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BATTERY

横田、上津原-佐藤、乗替

戦評COMMENT

18時55分。
試合は予定より25分遅れで始まった。時間のズレに多少の戸惑いと、慌しさはあっただろうか。それでも、先発の横田哲は落ち着いていた。
1回表、新人左腕は先頭打者をファーストゴロに討ち取り、まずは一死を奪う。続く2番打者に四球を与え、二死から盗塁を決められて得点圏に走者を置いたが、4番打者をサードゴロに討ち取り無失点で切り抜けた。初安打を浴びた2回表、さらに3回表も無失点に抑えた横田に、エースの風格さえ感じた。
序盤に生まれたリズム。攻撃陣が横田の好投に応えたのは3回裏だった。一死後、8番谷澤恭平がチーム初安打となる中前安打を放って攻撃の糸口を掴む。二死後、1番政野寛明が二塁への内野安打を放ち、さらに二塁手の失策が重なって二、三塁。絶好の先制の場面を築く。だが、2番宮之原裕樹がショートゴロに倒れて無得点。チャンスが潰えた。4回裏も、二死から5番照屋真人の中前安打、6番佐藤貴穂の左前安打、さらに7番富田裕貴の内野安打で満塁。だが、8番谷澤がファーストゴロに倒れて再び決定打を欠いた。
攻めきれない。だが、それは相手も同じだった。5回表、横田が中前安打を浴びて一死一塁とされるが、一塁走者の二盗を捕手・佐藤が防いで二死。直後に8番打者に左越え二塁打を浴びたが、そのピンチは横田が凌いで相手に得点を許さなかった。
7回表も攻められた。内野安打とサード後方にポトリと落ちる二塁打で二死二、三塁とされてピンチを迎える。だが、そこでも最後は横田のピッチングが勝った。9番打者を鋭く落ちる変化球で空振り三振に仕留める。要所で相手をねじ伏せた。女房役の佐藤が、横田のピッチングを振り返る。
「調子としてはそれほどよくなかったと思いますが、よく耐えてくれました」
7回5安打無失点。粘投を続けた横田は、両チーム無得点が続いた熱戦での主役の一人となった。
8回表からのマウンドは、右腕・上津原詳が守り抜いた。5回以降、攻撃陣が無安打での三者凡退を続ける中、8、9回と無失点に抑える。
開始から2時間32分が経過した21時27分。
ついに延長戦に突入したマウンドでも、上津原はホームを許さなかった。延長10回、11回、12回……。疲労が蓄積していく中で、右腕は我慢のピッチングを続けた。
だが、迎えた延長13回表。一死から、10回表以来のヒット(中前安打)を許して走者を背負う。続く1番打者の打球はセカンドゴロ。「併殺打!」。そう思った矢先、二塁手の江藤圭樹が痛恨の失策(二塁への悪送球)。ピンチは一、二塁と広がった。
江藤は責められない。打球は一、二塁間を抜けてもおかしくない難しいアタリだった。結果的に失策が記録されたが、ギリギリのプレー、紙一重のプレーだった。もちろん、上津原もわかっていた。気持ちを切り替えたはずだった。だが……。
続く左打席に立つ代打に初球を右前に運ばれ、ついに1点を失った。さらに、併殺崩れの間に1点を献上。スコアボードに「2」を刻まれた。
延長13回裏は、連続三振であっという間に二死となった。そして、迎えた最後の瞬間。
22時37分。
途中出場の2番澤良木喬之が二塁ゴロに倒れ、試合は終わった。
3時間42分の激闘だった。グラウンドを引き揚げる選手たちは疲労に包まれていた。神宮球場をあとにする時には、すでに時計の針が23時を回っていた。だが、これで終わりではない。戦いは続く。泣いても笑っても、代表権獲得のチャンスは残り2回。
この試合で見せた勝利への執念が消えない限り、彼らはきっと最後の「1勝」を掴み取ってくれるはずだ。
(文・写真:佐々木亨)