HOME 試合情報 試合結果 第2戦 試合日程・結果 2015.04.07 [Tue] 第44回JABA四国大会第2戦 vs アークバリア 四国コカ・コーラボトリングスタジアム丸亀 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 R H E セガサミー セ 0 0 2 3 1 3 0 9 0 0 アークバリア ア 1 0 0 0 0 0 0 1 0 0 BATTERY 陶久、木村-喜多 HOMERUN 高島(3回ソロ) 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT イニングを追うごとに記憶が蘇った。一歩ずつ確実に、先発の陶久亮太は忘れかけていた感覚を取り戻していった。 昨シーズンの陶久は、春先からの故障で1年を通してマウンドに上がることがなかった。復活を目指す今シーズン。3年目右腕は中継ぎからスタートし、3月31日のオープン戦(関メディベースボール学院戦)で久しぶりの先発マウンドを経験した。迎えたアークバリア戦。陶久は、公式戦では一昨年(2013年)の9月26日に行なわれた関東選抜リーグの明治安田生命戦以来、約1年半ぶりに先発マウンドに上がった。 1回裏は先頭打者の左越え二塁打、3番打者のライト前ヒットで一、三塁とピンチを迎え、4番打者のサードゴロの間に1点を失った。その時点では、地に足が着いていない様子だった。だが2回以降、そのピッチングは徐々に変わっていった。 三者凡退に抑えた2回裏と3回裏は「制球にバラつきがありながらも、しっかりと投げられた」。そして、先頭打者をセカンドゴロに討ち取り、続く4番打者と5番打者を2者連続三振に仕留めた4回裏。陶久は確かな手ごたえを感じた。 「4回裏は良い意味で力が抜けて、イメージ通りのコースに投げられました。ボールに対する指のかかりもよくて、内容的にはそのイニングが一番よかった。かつての感覚というか、本来のピッチングの感覚を掴んだ感じでした」 澤良木喬之選手の実兄でもあるアークバリアの5番打者・澤良木宏輔選手から空振り三振を奪った場面では、自己最速となる149キロを記録。伸びのあるストレートが、陶久の「手ごたえ」を象徴していた。 結局、6回裏まで投げ切った右腕は5安打1失点で公式戦では久しぶりとなる先発の役目を終えた。 「昨日(JR西日本戦)の良い流れを止めたくなかった。その役割は果たせたと思います。自分自身にとっても今日のマウンドは大きかった。このピッチングを一つのきっかけにして、これからの試合でもしっかりと投げたいと思います」 完全復活の兆しを見せた陶久。そのピッチングを後押ししたのは11安打で9点を挙げた攻撃陣だった。 打線爆発のきっかけは1点を追う3回表、イニングの先頭打者となった8番高島秀伍の一発だった。1ボールからの2球目、143キロのストレートをとらえた打球は上空に高々と舞い、左翼席に飛び込んだ。高島が同点弾を振り返る。 「何とか試合の流れを変えたかった。ファーストストライクから積極的に振っていこうと思っていました」 確かに、その一撃で試合の空気は変わった。佐藤俊和コーチは言う。 「1回表に1番坂本(一将)が二塁打で出塁して、2番喜多(亮太)の犠打で一死三塁。その先制のチャンスを2者連続三振で逃しました。点を取るべきところで取れなかったその嫌な流れが、結局は1回裏の1失点につながってしまったと思います。2回表は3者連続三振で、1回表から数えて5者連続三振と嫌な流れは続きました。そんな中での高島の一発。あのホームランがなければ、その後の展開はなかったかもしれない」 試合を振り出しに戻した直後、9番大久保泰成が右中間を破る三塁打を放ち、さらにチームの勢いは加速した。そのチャンスで1番坂本がきっちりとライト前ヒットを放ち、一気に勝ち越しに成功した。 4回表は二死走者なしからの猛攻だった。6番松延卓弥の左中間へのヒットと7番富田裕貴の死球で一、二塁。ここで再び8番高島がセンター前へ適時打を放つ。さらに二死二、三塁から9番大久保がセカンド後方に落ちるタイムリー二塁打を放ち、点差を4点に広げた。5回表には2番喜多の左中間への二塁打を皮切りに、3番江藤圭樹の犠飛で6点目。6回表には4四死球と長短打2本で3点を奪い、勝利を決定的なものにした。 終わってみれば、7回コールドゲームの完勝。 投打に力強さを見せたチームは、リーグ戦2連勝を手にした。 (文・写真:佐々木亨) 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
イニングを追うごとに記憶が蘇った。一歩ずつ確実に、先発の陶久亮太は忘れかけていた感覚を取り戻していった。
昨シーズンの陶久は、春先からの故障で1年を通してマウンドに上がることがなかった。復活を目指す今シーズン。3年目右腕は中継ぎからスタートし、3月31日のオープン戦(関メディベースボール学院戦)で久しぶりの先発マウンドを経験した。迎えたアークバリア戦。陶久は、公式戦では一昨年(2013年)の9月26日に行なわれた関東選抜リーグの明治安田生命戦以来、約1年半ぶりに先発マウンドに上がった。
1回裏は先頭打者の左越え二塁打、3番打者のライト前ヒットで一、三塁とピンチを迎え、4番打者のサードゴロの間に1点を失った。その時点では、地に足が着いていない様子だった。だが2回以降、そのピッチングは徐々に変わっていった。
三者凡退に抑えた2回裏と3回裏は「制球にバラつきがありながらも、しっかりと投げられた」。そして、先頭打者をセカンドゴロに討ち取り、続く4番打者と5番打者を2者連続三振に仕留めた4回裏。陶久は確かな手ごたえを感じた。
「4回裏は良い意味で力が抜けて、イメージ通りのコースに投げられました。ボールに対する指のかかりもよくて、内容的にはそのイニングが一番よかった。かつての感覚というか、本来のピッチングの感覚を掴んだ感じでした」
澤良木喬之選手の実兄でもあるアークバリアの5番打者・澤良木宏輔選手から空振り三振を奪った場面では、自己最速となる149キロを記録。伸びのあるストレートが、陶久の「手ごたえ」を象徴していた。
結局、6回裏まで投げ切った右腕は5安打1失点で公式戦では久しぶりとなる先発の役目を終えた。
「昨日(JR西日本戦)の良い流れを止めたくなかった。その役割は果たせたと思います。自分自身にとっても今日のマウンドは大きかった。このピッチングを一つのきっかけにして、これからの試合でもしっかりと投げたいと思います」
完全復活の兆しを見せた陶久。そのピッチングを後押ししたのは11安打で9点を挙げた攻撃陣だった。
打線爆発のきっかけは1点を追う3回表、イニングの先頭打者となった8番高島秀伍の一発だった。1ボールからの2球目、143キロのストレートをとらえた打球は上空に高々と舞い、左翼席に飛び込んだ。高島が同点弾を振り返る。
「何とか試合の流れを変えたかった。ファーストストライクから積極的に振っていこうと思っていました」
確かに、その一撃で試合の空気は変わった。佐藤俊和コーチは言う。
「1回表に1番坂本(一将)が二塁打で出塁して、2番喜多(亮太)の犠打で一死三塁。その先制のチャンスを2者連続三振で逃しました。点を取るべきところで取れなかったその嫌な流れが、結局は1回裏の1失点につながってしまったと思います。2回表は3者連続三振で、1回表から数えて5者連続三振と嫌な流れは続きました。そんな中での高島の一発。あのホームランがなければ、その後の展開はなかったかもしれない」
試合を振り出しに戻した直後、9番大久保泰成が右中間を破る三塁打を放ち、さらにチームの勢いは加速した。そのチャンスで1番坂本がきっちりとライト前ヒットを放ち、一気に勝ち越しに成功した。
4回表は二死走者なしからの猛攻だった。6番松延卓弥の左中間へのヒットと7番富田裕貴の死球で一、二塁。ここで再び8番高島がセンター前へ適時打を放つ。さらに二死二、三塁から9番大久保がセカンド後方に落ちるタイムリー二塁打を放ち、点差を4点に広げた。5回表には2番喜多の左中間への二塁打を皮切りに、3番江藤圭樹の犠飛で6点目。6回表には4四死球と長短打2本で3点を奪い、勝利を決定的なものにした。
終わってみれば、7回コールドゲームの完勝。
投打に力強さを見せたチームは、リーグ戦2連勝を手にした。
(文・写真:佐々木亨)