• TEAM T
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • R
  • H
  • E
  • セガサミー
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 1
  • 0
  • 0
  • 1
  • 0
  • 0
  • NTT東日本
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 1
  • 0
  • 5
  • x
  • 6
  • 0
  • 0

BATTERY

山崎、前原、松永-佐藤

戦評COMMENT

悔しさだけが残った都市対抗本大会から約1ヵ月、シーズン後半の公式戦が始まった。うだるような暑さは、8月後半になっても一向に衰えない。グラウンドレベルで言えば、気温は優に40度は超える灼熱だ。そのマウンドで、暑さに負けない粘り強いピッチングを見せたのが先発の山崎福之だった。
1回裏、左腕はいきなり先頭打者に左前安打を浴びた。だが、続く2番打者を併殺打に討ち取り相手のチャンスの芽を摘む。3番打者は一塁へのファールフライ。無失点で切り抜けた。2回裏も先頭打者に内野安打で出塁を許すが、女房役・佐藤貴穂の一塁への牽制なども決まり再びピンチを絶つ。3回裏は連打や盗塁などで二死二、三塁と攻め込まれるが、この回も「最後の一手」を許さずに無失点で切り抜けた。その後もスコアボードに「0」を並べた左腕。結局、5回を投げて被安打5の無失点。無四球という安定した制球力で、NTT東日本に点を与えなかった。
「都市対抗以降、先発のチャンスをもらっていたので何とか結果を出したかった。(都市対抗以降の)夏場のオープン戦ではカーブが良くて、その結果、スライダーやチェンジアップも活きてきた。今日の試合でも、オープン戦同様のピッチングができたと思います」
変化球をピッチングの軸にした山崎がゲームを作る。攻撃陣もその良い流れに乗りたいところだったが、同じように前半は「0」行進を続けた。
試合が動いたのは、6回裏だった。2番手で登板した右下手投げの前原侑宜が単打を重ねられて1点を失う。それでも、直後の7回表。攻撃陣が意地を見せる。一死から代打・大月将平が突破口を開く。初球のストレートを豪快に空振りした大月は「タイミングが合っていない」と思った。1ボール2ストライクからの4球目。大月のバットがとらえたのはチェンジアップだった。打球は大きな弧を描いて左中間へ。二塁ベース上で、大月ははにかんだ。
「公式戦での初ヒット。何とか打ててよかったです」
一死二塁。ここで2番谷澤恭平が初球を右翼線に運ぶ二塁打を放ち、すかさず同点となった。
流れはよかった。だが、8回裏。この回からマウンドに上がった松永大介が炎上する。一死からNTT東日本の1番打者に右越えのランニングホームランを浴びて勝ち越しを許す。その一打で完全に気落ちした松永は、後続に二塁打を浴び、さらに2つの四球を与えて満塁と攻め立てられる。そのピンチで、6番打者に124キロの甘く入ったフォークを右翼フェンスまで運ばれる。クッションボールが外野を転々とする中、打者走者は一気にホームへ。満塁弾となるランニングホームランとなり、この回一挙に相手のスコアボードに「5」が刻まれた。1イニングで2本のランニングホームランを浴びたチームに、逆転できるだけの余力は残っていなかった。9回表は、2つの見逃し三振を含む三者凡退。終盤一気に突き放されたチームは、後半戦初となる公式戦を白星で飾ることはできなかった。
試合後の選手たちは一様に肩を落としていた。ミーティングでは、初芝清監督の厳しい言葉が飛ぶ。
「(点を)取れる時に取れないと、こういう展開になる。まだまだウチは弱いということ」
その言葉は、選手たちにどう響いただろうか。現実を受け止め、その悔しさを力に換えることができれば、必ずや道は切り開かれていくはずだ。
(文・写真:佐々木亨)