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BATTERY

森脇、氏家-喜多

戦評COMMENT

結果から言えば、1失点での敗北だ。

負けて「しょうがない」と言うべきではないだろうが、わずか「1失点」で敗れたのだから投手陣は責められない。

試合後の吉井憲治コーチは言う。

「負けてしまっては意味がありませんが、森脇(亮介)は間違いなく立ち直りました」

今予選での森脇は2試合に登板をしていた。初戦(REVENGE99戦)は9回表にマウンドに上がり、無失点に抑えたが2安打1四球で満塁のピンチを作った。第1代表ゾーンの準決勝(JR東日本戦)では7回途中に登板して、1安打3四死球と乱れて一死も奪えないままに降板した。「最悪」と言ってもいい状態が続いた。

不甲斐ない自分が情けなかった。この試合は、そんな自分と決別するためのマウンドでもあった。森脇は言う。

「2試合ともにまったくダメで……。今日は危機感を持って臨みました」

本人とっては背水の陣である。先発として覚悟のマウンドに上がった森脇は、過去2試合のピッチングを払拭するかのように、初回から鬼気迫る表情で相手打線に向かっていった。

本来の持ち味であるストレートには躍動感が戻った。キレのあるフォークボールも要所で冴えた。「今日はストレートとフォークを中心に組み立てた」と語る先発マスクの喜多亮太に導かれるように、序盤2イニングスは完璧に抑えた。3回表に一死から連打を浴びて二、三塁とピンチを迎え、1番打者にセンターへ犠飛を放たれて1点を献上。「(犠飛の場面は)フォークが抜けてしまった」(森脇)。高めに浮いた失投を悔やんだが、4回以降は再びスコアボードに「0」を並べた。5回表には一死から9番打者にレフト前ヒットを浴びたが、後続をピッチャーゴロの併殺に討ち取った。7回表には先頭の6番打者にライト前ヒットを打たれるが、後続の犠打を自らの好フィールディングで阻止し、得点圏への進塁を防いだ場面があった。投げて良し、守って良し。一球、ワンプレーに集中力を高めて相手を封じた。9回表にヒット2本で一死一、二塁とされたところで、2番手の氏家優悟にマウンドを譲ったが、115球を投げて6奪三振の1失点。完全復活を強く印象づけた。その後、氏家がピンチを凌いで、結局、投手陣は失点「1」に抑えた。

その好投が報われなかったのは、あまりにも悔しい。

攻撃陣のヒットは、わずかに3本。1回裏の3番赤堀大智と5回裏の7番江藤圭樹が放ったセンター前ヒット、そして6回裏の1番砂川哲平が記録したライト前ヒットだけだ。

6回裏は先頭の砂川が出塁し、2番宮川和人の犠打で得点圏に走者を進めた。二死後、4番根岸晃太郎のサードゴロが野手の失策を誘い二死一、三塁。絶好の同点機を迎えた。だが、5番澤良木喬之がショートゴロに倒れて得点には至らなかった。

数少ないチャンスの中で、もっとも盛り上がりを見せたその場面。澤良木の討ち取られた球はツーシームだった。この試合もっとも攻撃陣が苦しめられたのが、東京ガスの右腕・那須裕志投手が多投したその変化球だった。6回裏一死二塁で三振に倒れた赤堀は言う。

「インコースにシュート気味に変化して食い込んでくるボールが厄介でした」

赤堀は9回裏にセンターへ大飛球を放った。傍目から見れば打った瞬間に「抜けた!」と思った打球も、赤堀曰く「詰まっていた」。そこでもツーシームが大きく立ちはだかった。

完封負け。相手投手のピッチングが完全に攻撃陣の力を上回ったということになるのだろうが、それでも「0」はあまりにも寂しい。東京ガスの強力打線を粘り強く抑えた投手陣の好投があっただけに、攻撃陣の無力さが際立った。

とは言え、戦いは終わったわけではない。5月31日(水)の第3代表決定戦まで、わずかながらに時間が空くのはプラスにとらえたい。気持ち新たに挑む代表決定戦では、攻撃陣の奮起が勝利のカギを握る。

(文・写真:佐々木亨)