HOME 試合情報 試合結果 第2戦 試合日程・結果 2016.05.08 [Sun] 第47回JABA東北大会第2戦 vs 室蘭シャークス 仙台市民球場 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E セガサミー セ 0 1 0 0 2 0 3 1 0 7 0 0 室蘭シャークス 室 0 0 0 0 0 0 0 3 1 4 0 0 BATTERY 横田、石垣、河原、鈴木、松永-喜多 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 頼もしい左腕が帰ってきた。 横田哲。大車輪の活躍を見せた1年目から一変、2年目の昨年はシーズンを通して自身のピッチングを見失った。3年目となる今年も4月までは好不調の波に翻弄されていた。だがこの試合、先発として積み重ねていった一つ一つのアウトには、本来持つポテンシャルの高さが凝縮されていた。 立ち上がりから横田の左腕が冴え渡る。1回裏に続いて2回裏も三者凡退。そのピッチングで、特に際立ったのはストレートの勢いと質の高さだ。状態の良さが顕著に表れたのは3回裏。右打席に立つ先頭打者に対しては、カウント1ボール2ストライクから、最後は膝下にストレートを投げ込んで見逃し三振。同じく右打席の8番打者は、最後は見逃せば完全にボール球だったアウトコース高めのストレートで空振り三振。打者が思わずバットを出してしまうほどの力強い一球は、躍動する本来の姿そのものだった。 横田には打者を翻弄する変化球がある。緩いカーブに鋭いスライダー。そして、右打者に対しては「逃げていくボール」、左打者に対しては「食い込んでいくボール」である、彼の代名詞とも呼べるチェンジアップだ。昨年はその球種に頼り過ぎてしまい、その結果、相手打者に狙い打ちをされて思うようなピッチングができなかった。もちろん状況によっては、あらゆる変化球を多投する組み立てが功を奏するケースはある。その投球術は今も横田の持ち味の一つである。だが、そのピッチングにより深みを持たせるためにも、やはりストレートは大切だ。変化球を最大限に生かし、投球の幅を広げるためにも、ストレートをより磨く必要はあるだろうし、試合ではあくまでもストレート主体のピッチングで相手と対峙しなければいけないケースがある。 この試合での横田は、その意識が強かった。 「カウントを取る球、そして決め球と、どの球種もコントロールできたのはよかった。そのピッチングの中で、試合前からイメージしていた通りにストレートをしっかりと使えたことが好投の要因だったと思います」 中盤になっても、横田のピッチングは衰えなかった。結局、7回裏まで投げ切り、打たれたヒットはわずかに3本。8個の三振を積み重ねる中で無失点に抑えた。 「今年一番のピッチングでした。いや、昨年も含めて一番ですね。このピッチングをこれからも継続していきたい」 そう振り返る横田の快投が、攻撃陣に良いリズムをもたらしたのは言うまでもない。先制したのは2回表だ。8番喜多亮太のセンター前ヒットを皮切りに、9番政野寛明の左越え二塁打で1点を奪うと、5回表には一死一、三塁から4番本間諒にライト線二塁打が飛び出して2点を追加した。7回表には畳みかける攻撃だ。一死から5番赤堀大智がセンター前ヒット。続く6番澤良木喬之がライト線二塁打を放ち、一塁走者の赤堀が激走を見せて4点目。なおも二死一、二塁とチャンスが続く中で、途中出場の9番富田裕貴がセンター前へ適時打を放って5点目。さらに1番砂川哲平も同じくセンター前ヒットで続き、点差を6点に広げた。8回表にも押し出し四球で1点を追加したチームは、計7点を奪って勝利をほぼ手中に収めた。 満塁のチャンスを築きながら無得点に終わった1回表と6回表の攻撃。また、2番手以降の投手陣が四球絡みで4点を失いコールドゲームを逃した試合展開などは反省材料として残る。それでも、横田の復活劇と15安打で7点を奪った攻撃力は、これからの戦いにつながる財産。チームは決勝トーナメント進出を信じ、リーグ戦第3戦に向かう。 文・写真:佐々木亨 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
頼もしい左腕が帰ってきた。
横田哲。大車輪の活躍を見せた1年目から一変、2年目の昨年はシーズンを通して自身のピッチングを見失った。3年目となる今年も4月までは好不調の波に翻弄されていた。だがこの試合、先発として積み重ねていった一つ一つのアウトには、本来持つポテンシャルの高さが凝縮されていた。
立ち上がりから横田の左腕が冴え渡る。1回裏に続いて2回裏も三者凡退。そのピッチングで、特に際立ったのはストレートの勢いと質の高さだ。状態の良さが顕著に表れたのは3回裏。右打席に立つ先頭打者に対しては、カウント1ボール2ストライクから、最後は膝下にストレートを投げ込んで見逃し三振。同じく右打席の8番打者は、最後は見逃せば完全にボール球だったアウトコース高めのストレートで空振り三振。打者が思わずバットを出してしまうほどの力強い一球は、躍動する本来の姿そのものだった。
横田には打者を翻弄する変化球がある。緩いカーブに鋭いスライダー。そして、右打者に対しては「逃げていくボール」、左打者に対しては「食い込んでいくボール」である、彼の代名詞とも呼べるチェンジアップだ。昨年はその球種に頼り過ぎてしまい、その結果、相手打者に狙い打ちをされて思うようなピッチングができなかった。もちろん状況によっては、あらゆる変化球を多投する組み立てが功を奏するケースはある。その投球術は今も横田の持ち味の一つである。だが、そのピッチングにより深みを持たせるためにも、やはりストレートは大切だ。変化球を最大限に生かし、投球の幅を広げるためにも、ストレートをより磨く必要はあるだろうし、試合ではあくまでもストレート主体のピッチングで相手と対峙しなければいけないケースがある。
この試合での横田は、その意識が強かった。
「カウントを取る球、そして決め球と、どの球種もコントロールできたのはよかった。そのピッチングの中で、試合前からイメージしていた通りにストレートをしっかりと使えたことが好投の要因だったと思います」
中盤になっても、横田のピッチングは衰えなかった。結局、7回裏まで投げ切り、打たれたヒットはわずかに3本。8個の三振を積み重ねる中で無失点に抑えた。
「今年一番のピッチングでした。いや、昨年も含めて一番ですね。このピッチングをこれからも継続していきたい」
そう振り返る横田の快投が、攻撃陣に良いリズムをもたらしたのは言うまでもない。先制したのは2回表だ。8番喜多亮太のセンター前ヒットを皮切りに、9番政野寛明の左越え二塁打で1点を奪うと、5回表には一死一、三塁から4番本間諒にライト線二塁打が飛び出して2点を追加した。7回表には畳みかける攻撃だ。一死から5番赤堀大智がセンター前ヒット。続く6番澤良木喬之がライト線二塁打を放ち、一塁走者の赤堀が激走を見せて4点目。なおも二死一、二塁とチャンスが続く中で、途中出場の9番富田裕貴がセンター前へ適時打を放って5点目。さらに1番砂川哲平も同じくセンター前ヒットで続き、点差を6点に広げた。8回表にも押し出し四球で1点を追加したチームは、計7点を奪って勝利をほぼ手中に収めた。
満塁のチャンスを築きながら無得点に終わった1回表と6回表の攻撃。また、2番手以降の投手陣が四球絡みで4点を失いコールドゲームを逃した試合展開などは反省材料として残る。それでも、横田の復活劇と15安打で7点を奪った攻撃力は、これからの戦いにつながる財産。チームは決勝トーナメント進出を信じ、リーグ戦第3戦に向かう。
文・写真:佐々木亨