HOME 試合情報 試合結果 予選リーグ第2戦 試合日程・結果 2018.03.12 [Mon] 11:30 第73回JABA東京スポニチ大会予選リーグ第2戦 vs 三菱重工名古屋 大田スタジアム 三塁側 前の試合へ 次の試合へ TEAM T 1 2 3 4 5 6 7 8 9 R H E 三菱重工名古屋 三 0 1 2 0 1 0 0 0 0 4 セガサミー セ 0 1 1 0 0 0 0 0 0 2 BATTERY 井上、島津、森脇、横田-喜多 選手成績 戦評 速報 戦評COMMENT 情けないです……」 先発の井上和紀は言葉を噛みしめて、ただただ自分の不甲斐なさを悔やんだ。 1回表から制球に苦しむ左腕がいた。先頭打者に対してはストレートの四球。2番打者にはセンター前ヒットを浴び、3番打者にも四球を与えた。捕手・喜多亮太が持ち前の強肩で二塁走者の三塁進塁を阻止。井上自身もピンチを背負ってから2者連続三振を奪って意地を見せたが、明らかに制球に苦しむ姿があった。 「大会前のオープン戦では(ピッチングの)感触が良かったですし、状態は悪くなかったはずだったんですが……」 気持ちと体のバランスに、わずかなズレが生じていただろうか。2回表には、自分でも制御できないコントロールの苦しみが、そのまま失点に直結した。先頭打者には、2ボールからの3球目をレフトへ運ばれて二塁打。続く7番打者の大飛球を左翼手の江藤圭樹が背面キャッチの好プレーを見せて井上を盛り立てるが、8番打者にセンター前ヒットを浴びて先制を許した。二死後、1番打者にレフト線への二塁打を浴び、走者二、三塁とされたところで無念の交代。井上は先発の役割を十分に果たすことができずに、肩を落としてベンチに退いた。 序盤に崩れた投手力は、3回表になるとさらに大きなミスとなって表れた。井上の後を受けてマウンドに上がっていた島津瑛向が、先頭打者への死球をきっかけに冷静さを失った。さらに暴投とレフト前ヒットで一、三塁。一死後、7番打者にライト前ヒットを浴びて勝ち越しを許し、なおも一死一、三塁。島津は、理想的とも言えるピッチャーゴロに仕留めた。だが、併殺をイメージして二塁方向へ体を振ったが、二塁フォースアウトを諦めて一塁へ送球する。一瞬の迷いが指先の感覚を狂わす。暴投となり、三塁走者の生還を許して追加点を献上した。 「すべては(ピッチャーゴロの)あのプレーです。討ち取った直後、併殺を狙いにいったのですが、一塁走者がスタートを切っていたのに気づかなかった。一塁へ投げるとき、三塁走者がいることに一瞬気づいたのですが、もうすでに遅かった……」 島津は手痛いワンプレーを、ただただ悔やむのだ。 序盤にあった投手陣の乱れは、想像以上にダメージが大きかった。 4番根岸晃太郎のライトオーバーの二塁打(右翼手の失策が重なって三塁へ)をきっかけに、6番須田凌平の犠飛で1点を返したのは2回裏。3回裏には、一死から9番喜多が左中間を破る二塁打で出塁。2番砂川哲平のライト前ヒットで2点目を挙げ、一時は1点差に迫った。だが、重苦しい空気が晴れることはなかった。 5回表に3番手で登板した森脇亮介がソロ本塁打を浴びて2点差にされると、打線は中盤以降、得点することができなかった。チャンスがなかったわけではない。6回裏には4番根岸がサードへの内野安打。7回裏には7番江藤がセンター前ヒット。9回表には5番澤良木喬之がセンター前ヒット。いずれもが先頭打者の出塁だった。それでも、得点圏に走者を進めることすらできずに拙攻が続いた。 序盤の悪い流れが試合のすべてとは言わないが、投手陣の乱れが敗因の一つだったことは明らかである。重苦しい試合展開を打破する力強い攻撃力も求められる中、課題が露呈して敗北を喫したチームは、通算成績が1勝1敗となり決勝トーナメント進出に向けて窮地に立たされた。 (文・写真:佐々木亨) 前へ 1 次へ PHOTO GALLERY 一覧を見る 前の試合へ 試合結果一覧 次の試合へ
戦評COMMENT
情けないです……」
先発の井上和紀は言葉を噛みしめて、ただただ自分の不甲斐なさを悔やんだ。
1回表から制球に苦しむ左腕がいた。先頭打者に対してはストレートの四球。2番打者にはセンター前ヒットを浴び、3番打者にも四球を与えた。捕手・喜多亮太が持ち前の強肩で二塁走者の三塁進塁を阻止。井上自身もピンチを背負ってから2者連続三振を奪って意地を見せたが、明らかに制球に苦しむ姿があった。
「大会前のオープン戦では(ピッチングの)感触が良かったですし、状態は悪くなかったはずだったんですが……」
気持ちと体のバランスに、わずかなズレが生じていただろうか。2回表には、自分でも制御できないコントロールの苦しみが、そのまま失点に直結した。先頭打者には、2ボールからの3球目をレフトへ運ばれて二塁打。続く7番打者の大飛球を左翼手の江藤圭樹が背面キャッチの好プレーを見せて井上を盛り立てるが、8番打者にセンター前ヒットを浴びて先制を許した。二死後、1番打者にレフト線への二塁打を浴び、走者二、三塁とされたところで無念の交代。井上は先発の役割を十分に果たすことができずに、肩を落としてベンチに退いた。
序盤に崩れた投手力は、3回表になるとさらに大きなミスとなって表れた。井上の後を受けてマウンドに上がっていた島津瑛向が、先頭打者への死球をきっかけに冷静さを失った。さらに暴投とレフト前ヒットで一、三塁。一死後、7番打者にライト前ヒットを浴びて勝ち越しを許し、なおも一死一、三塁。島津は、理想的とも言えるピッチャーゴロに仕留めた。だが、併殺をイメージして二塁方向へ体を振ったが、二塁フォースアウトを諦めて一塁へ送球する。一瞬の迷いが指先の感覚を狂わす。暴投となり、三塁走者の生還を許して追加点を献上した。
「すべては(ピッチャーゴロの)あのプレーです。討ち取った直後、併殺を狙いにいったのですが、一塁走者がスタートを切っていたのに気づかなかった。一塁へ投げるとき、三塁走者がいることに一瞬気づいたのですが、もうすでに遅かった……」
島津は手痛いワンプレーを、ただただ悔やむのだ。
序盤にあった投手陣の乱れは、想像以上にダメージが大きかった。
4番根岸晃太郎のライトオーバーの二塁打(右翼手の失策が重なって三塁へ)をきっかけに、6番須田凌平の犠飛で1点を返したのは2回裏。3回裏には、一死から9番喜多が左中間を破る二塁打で出塁。2番砂川哲平のライト前ヒットで2点目を挙げ、一時は1点差に迫った。だが、重苦しい空気が晴れることはなかった。
5回表に3番手で登板した森脇亮介がソロ本塁打を浴びて2点差にされると、打線は中盤以降、得点することができなかった。チャンスがなかったわけではない。6回裏には4番根岸がサードへの内野安打。7回裏には7番江藤がセンター前ヒット。9回表には5番澤良木喬之がセンター前ヒット。いずれもが先頭打者の出塁だった。それでも、得点圏に走者を進めることすらできずに拙攻が続いた。
序盤の悪い流れが試合のすべてとは言わないが、投手陣の乱れが敗因の一つだったことは明らかである。重苦しい試合展開を打破する力強い攻撃力も求められる中、課題が露呈して敗北を喫したチームは、通算成績が1勝1敗となり決勝トーナメント進出に向けて窮地に立たされた。
(文・写真:佐々木亨)