• TEAM T
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • R
  • H
  • E
  • GOLD’S GYM
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 2
  • 0
  • 1
  • 3
  • 0
  • 0
  • セガサミー
  • 0
  • 0
  • 0
  • 2
  • 0
  • 1
  • 2
  • 0
  • x
  • 5
  • 0
  • 0

BATTERY

木村-乗替

戦評COMMENT

先発の木村佳吾は、試合前にイメージしていたピッチングプランを変更した。
「初めは打者のアウトコース低めに丁寧に投げようと思っていました。でも、実際にマウンドに立ってみると相手のスイングが鋭くて、途中からインコースもしっかりと使うようにしました」
振れている――。初安打を浴びた2回表に続き、3回表に連打を食らった木村は、結果的に無失点に抑えたが相手打線の脅威を感じた。
今予選を象徴するかのように、拙攻続きの攻撃陣の姿が、余計に相手打線の力強さを印象付けた。1回裏は3四球で一死満塁とチャンスをもらったが、5番照屋真人の併殺打で無得点。2回裏は、二死から8番坂本一将がショートへの内野安打で出塁したが、二盗に失敗して再び先制のチャンスを逃した。序盤3イニングスを終わって散発2安打の無得点。「振れている」相手打線とは対照的に、湿りがちな攻撃が目立った。
そんな中、重苦しい空気を振り払い、意地を見せたのは4回裏だ。まずはイニングの先頭となった4番川端裕也が右前安打。今予選初スタメンとなった29歳の気持ちのこもった一打だった。5番照屋のセカンドゴロが野手の失策を誘い一、二塁、さらに6番谷澤恭平の犠打で二死二、三塁と攻め立てた。このチャンスで、7番富田裕貴のバットがアウトコースのボール球をとらえる。
スクイズ――。三塁走者の川端がホームを陥れて、待望の1点が入った。試合後、初芝清監督は先制の場面をこう振り返った。
「まずは先に点を取らないと、守備側で選手たちがガチガチになる。絶対に1点が欲しい場面だったので泥臭く点を取りにいきました」
なおも二死三塁で、8番坂本が中前へ適時打を放って加点。点差を2点に広げた。
6回裏には、5番照屋の四球を起点に一死三塁とすると、7番富田が左前安打を放って加点。マウンドの木村は我慢のピッチングを続け、中盤まで無失点。7回に両チームのスコアボードに2点ずつが加わる中、試合は最終回を迎えた。
9回表、木村は簡単に二死を奪った。だが、後続の打者に連続二塁打を浴びて1点を返された。なおも走者二塁。ホームランで同点となるピンチの場面だ。それでも、最後は木村のピッチングが勝り、2番打者をサードゴロに討ち取りゲームセット。辛くも勝利した。
初芝監督が試合を振り返る。
「相手は力があるチームだとわかっていたので、試合の入りから気を引き締めて戦いましたが、やはり都市対抗予選ですね。簡単にはいかない。改めて予選の厳しさを感じました。だからこそ、きれいな野球はいらない。これからも、泥臭く戦っていくだけです」
泥臭く――。その言葉は今、チームにとって大きなテーマだ。きれいなヒットはいらない。きれいな三振もいらない。負けられない試合が続く中、最後は勝利への執念がカギを握る。
(文・写真:佐々木亨)