HOME 試合情報 試合結果 敗者復活2回戦 試合日程・結果 2016.05.28 [Sat] 第87回都市対抗野球大会 東京都二次予選敗者復活2回戦 vs 東京ガス 大田スタジアム 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E 東京ガス 東 0 1 0 0 1 0 0 0 0 2 0 0 セガサミー セ 0 0 0 1 0 0 0 0 0 1 0 0 BATTERY 横田、森脇-喜多 HOMERUN 本間(4回ソロ) 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 9回裏も二死となり、長らく味わうことがなかった「敗戦」が目の前に迫っていた。走者はいない。5番赤堀大智が初球をセンター前へ運び、その追い詰められた状況に希望の光が差し込んだのも一瞬のことだった。6番澤良木喬之はフルカウントまで粘った。だが、最後はアウトコースの変化球に、そのバットは空を切った。 無情な結末を回避するチャンスがなかったわけではない。初球のスライダーにうまく反応した4番本間諒に右翼スタンドへの同点ソロ本塁打が飛び出したのは4回裏のことだ。試合は前半。早々に試合を振り出しに戻した一発は、チームに勢いをもたらしたはずだった。再び1点を勝ち越されて迎えた5回裏も、先頭の7番根岸晃太郎がショートへの内野安打で出塁し、三塁側ベンチには勢いを感じた。だが、一塁走者の根岸が牽制球でタッチアウト。一瞬の隙がチャンスを奪った。 7回裏と8回裏も先頭打者が出塁したが、そこでも訪れたチャンスを活かし切れない。5番赤堀がライト前ヒットで出塁した7回裏は、6番澤良木が併殺打。8番喜多亮太がライト前ヒットで出塁した8回裏は、9番富田裕貴の犠打で得点圏に走者を進めたが、後続が倒れて無得点。一死満塁とされた6回表、または無死三塁とされた7回表。先発の横田哲と2番手の森脇亮介が、それぞれのイニングを苦しみながらも無失点に抑えていただけに、中盤から終盤にかけて三度訪れた「無死一塁」のチャンスを得点に結びつけることができなかった拙攻は悔やまれる。 その流れを作ってしまったのは、1回裏の攻撃だったかもしれない。左腕・横田が二死一、三塁のピンチを迎えた立ち上がりを無失点に抑えた直後、1番砂川哲平が右中間へ二塁打を放つ。2番神野達哉が犠打を決めて一死三塁。絶好の先制のチャンスを迎えた。だが、3番江藤圭樹が空振り三振。 「相手投手のスライダーをイメージしていましたが、最後はフォークボールでした」(江藤) そして、続く4番本間が四球を選んで一死一、三塁となり、打席に5番赤堀が立つ。 「相手投手はチェンジアップ系のボールが多いイメージでしたが、すべてストレート勝負でした」 そう振り返る赤堀のバットが、最後は139キロの内角ストレートに空を切り、先制のチャンスは潰えた。試合後の江藤と赤堀は、悔しさを滲ませながら口をそろえる。 「(敗因の一つは)初回の攻撃でしたね……」 今予選は、敗者復活1回戦(エスプライド鉄腕硬式野球部戦)以外はいずれも追いかける展開を強いられた。先取点が奪えない。その中で、同点には追いつくも、一気に勝ち越すことができない力不足も露呈した。その力を、最後まで補うことができずに終わった。 6年ぶりの予選敗退――。 6年前の悔しさを知る一人、チーム最年長の川端裕也は言う。 「僕が入社4年目の時に初めて予選敗退を経験しました。創部1年目に本大会出場を逃した悔しい経験を先輩方から話で聞いていましたが、実際に予選で負けた時は辛かった。その後の練習も本当に辛くて……。でも、その経験を経てチームは力をつけて来ました。だから、今回の予選敗退という経験もチームとして乗り越えていかなければいけない」 また、今年から再びセガサミーのユニフォームに袖を通し、4年ぶりに都市対抗予選を味わった赤堀は言う。 「選手たちは、ここ(都市対抗予選)に向けて準備をしてきました。でも、現実は厳しかった。負けたのは、チームの弱さ。突き抜ける力、または自分たちの野球をやりきる力がなかった。この現実をしっかりと受け止め、僕自身も含めて一人一人の意識を高めていかなければいけないと思います」 そして、入社4年目の主将・江藤はこう語る。 「完全に力負けです。僕自身、初めての都市対抗予選敗退となりましたが、これほどまでにきつく、辛いとは……。この悔しい経験を僕ら選手一人一人がどう感じ、そして今後のチームにどう活かしていくか。そのことを真剣に考え、これからの練習を取り組んで行きたいと思います」 当たり前のようにあった東京ドームでの戦い。今年はその舞台に立つことができない。長い夏は、チームに何をもたらすだろうか。本物の力を手にする挑戦は続く。 文・写真:佐々木亨 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
9回裏も二死となり、長らく味わうことがなかった「敗戦」が目の前に迫っていた。走者はいない。5番赤堀大智が初球をセンター前へ運び、その追い詰められた状況に希望の光が差し込んだのも一瞬のことだった。6番澤良木喬之はフルカウントまで粘った。だが、最後はアウトコースの変化球に、そのバットは空を切った。
無情な結末を回避するチャンスがなかったわけではない。初球のスライダーにうまく反応した4番本間諒に右翼スタンドへの同点ソロ本塁打が飛び出したのは4回裏のことだ。試合は前半。早々に試合を振り出しに戻した一発は、チームに勢いをもたらしたはずだった。再び1点を勝ち越されて迎えた5回裏も、先頭の7番根岸晃太郎がショートへの内野安打で出塁し、三塁側ベンチには勢いを感じた。だが、一塁走者の根岸が牽制球でタッチアウト。一瞬の隙がチャンスを奪った。
7回裏と8回裏も先頭打者が出塁したが、そこでも訪れたチャンスを活かし切れない。5番赤堀がライト前ヒットで出塁した7回裏は、6番澤良木が併殺打。8番喜多亮太がライト前ヒットで出塁した8回裏は、9番富田裕貴の犠打で得点圏に走者を進めたが、後続が倒れて無得点。一死満塁とされた6回表、または無死三塁とされた7回表。先発の横田哲と2番手の森脇亮介が、それぞれのイニングを苦しみながらも無失点に抑えていただけに、中盤から終盤にかけて三度訪れた「無死一塁」のチャンスを得点に結びつけることができなかった拙攻は悔やまれる。
その流れを作ってしまったのは、1回裏の攻撃だったかもしれない。左腕・横田が二死一、三塁のピンチを迎えた立ち上がりを無失点に抑えた直後、1番砂川哲平が右中間へ二塁打を放つ。2番神野達哉が犠打を決めて一死三塁。絶好の先制のチャンスを迎えた。だが、3番江藤圭樹が空振り三振。
「相手投手のスライダーをイメージしていましたが、最後はフォークボールでした」(江藤)
そして、続く4番本間が四球を選んで一死一、三塁となり、打席に5番赤堀が立つ。
「相手投手はチェンジアップ系のボールが多いイメージでしたが、すべてストレート勝負でした」
そう振り返る赤堀のバットが、最後は139キロの内角ストレートに空を切り、先制のチャンスは潰えた。試合後の江藤と赤堀は、悔しさを滲ませながら口をそろえる。
「(敗因の一つは)初回の攻撃でしたね……」
今予選は、敗者復活1回戦(エスプライド鉄腕硬式野球部戦)以外はいずれも追いかける展開を強いられた。先取点が奪えない。その中で、同点には追いつくも、一気に勝ち越すことができない力不足も露呈した。その力を、最後まで補うことができずに終わった。
6年ぶりの予選敗退――。
6年前の悔しさを知る一人、チーム最年長の川端裕也は言う。
「僕が入社4年目の時に初めて予選敗退を経験しました。創部1年目に本大会出場を逃した悔しい経験を先輩方から話で聞いていましたが、実際に予選で負けた時は辛かった。その後の練習も本当に辛くて……。でも、その経験を経てチームは力をつけて来ました。だから、今回の予選敗退という経験もチームとして乗り越えていかなければいけない」
また、今年から再びセガサミーのユニフォームに袖を通し、4年ぶりに都市対抗予選を味わった赤堀は言う。
「選手たちは、ここ(都市対抗予選)に向けて準備をしてきました。でも、現実は厳しかった。負けたのは、チームの弱さ。突き抜ける力、または自分たちの野球をやりきる力がなかった。この現実をしっかりと受け止め、僕自身も含めて一人一人の意識を高めていかなければいけないと思います」
そして、入社4年目の主将・江藤はこう語る。
「完全に力負けです。僕自身、初めての都市対抗予選敗退となりましたが、これほどまでにきつく、辛いとは……。この悔しい経験を僕ら選手一人一人がどう感じ、そして今後のチームにどう活かしていくか。そのことを真剣に考え、これからの練習を取り組んで行きたいと思います」
当たり前のようにあった東京ドームでの戦い。今年はその舞台に立つことができない。長い夏は、チームに何をもたらすだろうか。本物の力を手にする挑戦は続く。
文・写真:佐々木亨