HOME 試合情報 試合結果 準決勝 試合日程・結果 2017.05.25 [Thu] 13:00 第88回都市対抗野球大会 東京都二次予選準決勝 vs JR東日本 大田スタジアム 三塁側 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E セガサミー セ 0 1 0 0 0 0 0 0 0 1 9 JR東日本 J 0 0 0 1 0 0 4 0 x 5 10 BATTERY 横田、氏家、森脇、田中、井上-須田、喜多 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 本音を言えば、心が折れそうになった場面もあったという。それでも、先発の横田哲はJR東日本の強力打線に立ち向かっていった。 序盤3イニングスを投げ終えた時点での球数は55球。その数字が示す通り、決して楽なピッチングではなかった。1回裏は先頭打者にレフト前ヒットを浴び、犠打と四球で一死一、二塁。そのピンチは相手の4番打者をセカンドゴロに討ち取り併殺で切り抜けた。さらに3回裏には二死から連打と四球で満塁とされた。だが、そこでも再び4番打者をセカンドフライに討ち取り無失点に抑えた。 6回裏まで1失点。吉井憲治コーチは「やっぱり横田はエースですよ」と目を細める。苦しみながらも最小失点に抑えたピッチング。先発としてゲームを作った粘り強さが光った。 だが、横田自身は4回裏に失った「1点」を悔やむ。先頭打者に初球を三塁線へはじき返されて無死二塁。犠打で一死三塁とされた。点差は1点だ。2回表に6番赤堀大智のライト線への二塁打、その好機で飛び出した8番須田凌平の三遊間を抜けるタイムリーヒットで奪った1点を、横田は必死に守っていた。走者三塁から、相手の7番打者の打球が三遊間へ飛ぶ。そのピンチでは、遊撃手・根岸晃太郎の横っ飛びのダイレクトキャッチに救われた。だが、なおも続く走者三塁の場面で、8番打者にレフト線への二塁打を浴びて同点とされた。横田が振り返る。 「打たれた球はチェンジアップです。今日はストレートもよかったので、あの場面、ストレートで勝負に行ってもよかったかもしれません……」 さらに同点で迎えた終盤、横田は再び悔しさを味わうことになる。 先頭打者に右中間への二塁打を浴び、自らの犠打野選で無死一、三塁とされた7回裏だ。そのピンチで、横田は2番打者を1ボール2ストライクと追い込んだ。だが、4球目。インコースのストレートをレフト後方へ運ばれて手痛い2点を失ってしまう。横田は、勝ち越し打につながるピンチを自らのミスで広げたことを悔やむ。 「(無死二塁からの)送りバントで、きっちりと一塁でアウトにしていれば展開は違ったかもしれない」 試合は同点の終盤、1点も与えたくない場面だ。犠打捕球で三塁へ送球したプレーは、タイミング的にはセーフになる確率が高かったようにも見えた。だが、横田は勝負に出た。結果的にピンチを広げるプレーになってしまったが、「攻めた」横田の姿勢は否定できない。ただ、のちに本人も振り返るように、ほんのわずかでも冷静さがあれば、その後の展開、そしてピッチングは違ったものになったかもしれない。 冷静なプレーができなかったことを悔やむのは、捕手の須田も同じだ。 2点適時打となるレフト越え二塁打を浴びた場面。3球目、そして打たれた4球目と、同じインコースのストレートを続けた配球を悔やむのだ。 「4球目は一度、アウトコースの変化球を要求しましたが、結果的にインコースのストレートで勝負に行ってしまいました。その時は『哲さん、強気だな』と思いましたが、試合が終わって考えると、自分がもっと冷静になってリードをするべきだったと思います。確かにストレートはよかった。でも7回裏を迎えて、さすがの哲さんにも疲れが見えていました。そこをしっかりと見極め、判断して、冷静にリードすべきだったと思います。哲さんに何とか完封させてあげたかった……」 悔しさだけが残る7回裏は、さらに3番手の森脇亮介が押し出しの死球もありながら2点を奪われて計4失点。試合を決定づけられた。 紙一重の勝負だった。最後は4点差をつけられて敗れたが「あと一歩」「あの一球」の差だったと思う。だが、実力拮抗の戦い、都市対抗予選ではなおさら、その「一手」が勝負の分かれ道となる。攻撃陣は、JR東日本の好投手・田嶋大樹投手から9安打を放ったが1点止まり。1回表、3回表、5回表と先頭打者として3安打を放った1番砂川哲平の出塁を、一度も得点につなげられなかったことがもっとも悔やまれる。「あと1本、ヒットが出ていれば……」。その決定打不足を払拭することが、攻撃における今後の大きなポイントになる。 次戦は5月27日(土)の鷺宮製作所戦。まずはその一戦に、敗れた悔しさをぶつける。 (文・写真:佐々木亨) 前へ 1 次へ PHOTO GALLERY 一覧を見る 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
本音を言えば、心が折れそうになった場面もあったという。それでも、先発の横田哲はJR東日本の強力打線に立ち向かっていった。
序盤3イニングスを投げ終えた時点での球数は55球。その数字が示す通り、決して楽なピッチングではなかった。1回裏は先頭打者にレフト前ヒットを浴び、犠打と四球で一死一、二塁。そのピンチは相手の4番打者をセカンドゴロに討ち取り併殺で切り抜けた。さらに3回裏には二死から連打と四球で満塁とされた。だが、そこでも再び4番打者をセカンドフライに討ち取り無失点に抑えた。
6回裏まで1失点。吉井憲治コーチは「やっぱり横田はエースですよ」と目を細める。苦しみながらも最小失点に抑えたピッチング。先発としてゲームを作った粘り強さが光った。
だが、横田自身は4回裏に失った「1点」を悔やむ。先頭打者に初球を三塁線へはじき返されて無死二塁。犠打で一死三塁とされた。点差は1点だ。2回表に6番赤堀大智のライト線への二塁打、その好機で飛び出した8番須田凌平の三遊間を抜けるタイムリーヒットで奪った1点を、横田は必死に守っていた。走者三塁から、相手の7番打者の打球が三遊間へ飛ぶ。そのピンチでは、遊撃手・根岸晃太郎の横っ飛びのダイレクトキャッチに救われた。だが、なおも続く走者三塁の場面で、8番打者にレフト線への二塁打を浴びて同点とされた。横田が振り返る。
「打たれた球はチェンジアップです。今日はストレートもよかったので、あの場面、ストレートで勝負に行ってもよかったかもしれません……」
さらに同点で迎えた終盤、横田は再び悔しさを味わうことになる。
先頭打者に右中間への二塁打を浴び、自らの犠打野選で無死一、三塁とされた7回裏だ。そのピンチで、横田は2番打者を1ボール2ストライクと追い込んだ。だが、4球目。インコースのストレートをレフト後方へ運ばれて手痛い2点を失ってしまう。横田は、勝ち越し打につながるピンチを自らのミスで広げたことを悔やむ。
「(無死二塁からの)送りバントで、きっちりと一塁でアウトにしていれば展開は違ったかもしれない」
試合は同点の終盤、1点も与えたくない場面だ。犠打捕球で三塁へ送球したプレーは、タイミング的にはセーフになる確率が高かったようにも見えた。だが、横田は勝負に出た。結果的にピンチを広げるプレーになってしまったが、「攻めた」横田の姿勢は否定できない。ただ、のちに本人も振り返るように、ほんのわずかでも冷静さがあれば、その後の展開、そしてピッチングは違ったものになったかもしれない。
冷静なプレーができなかったことを悔やむのは、捕手の須田も同じだ。
2点適時打となるレフト越え二塁打を浴びた場面。3球目、そして打たれた4球目と、同じインコースのストレートを続けた配球を悔やむのだ。
「4球目は一度、アウトコースの変化球を要求しましたが、結果的にインコースのストレートで勝負に行ってしまいました。その時は『哲さん、強気だな』と思いましたが、試合が終わって考えると、自分がもっと冷静になってリードをするべきだったと思います。確かにストレートはよかった。でも7回裏を迎えて、さすがの哲さんにも疲れが見えていました。そこをしっかりと見極め、判断して、冷静にリードすべきだったと思います。哲さんに何とか完封させてあげたかった……」
悔しさだけが残る7回裏は、さらに3番手の森脇亮介が押し出しの死球もありながら2点を奪われて計4失点。試合を決定づけられた。
紙一重の勝負だった。最後は4点差をつけられて敗れたが「あと一歩」「あの一球」の差だったと思う。だが、実力拮抗の戦い、都市対抗予選ではなおさら、その「一手」が勝負の分かれ道となる。攻撃陣は、JR東日本の好投手・田嶋大樹投手から9安打を放ったが1点止まり。1回表、3回表、5回表と先頭打者として3安打を放った1番砂川哲平の出塁を、一度も得点につなげられなかったことがもっとも悔やまれる。「あと1本、ヒットが出ていれば……」。その決定打不足を払拭することが、攻撃における今後の大きなポイントになる。
次戦は5月27日(土)の鷺宮製作所戦。まずはその一戦に、敗れた悔しさをぶつける。
(文・写真:佐々木亨)