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BATTERY

横田、森脇、田中-喜多

戦評COMMENT

球数の多さが、苦しいマウンドを象徴していただろうか。

先発の横田哲は初回、一塁走者を牽制球でアウトにしながら三者凡退で切り抜けた。だが、四球を与えた2番打者に9球を費やすなど、計19球を投げ込んだ。2回表は一死から連打を浴びて一、二塁とされた。そのピンチでは、サードゴロでの併殺に討ち取り無失点。ただ、球数は計21球に及んだ。同じく連打で一、二塁とされた3回表も、結果的に点を与えなかったが計24球。序盤だけで64球に及んだ球数は、やはり「多い」と言わざるを得ない。カウント優位の状況からファールで粘られるなど、決め球に苦労した印象だ。

「まだまだ(サイドスローが)自分のものになっていない。スライダーなど、変化球の曲がり幅がイメージ通りではなかった」

サイドスローはオフシーズンから本格的に取り組んできた。新たな挑戦は、「横の角度」という大きな武器をもたらし、この試合でも随所で持ち味は見せた。だが、横田自身が納得できる要素は少なかった。

心のどこかにあった不安が失点につながったのが4回表だ。イニングの先頭として迎えた4番打者に、意図的に「抜いたストレート」を、体勢を崩されながら右中間スタンドへ運ばれた。早々に2ストライクと追い込み、1ボールを挟んでの4球目だった。

結局、横田は5イニングスを投げ切り、失点はソロ本塁打による1点のみ。結果だけを見れば、先発としての役割を果たしたと言える。ただ、計101球を投げ、8安打を浴びたピッチングに、横田が満足することはなかった。

6回表から登板した森脇亮介も、打者を追い込んでからの“1球”を悔やむ。7回表は二死二塁から、左打席に立つ2番打者に左中間方向(センター前ヒット)へタイムリーヒットを浴びた。1ボール2ストライクからの5球目。アウトコースへ高めに浮いたストレートを痛打された。さらに8回表には、5番打者にレフトスタンドへ飛び込むソロ本塁打を浴びた。早々に2ストライクと追い込みながら、粘られて迎えた7球目だった。森脇が振り返る。

「(失点した場面は)どちらも打たれたのはストレート。全体的にストライク先行のピッチングが出来てよかったと思いますが……」

痛恨とも言える、それぞれの“1球”を森脇は最後まで悔やんだ。

一方、打線にとって最大のチャンスにして最も悔やまれたのが1回裏の攻撃だ。

先頭の砂川哲平が左中間へ二塁打を放ち、2番宝楽健吾が犠打を決めて一死三塁と先制のチャンスを作ったところまでは理想的だった。3番北阪真規が三振に倒れたが、4番根岸晃太郎が死球、5番澤良木喬之が四球を選んで満塁。チャンスはさらに拡大した。だが、6番須田凌平が初球を打ち上げ、センターフライ。「初回の打席がすべて」と須田が悔しさを露わにして振り返った1回裏、無得点に終わった拙攻が、その後の攻撃の流れを築いてしまったと言っても過言ではないだろう。2回以降で、得点圏に走者を進めたのはわずかに2度だけ。ヒット数は重ねるものの、連打もなくチャンスらしいチャンスはなかった。

最後までホームベースは遠く、完封負け。

都市対抗予選の組み合わせに直結する大切な企業春季大会。初戦を落としたチームは、順位決定戦へまわった。

(文・写真:佐々木亨)