HOME 試合情報 試合結果 3位決定戦 試合日程・結果 2016.08.30 [Tue] 2016年度JABA東京都企業秋季大会3位決定戦 vs JR東日本 大田スタジアム 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E セガサミー セ 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 JR東日本 J 1 1 2 0 0 0 0 2 x 6 0 0 BATTERY 井上、浦塚、鈴木、横田、松永-須田 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT まるで再現ドラマを見ているようだった。 先発は井上和紀。この試合のマウンドの“主役”も、2日前の準決勝と同じ左腕だった。1回裏、井上は2番打者に左翼席へ飛び込むソロ本塁打を浴びて先取点を奪われる。準決勝の1回裏も本塁打で先制された。「前の試合のリベンジ」に燃えていた左腕は、その思いが空回りして同じ轍を踏んだ。 2回裏は先頭の5番打者に右前安打を浴び、二死三塁となった直後、8番打者に適時打を浴びて1点を追加された。さらに3回裏は長短打3本で2失点。そのイニングを最後に、井上は6安打4失点でマウンドを降りた。 序盤に失点が続いた準決勝同様に主導権は早々に相手ベンチへ。攻撃で反撃に転じたいところだったが、この試合の打線には準決勝のような粘り強さがなかった。 1回表は1番砂川哲平が右前安打を放ち、2番須田凌平の犠打で得点圏に走者を進めた。「勢い」をつけるためにも、何としてでも得点したい場面だ。だが、3番赤堀大智、4番澤良木喬之の主軸がともに倒れて先制のチャンスを潰した。3回裏には二死から1番砂川が右前安打を放ってチャンスメイク。だが、そこでは盗塁失敗で得点圏に走者を進めることすらできなかった。 4回以降は、さらに打線が沈黙した。出塁したのは4回表と8回表だけ。しかも、ともに死球での出塁だ。ヒットすら生まれず、成す術がなかった。結局、チームとしてのヒットは、序盤に砂川が放った2本だけ。得点圏に走者が進んだのは、1回表のわずかに一度だけだった。 投打に完敗――。 8回裏には4番手の横田哲が2ラン本塁打を浴び、「コールドゲームでの敗戦」がチラついた試合は、そう表現せざるを得ない。 課題が山積みだった試合で、収穫と言えるのは3番手で登板した浦塚翔太と、4番手の鈴木直志のピッチングだったろうか。浦塚は4回裏からの2イニングスを無安打無失点に抑えた。もともとのオーバースローから、やや右肘を下げた投球フォームに変えたのは、つい最近のことだ。実戦で試したのは、この試合が初めてだった。浦塚は言う。 「まだまだフォームが安定していませんが、今日のピッチングをきっかけにこれからも頑張ります」 サイドに限りなく近いスリークォーターから放たれるスライダーに、打者のバットは空を切り、反応が遅れるシーンがいくつもあった。四球1つと制球も及第点のピッチングは、今後の希望と言える。浦塚の好投に引っ張られるように、鈴木もまた6回裏の2イニングスを無失点に抑えた。打たれたヒットは、わずかに1本。緩急をつけたピッチングが冴えて、走者を得点圏に進めることはなかった。 ただ、やはり全体的に見れば反省材料の多い試合だった。先発投手の序盤の失点。打線の淡白な攻撃。どれを取っても、克服しなければいけない点が多いのは明確だ。悔しさを、本物の力に換えなければ意味がない。関東選抜リーグ戦を経て、日本選手権の関東代表決定戦に向かうチーム。真価が問われる戦いは、もう目の前に迫っている。 文・写真:佐々木亨 前へ 1 次へ 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
まるで再現ドラマを見ているようだった。
先発は井上和紀。この試合のマウンドの“主役”も、2日前の準決勝と同じ左腕だった。1回裏、井上は2番打者に左翼席へ飛び込むソロ本塁打を浴びて先取点を奪われる。準決勝の1回裏も本塁打で先制された。「前の試合のリベンジ」に燃えていた左腕は、その思いが空回りして同じ轍を踏んだ。
2回裏は先頭の5番打者に右前安打を浴び、二死三塁となった直後、8番打者に適時打を浴びて1点を追加された。さらに3回裏は長短打3本で2失点。そのイニングを最後に、井上は6安打4失点でマウンドを降りた。
序盤に失点が続いた準決勝同様に主導権は早々に相手ベンチへ。攻撃で反撃に転じたいところだったが、この試合の打線には準決勝のような粘り強さがなかった。
1回表は1番砂川哲平が右前安打を放ち、2番須田凌平の犠打で得点圏に走者を進めた。「勢い」をつけるためにも、何としてでも得点したい場面だ。だが、3番赤堀大智、4番澤良木喬之の主軸がともに倒れて先制のチャンスを潰した。3回裏には二死から1番砂川が右前安打を放ってチャンスメイク。だが、そこでは盗塁失敗で得点圏に走者を進めることすらできなかった。
4回以降は、さらに打線が沈黙した。出塁したのは4回表と8回表だけ。しかも、ともに死球での出塁だ。ヒットすら生まれず、成す術がなかった。結局、チームとしてのヒットは、序盤に砂川が放った2本だけ。得点圏に走者が進んだのは、1回表のわずかに一度だけだった。
投打に完敗――。
8回裏には4番手の横田哲が2ラン本塁打を浴び、「コールドゲームでの敗戦」がチラついた試合は、そう表現せざるを得ない。
課題が山積みだった試合で、収穫と言えるのは3番手で登板した浦塚翔太と、4番手の鈴木直志のピッチングだったろうか。浦塚は4回裏からの2イニングスを無安打無失点に抑えた。もともとのオーバースローから、やや右肘を下げた投球フォームに変えたのは、つい最近のことだ。実戦で試したのは、この試合が初めてだった。浦塚は言う。
「まだまだフォームが安定していませんが、今日のピッチングをきっかけにこれからも頑張ります」
サイドに限りなく近いスリークォーターから放たれるスライダーに、打者のバットは空を切り、反応が遅れるシーンがいくつもあった。四球1つと制球も及第点のピッチングは、今後の希望と言える。浦塚の好投に引っ張られるように、鈴木もまた6回裏の2イニングスを無失点に抑えた。打たれたヒットは、わずかに1本。緩急をつけたピッチングが冴えて、走者を得点圏に進めることはなかった。
ただ、やはり全体的に見れば反省材料の多い試合だった。先発投手の序盤の失点。打線の淡白な攻撃。どれを取っても、克服しなければいけない点が多いのは明確だ。悔しさを、本物の力に換えなければ意味がない。関東選抜リーグ戦を経て、日本選手権の関東代表決定戦に向かうチーム。真価が問われる戦いは、もう目の前に迫っている。
文・写真:佐々木亨