウンドで投げられたことはよかったですし、これから徐々に状態を上げていきたいと思います」
新たな力が台頭する中、6回以降も小刻みな継投で相手に主導権を与えなかった投手陣。攻撃陣もまた、6回裏に途中出場の5番松延卓弥の犠飛で1点、7回裏には途中出場の8番神野達哉の右前安打を起点にチャンスを築き、2番谷澤恭平の左前適時打で1点を追加。九州三菱自動車を寄せつけなかった。5対2。危なげない試合展開でリーグ戦3連勝を手にしたチームは、新たなステージへ駒を進めた。
初芝監督はいう。
「今日の試合は、決勝トーナメントに向けて勢いをつけたい試合でした。若い選手の起用、そして戦術面でもいろいろと試す中でリーグ戦を勝利で終えることができたのはよかったと思います」
手にした勢いと、日に日に蓄えている真の力が融合すれば、決勝トーナメントでも大きな成果を掴むことができるはずだ。
5月11日。まずは、準決勝に挑む。
(文・写真:佐々木亨)