• TEAM T
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • R
  • H
  • E
  • セガサミー
  • 2
  • 0
  • 0
  • 0
  • 1
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 3
  • 0
  • 0
  • 新日鐵住金鹿島
  • 0
  • 0
  • 1
  • 2
  • 0
  • 2
  • 0
  • 1
  • x
  • 6
  • 0
  • 0

BATTERY

横田、上津原、木村-佐藤、喜多

HOMERUN

川端(1回2ラン)

戦評COMMENT

立ち上がりに、「勝利」の二文字が頭を過ぎった。
1回表、1番・政野寛明と2番・谷澤恭平が連続三振。だが、続く3番・江藤圭樹が技ありの左前安打を放ってチャンスを築く。二死一塁。ここで4番・川端裕也が、カウント1ボール1ストライクからの3球目、139キロのストレートに反応した。
「サインはランエンドヒット。何とか打つことができました」(川端)
打球が高々と上空に舞う。相手の右翼手が後方に下がり、そして諦めた。右翼スタンドに飛び込む2ラン本塁打。チームに勢いをもたらす先制弾だった。
早々に主導権を握る中、その裏の先発マウンドに横田哲が登る。左腕は先頭打者に、フルカウントから打球を二遊間に運ばれる。だが、センターに抜けるかと思われたその打球を、遊撃手の坂本一将が軽快にさばいて一死を奪う。2番打者もショートゴロ。3番打者はセカンドゴロに討ち取り、1回裏は3つのゴロで三者凡退に。その立ち上がりは、「打たせて取るピッチング」を身上とする横田にとって、理想的な内容だった。
だが、3回裏。横田が先頭打者への四球を皮切りに二、三塁のピンチを背負うと、二死から右前へ適時打を浴びる。点差は1点。さらに4回裏、先頭打者をヒットと野手の失策で二塁に進められると、4番打者に一塁強襲の同点打を浴びた。なおも二死三塁とピンチを背負う中、7番打者には中前への勝ち越し適時打を浴びる。結果的に同点打となった一塁強襲安打は、一塁手・谷澤の前で打球のバウンドが変わった影響で生まれたもの。また、勝ち越し打は、遊撃手・坂本と中堅手・富田裕貴の間にポトリと落ちる、言わば「討ち取った」打球だった。アンラッキーとも言える2本の適時打。だが、それも含めて野球だ。4回裏の失点で、試合の行方を大きく変わった。
5回表に7番・富田、8番・宮之原裕樹、9番・坂本の3連打で同点としたが、迎えた6回裏。2番手として5回途中からマウンドに上がっていた上津原詳が単打3本で2点を失い、勝ち越しを許す。さらに、8回裏には3番手の木村佳吾が一死一、三塁から9番打者に中前適時打を浴びて1失点。点差を3点に広げられた。
打線は6回表から三者凡退を繰り返した。ヒットが生まれない。一人の走者も出せないまま、9回表の攻撃を迎える。代打・神野達哉がライトフライ、3番・江藤がセカンドゴロに倒れて二死。そして、最後は4番・川端の痛烈な打球を新日鐵住金鹿島の遊撃手に好捕されて、試合は終わった。投手陣は15安打で6点を失った。一方、攻撃陣は7安打で3点しか奪えなかった。投手陣が崩れ、そして逆境を跳ね返せなかった攻撃陣の不振。その内容は、厳しさだけが残った。
都市対抗本大会を終えてから、チームは暗いトンネルを彷徨っている。オープン戦を含めれば、10試合で4勝。ただ、その4つの勝ち星も大学とのオープン戦で手にしたものだ。
苦しい時期を乗り越えてこそ、チームは強くなる。今は、ただただそう願うしかない。
4番を務める川端は言う。
「とにかく、やるしかない」
その言葉が結果につながることを、信じたい。
(文・写真:佐々木亨)