HOME 試合情報 試合結果 3位決定戦 試合日程・結果 2016.03.24 [Thu] 2016年度JABA東京都企業春季大会3位決定戦 vs JR東日本 大田スタジアム 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E セガサミー セ 4 0 2 0 0 0 0 1 0 7 0 0 JR東日本 J 0 0 2 1 0 1 0 0 0 4 0 0 BATTERY 島津、鈴木、河原、松永-喜多 HOMERUN 澤良木(1回2ラン、8回ソロ) 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 冷たい雨を切り裂く快打の連発。序盤の猛攻が試合の流れを一気に引き寄せた。 1回表から打線が火を吹く。その始まりは、1番砂川哲平のライト前ヒットだった。追い込まれながらもファールで粘り、最後は快音を響かせた会心の一打。チームの士気は一気に高まった。その後、砂川の盗塁と3番本間諒の四球で一死一、二塁。絶好の先制の場面で打席に立ったのは、オープン戦を含めて今シーズン3試合目のスタメン出場となった4番松延卓弥。その初球だった。 「高めのカットボールでした。結果が出てよかった」 松延がそう振り返る一打が左中間を深々と破る。二塁走者の砂川に続き、一塁走者の本間もホームへ還って2点を先制した。 なおも一死二塁で、松延に負けじと豪快な一打を放ったのが5番澤良木喬之だ。136キロのストレートをとらえた打球は右翼席に突き刺さる豪快な2ラン本塁打となった。 「バットの先でとらえた打球でしたが、よく飛んでくれました」(澤良木) 中軸の勝負良さが光る中で手にした4点は、一塁側ベンチに大きな勢いをもたらした。 勢いは止まらない。3回表にはイニングの先頭となった2番神野達哉がセンター前ヒット。3番本間がレフト前ヒットで続き、さらに4番松延の死球で無死満塁とした。その好機で再び5番澤良木が価値ある一打を見せる。カウント2ボール2ストライクから、きっちりとレフトへ犠飛を放って1点を追加。さらに6番宮川和人が四球を選んで再び満塁とすると、今度は7番政野寛明がライト前へ適時打を放つ。各選手がそれぞれの持ち場できっちりと仕事をしながら積み重ねた6得点。強敵相手に見せた序盤の速攻劇は、勝利をグッと引き寄せるものだった。 攻撃陣が築いたリズムに乗って、先発の新人右腕・島津瑛向は序盤2イニングスを無失点に抑えた。四球や味方の失策で出塁を許すも、そのピンチを併殺で切り抜けて点を与えなかった。島津が振り返る。 「楽な気持ちで試合に入れました。2回表までは、併殺が欲しい場面できっちりと討ち取ることができましたし、思い通りのピッチングでした」 二死から四球をきっかけに2失点した3回裏、先頭打者にソロ本塁打を浴びた4回裏のピッチングこそ「力みがあった」と反省するが、先発として粘り強いピッチングを見せた。 5回裏からは小刻みな継投で序盤の大量点を守り抜いた。2番手の鈴木直志は四死球がありながらも2イニングスを1失点にまとめた。7回裏は3番手の河原龍平と4番手の松永大介の継投で無失点。8回裏と9回裏はともに満塁のピンチを迎えるが、松永が要所を締めて無失点。攻撃陣と同様に、投手陣もまた持ち場でそれぞれの力を発揮し、相手に一度も主導権を譲ることはなかった。 勝因は、序盤の攻撃力と4投手の粘投。加えて言えば、点差を縮められる中で挙げた8回表の「1点」も大きかった。価値ある1点は、5番澤良木のひと振りから生まれた。カウント3ボールからの4球目。139キロのストレートを完璧にとらえた打球が右中間スタンドに飛び込んで7点目が入る。澤良木自身、今大会通算3本目となるアーチは、相手に傾きかけていた嫌な流れを食い止める一発だった。澤良木は言う。 「今大会はリラックスして自分のバッティングができました。また、積極的にスイングができましたし、甘い球を一発で仕留める集中力もありました」 それはチーム全体にも言えることだろうか。今大会は1敗を喫したが、勝利した2戦はともに、攻撃では集中力を高めて力強く得点シーンを築き、投手陣はそれぞれの役割をきっちりとこなした印象だ。 その力をさらに充実させて、チームは4月のJABA日立大会に向かっていく。 文・写真:佐々木亨 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
冷たい雨を切り裂く快打の連発。序盤の猛攻が試合の流れを一気に引き寄せた。
1回表から打線が火を吹く。その始まりは、1番砂川哲平のライト前ヒットだった。追い込まれながらもファールで粘り、最後は快音を響かせた会心の一打。チームの士気は一気に高まった。その後、砂川の盗塁と3番本間諒の四球で一死一、二塁。絶好の先制の場面で打席に立ったのは、オープン戦を含めて今シーズン3試合目のスタメン出場となった4番松延卓弥。その初球だった。
「高めのカットボールでした。結果が出てよかった」
松延がそう振り返る一打が左中間を深々と破る。二塁走者の砂川に続き、一塁走者の本間もホームへ還って2点を先制した。
なおも一死二塁で、松延に負けじと豪快な一打を放ったのが5番澤良木喬之だ。136キロのストレートをとらえた打球は右翼席に突き刺さる豪快な2ラン本塁打となった。
「バットの先でとらえた打球でしたが、よく飛んでくれました」(澤良木)
中軸の勝負良さが光る中で手にした4点は、一塁側ベンチに大きな勢いをもたらした。
勢いは止まらない。3回表にはイニングの先頭となった2番神野達哉がセンター前ヒット。3番本間がレフト前ヒットで続き、さらに4番松延の死球で無死満塁とした。その好機で再び5番澤良木が価値ある一打を見せる。カウント2ボール2ストライクから、きっちりとレフトへ犠飛を放って1点を追加。さらに6番宮川和人が四球を選んで再び満塁とすると、今度は7番政野寛明がライト前へ適時打を放つ。各選手がそれぞれの持ち場できっちりと仕事をしながら積み重ねた6得点。強敵相手に見せた序盤の速攻劇は、勝利をグッと引き寄せるものだった。
攻撃陣が築いたリズムに乗って、先発の新人右腕・島津瑛向は序盤2イニングスを無失点に抑えた。四球や味方の失策で出塁を許すも、そのピンチを併殺で切り抜けて点を与えなかった。島津が振り返る。
「楽な気持ちで試合に入れました。2回表までは、併殺が欲しい場面できっちりと討ち取ることができましたし、思い通りのピッチングでした」
二死から四球をきっかけに2失点した3回裏、先頭打者にソロ本塁打を浴びた4回裏のピッチングこそ「力みがあった」と反省するが、先発として粘り強いピッチングを見せた。
5回裏からは小刻みな継投で序盤の大量点を守り抜いた。2番手の鈴木直志は四死球がありながらも2イニングスを1失点にまとめた。7回裏は3番手の河原龍平と4番手の松永大介の継投で無失点。8回裏と9回裏はともに満塁のピンチを迎えるが、松永が要所を締めて無失点。攻撃陣と同様に、投手陣もまた持ち場でそれぞれの力を発揮し、相手に一度も主導権を譲ることはなかった。
勝因は、序盤の攻撃力と4投手の粘投。加えて言えば、点差を縮められる中で挙げた8回表の「1点」も大きかった。価値ある1点は、5番澤良木のひと振りから生まれた。カウント3ボールからの4球目。139キロのストレートを完璧にとらえた打球が右中間スタンドに飛び込んで7点目が入る。澤良木自身、今大会通算3本目となるアーチは、相手に傾きかけていた嫌な流れを食い止める一発だった。澤良木は言う。
「今大会はリラックスして自分のバッティングができました。また、積極的にスイングができましたし、甘い球を一発で仕留める集中力もありました」
それはチーム全体にも言えることだろうか。今大会は1敗を喫したが、勝利した2戦はともに、攻撃では集中力を高めて力強く得点シーンを築き、投手陣はそれぞれの役割をきっちりとこなした印象だ。
その力をさらに充実させて、チームは4月のJABA日立大会に向かっていく。
文・写真:佐々木亨