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BATTERY

森脇、横田-佐藤

戦評COMMENT

失策と盗塁で得点圏に走者を進められた1回表は、後続を討ち取り無失点で切り抜けた。2回表も無失点。ただ、一死から連打と暴投で二、三塁とされた先発・森脇亮介の内容には、一抹の不安が残った。3回表は二死からセンター前ヒットと死球で一、二塁のピンチ。そこでも無失点に抑えたが、本人曰く「序盤はあまりよくなかった」。
それでも右腕は粘り強く投げた。6回表までは5安打を浴びるも無失点。「試合を作る」ことが大きな役割である先発としては、十分なピッチングだったと言える。
森脇の粘投に打線が応えたのは6回裏だ。イニングの先頭となった2番政野寛明が初球を叩いて右越え二塁打でチャンスを築く。
「前の打席(1回裏の第一打席)で三振に倒れていましたし、とにかく初球から積極的にいこうと思っていました」
初球113キロのチェンジアップをとらえた二塁打は、チームの士気をグッと高めた。3番江藤圭樹は三塁線への絶妙なセーフティバント。内野安打となり一、三塁とすると、すかさず江藤が盗塁を決めて二、三塁。チャンスは拡大した。その好機で見せたのが、4番の澤良木喬之だ。2ボール2ストライクからインコース高めのストレートを右翼線へ力で運び二塁打。待望の2点がスコアボードに刻まれた。残すは3イニング。勝利は森脇に託された。
だが、先制した直後の終盤から右腕の粘りが薄れていく。7回表は一死から代打の9番打者に左中間への二塁打を浴びる。2ボールからの痛打だった。不利なカウントとなり、ストライクを取りにいった甘いボールをとらえられた。1番打者は2ストライクと追い込んだ。だが、今度は逆に優位なカウントから勝負を急いでしまっただろうか。3球目をセンター前に運ばれて1点を失った。8回表は長打2本での失点。左打席に立つ先頭打者に左越え二塁打。一死後、7番打者には左中間をゴロで転がっていく二塁打を浴びて同点とされた。2本目の長打は、本来なら単打で防げたかもしれない。打球は、遊撃手・坂本一将の右横を痛烈に抜けた。その一打に対して左翼手・政野の足が止まった。ホーム方向からの西日が影響した。夕陽と、その光がもたらす影。守備において不利な状況がいくつも重なり、政野は打球の行方を一瞬、見失ったのだ。反応の遅れが、結果的に二塁打を生んだ。
いずれにせよ、同点とされた森脇は9回表のマウンドにも上がったが、その右腕には力が残っていなかった。
「状態があまりよくなかったので序盤から力を入れて投げ過ぎました。その影響から、終盤はバテてしまった」
9回表、連打で一、三塁とされて降板。そのピンチでの登板は、2番手の左腕・横田哲には酷だったかもしれない。もちろん、左打者が続く相手打線、または横田の力量を考えればピンチをしのぐ可能性は十分にあった。だが、代わった直後のレフト前への適時打などで2失点。勝ち越しを許した。
9回裏は二死から代打・砂川哲平の二塁打、そして4番澤良木のこの試合2本目となる二塁打で1点を返した。その攻撃には粘り強さを感じた。だが、最後は力及ばず。僅差で敗れた試合後は、悔しさしか残らなかった。
(文・写真:佐々木亨)