• TEAM T
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • R
  • H
  • E
  • JR東日本 J
  • 2
  • 0
  • 3
  • 3
  • 0
  • 0
  • 3
  • -
  • -
  • 11
  • 13
  • 0
  • セガサミー
  • 0
  • 1
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • 0
  • -
  • -
  • 1
  • 3
  • 2

BATTERY

氏家、森脇、井上、石垣、鈴木-須田、喜多


【備考】 大会規定により7回コールドゲーム

HOMERUN

根岸(2回ソロ)

戦評COMMENT

現実を受け入れる瞬間にタイムラグが生じた。感情をぶつけることすら忘れてしまうほどの大敗に、試合直後の一塁側ベンチには無表情な顔が並んだ。

相手に向かっていく勇ましい顔つきや勝利への強い思いは、イニングを重ねるごとに失われていった。1回表、二死一塁から先発の氏家優悟が「甘く入った」力なきボールをレフトスタンド中段に運ばれて2点を先制される。3回表には先頭打者に三遊間ヒットを浴び、次打者の三塁線への犠打が内野安打となって無死一、二塁とピンチを招く。続く3番打者の一塁手・澤良木喬之の頭上を越える叩きつけられた打球を、回り込んだ二塁手・砂川哲平が捕り損ねてボールがファールゾーンを転々とする間に二塁走者の生還を許す。3点目を失ったところで氏家は降板。「自分のピッチングができなかった」。なおも無死一、三塁とピンチが続く中で登板した2番手の森脇亮介はショートゴロで一死を奪うが、5番打者に四球を与えて満塁とされた。続く6番打者は1ボール2ストライクを追い込んだ。初球のフォークボールはボール球となったが、2、3球目は140キロ中盤の威力あるストレートでファールを奪って優位なカウントを作った。だが、4球目。森脇と須田凌平のバッテリーが選択したフォークボールが高めに浮き、ライト前へ運ばれてしまう。三塁走者に続いて二塁走者の生還も許して5失点目。

明らかに相手打者は森脇のストレートに差し込まれていた。それだけに強気にストレートで勝負にいく選択肢はなかっただろうか。無論、捕手の須田にもその考えはあったはずだ。優位なカウントから変化球で様子を見た後に、ストレートで勝負する狙いがあったかもしれない。ただ、狙いは外れた。何よりもフォークボールが甘いコースに入ってしまった。その微妙なコントロールミスには、低めに鋭く落ちてワンバウンドするほどのフォークボールを、それまで各打者に見切られていたという現実と、そこでの心理状態が深く関係していたのかもしれない。須田は言う。

「今日は氏家にしろ、森脇にしろ、相手の各打者がフォークボールにまったく反応しなかった」

それだけに配球に苦しんだ。

中盤以降も負のスパイラルから抜け出すことができなかった。相手の勢いはさらに増し、一塁側ベンチは防戦一方で成す術がなかった。4回表は二死からの失点だ。森脇と3番手の井上和紀が合わせて3失点。6回表に無死満塁のピンチを迎えながら無失点に抑えた井上のピッチングには粘り強さがあったが、7回表には無死一塁から登板した4番手の石垣永悟が3失点。5番手の鈴木直志が2者連続三振を奪って猛攻を食い止めたが、7回表を終わった時点でJR東日本のスコアボードには計11点が刻まれた。

一方の攻撃陣は、わずか3安打である。前の試合から打順を組み替えて挑んだが、JR東日本の左腕・田嶋大樹投手を打ちあぐねた。得点シーンは2回裏。4番から6番に降格した根岸晃太郎が意地の一発を左中間スタンドへ叩き込んだ。1点差に迫る豪快弾に一時はベンチの士気も高まったが、その序盤の攻撃が唯一の見せ場だった。

10点差での7回コールド負け。

都市対抗予選の代表決定戦では、かつてないほどの大敗だ。現実はあまりにも重い。それでも、チームは前を見据えるしかない。残す枠は「第四代表」。試合後の選手たちは口々に語った。

「気持ちを切り替えて頑張ります」

その言葉を信じるしかない。最後の一戦に、すべての力と思いを結集される。

(文・写真:佐々木亨)