HOME 試合情報 試合結果 敗者復活1回戦 試合日程・結果 2015.05.28 [Thu] 第86回都市対抗野球大会 東京都二次予選敗者復活1回戦 vs THINKフィットネス・GOLD’S GYMベースボールクラブ 大田スタジアム 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E セガサミー セ 3 0 0 1 0 0 0 0 0 4 0 0 THINKフィットネス・GOLD’S GYMベースボールクラブ T 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 0 0 BATTERY 横田、前原-佐藤 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 試合直前の大田スタジアムに「先発・横田」がコールされた。 前日の東京ガス戦でも先発した左腕。連日の先発起用について、初芝清監督は言った。 「昨日、長いイニングを投げたわけではないですしね(3回途中で降板)。何よりも昨日の借りを返す。それぐらいの責任感を横田には持ってもらいたいと思って先発を託しました」 試合前のブルペンでは「力みがあった」という横田哲は、試合に入ると一転、力みのない腕の振りで相手打線を手玉に取った。5回裏まではノーヒットピッチング。与えた四球は1回裏の1つだけ。得点圏に走者を進めない、ほぼ完璧なピッチングで無失点を続けた。 快投の裏には、打線の先制攻撃と再三の堅守があった。 1回表には、1番本間諒と2番喜多亮太の連打で築いたチャンスをきっかけに、相手バッテリーのミス(2つの暴投)と4番川端裕也の犠飛で3点を先制した。4回表は、選手間の意思疎通が貴重な追加点を生んだ。4番川端の二塁打を足がかりに二死三塁。7番富田裕貴のセーフティバント(記録は内野安打)で1点をもぎ取る。その場面、三塁走者の川端と打席の富田はアイコンタクトをとった。「富田のバントで奪った1点は試合展開を考えれば大きかった」と話す川端が言葉を加える。 「あのバントはノーサイン。富田の『(バントを)やります』みたいなアイコンタクトから感じ取り、僕はスタートを切りました。試合前からそういうプレーもあるということを富田と話していたんです。一瞬、僕のスタートは遅れましたが、互いに準備ができていたからこそ生まれたプレーだったと思います」 選手らは守備でも魅せた。2回裏は先頭打者のレフトへの打球を川端が快足を活かしてスライディングキャッチ。3回裏はセカンド後方に上がったフライを二塁手・江藤圭樹がジャンプ一番で好捕。さらに、4回裏にはセンターに抜けるかと思われた打球を遊撃手・坂本一将が素早い反応で好捕して一塁へ送球。いずれもヒット性の打球だった。 そんな野手陣の堅守と打線が挙げた4点が、先発・横田のピッチングを後押しした。 6回裏からは毎回ヒットを許して得点圏に走者を進められたが、要所を締めた左腕。8回裏までスコアボードに「0」を並べた。9回裏に二塁打2本で1点を失い完投こそ逃したが、これまで本来のピッチングができずに苦しんでいた横田にとっては収穫の多いマウンドになった。 「昨日の試合(東京ガス戦)で打たれたホームランは、力んだ結果。今日も試合前は力みがありましたが、試合に入ってからは『力を抜こう』と思って投げました。結果、そういう『脱力』のピッチングで無失点を続けられた。今日は長いイニングを投げられたこと、そしてバッター一人一人に集中して投げられたことがよかった。これまでは一つ一つのボールをどう投げようかと考え過ぎていたところがありましたが、今日はバッターと向き合い、組み立て(配球)をしっかりとイメージしながら投げることができました」 この試合では走塁ミスや、試合後半に見られた淡白な打撃で無得点に終わった攻撃力の乏しさなど、課題が多く残ったことも事実。だが、どんな形であろうとも、まずは今予選での初勝利を前向きにとらえることが重要だ。勝利の中にあった左腕エースの復調の兆しは、今後の戦いに向けて大きな収穫でもあったのだから。 横田はきっぱりと言う。 「もう大丈夫です」 自信を取り戻した左腕の顔は、何とも頼もしかった。 (文・写真:佐々木亨) 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
試合直前の大田スタジアムに「先発・横田」がコールされた。
前日の東京ガス戦でも先発した左腕。連日の先発起用について、初芝清監督は言った。
「昨日、長いイニングを投げたわけではないですしね(3回途中で降板)。何よりも昨日の借りを返す。それぐらいの責任感を横田には持ってもらいたいと思って先発を託しました」
試合前のブルペンでは「力みがあった」という横田哲は、試合に入ると一転、力みのない腕の振りで相手打線を手玉に取った。5回裏まではノーヒットピッチング。与えた四球は1回裏の1つだけ。得点圏に走者を進めない、ほぼ完璧なピッチングで無失点を続けた。
快投の裏には、打線の先制攻撃と再三の堅守があった。
1回表には、1番本間諒と2番喜多亮太の連打で築いたチャンスをきっかけに、相手バッテリーのミス(2つの暴投)と4番川端裕也の犠飛で3点を先制した。4回表は、選手間の意思疎通が貴重な追加点を生んだ。4番川端の二塁打を足がかりに二死三塁。7番富田裕貴のセーフティバント(記録は内野安打)で1点をもぎ取る。その場面、三塁走者の川端と打席の富田はアイコンタクトをとった。「富田のバントで奪った1点は試合展開を考えれば大きかった」と話す川端が言葉を加える。
「あのバントはノーサイン。富田の『(バントを)やります』みたいなアイコンタクトから感じ取り、僕はスタートを切りました。試合前からそういうプレーもあるということを富田と話していたんです。一瞬、僕のスタートは遅れましたが、互いに準備ができていたからこそ生まれたプレーだったと思います」
選手らは守備でも魅せた。2回裏は先頭打者のレフトへの打球を川端が快足を活かしてスライディングキャッチ。3回裏はセカンド後方に上がったフライを二塁手・江藤圭樹がジャンプ一番で好捕。さらに、4回裏にはセンターに抜けるかと思われた打球を遊撃手・坂本一将が素早い反応で好捕して一塁へ送球。いずれもヒット性の打球だった。
そんな野手陣の堅守と打線が挙げた4点が、先発・横田のピッチングを後押しした。
6回裏からは毎回ヒットを許して得点圏に走者を進められたが、要所を締めた左腕。8回裏までスコアボードに「0」を並べた。9回裏に二塁打2本で1点を失い完投こそ逃したが、これまで本来のピッチングができずに苦しんでいた横田にとっては収穫の多いマウンドになった。
「昨日の試合(東京ガス戦)で打たれたホームランは、力んだ結果。今日も試合前は力みがありましたが、試合に入ってからは『力を抜こう』と思って投げました。結果、そういう『脱力』のピッチングで無失点を続けられた。今日は長いイニングを投げられたこと、そしてバッター一人一人に集中して投げられたことがよかった。これまでは一つ一つのボールをどう投げようかと考え過ぎていたところがありましたが、今日はバッターと向き合い、組み立て(配球)をしっかりとイメージしながら投げることができました」
この試合では走塁ミスや、試合後半に見られた淡白な打撃で無得点に終わった攻撃力の乏しさなど、課題が多く残ったことも事実。だが、どんな形であろうとも、まずは今予選での初勝利を前向きにとらえることが重要だ。勝利の中にあった左腕エースの復調の兆しは、今後の戦いに向けて大きな収穫でもあったのだから。
横田はきっぱりと言う。
「もう大丈夫です」
自信を取り戻した左腕の顔は、何とも頼もしかった。
(文・写真:佐々木亨)